冬の台風

 関東地方に台風が近づいていてちょっと心配ですね。台風は被害が出ると大変になることも大きく、私個人としても長野などを襲った台風19号災害ではボランティアに出た飯山での大変な被害は今でも思い出します。

 台風は夏のものというイメージですが、基本的には一年中発生する可能性があるそうです。過去には1月で台風1号があった年も、12月に台風が発生した年もあったそうです。その中で夏から秋に日本に向かってくるものが私たちの台風のイメージで、冬の時期に上陸する台風は1990年の11月30日に和歌山に上陸した台風28号が最も遅い時期の上陸の記録だそうです。11月30日といえば結構スキー場がオープンしているイメージですよね。

 そんな台風とは仕組みが異なりますが、冬は独特ないわば「台風」が日本をしばしば襲うのは、意外と知られていないかも?これはいわゆる爆弾低気圧というヤツです。

 冬は周期的に天候が変化する傾向にありますが、そのなかで特徴的な天候が「西高東低の冬型気圧配置」「二つ玉低気圧」「南岸低気圧」「爆弾低気圧」でしょう。南岸低気圧は太平洋側でもたくさんの雪を降らせるので雪山民は期待の天候ですが、しかし近年は高温傾向で南岸低気圧が向かっても雨になりがち、昨年などは特に影響が大きかったように思います。

 西高東低ならば雪が降りやすい天候で、この気圧配置になると北風が大きく本州に入り込んで来やすくなるので冷え込み、雪が降ります。2012年の2月などは本州でもマイナス25度を下回るとてつもない寒さになりました。野辺山では観測史上最低温度がこの2012年2月だったようです。

 二つ玉低気圧というのはちょっと耳慣れませんが、日本海と太平洋で同時に発生する低気圧で、この時低気圧に挟まれる中間地点は天気がよくなる「擬似晴天」になりやすい状態です。この太平洋側の南側の低気圧が勢力を強めると南岸低気圧に、日本海側だと西高東低の気圧配置に変化していくのですが、この2つ低気圧がなんと合体すると「爆弾低気圧」に超絶進化します!

 爆弾低気圧は主に東北以北の地域で爆風をもたらし、風速20m超えも珍しくないほとんど台風のような低気圧です。北海道のブリザードの原因であり、そして意外にも「春一番」の原因にもなります。爆弾低気圧は急激に発達するのが特徴で、発達すると台風のように北東に向かっていくので、もし東北や北海道に行く方、日本海からフェリーに乗る方は旅行の数日前に二つ玉低気圧があればちょっと心配した方が良いかも?GRの中の人は毎年北海道のイベントのために日本海からフェリーで向かいますが毎年これが本当に心配で、初めてフェリーで北海道に行った年は風速17m、波は大時化でフェリーの中はさながら地獄でした。

 あんな状態でも航行できる新日本海フェリーもすごいです。初めての年に最悪クラスを経験したおかげで、その後のフェリー旅はわりと快適に過ごさせて頂いています。

 明日からの台風は過去にも類を見ない危険な台風になり得るともニュースなどで伝えられています。明日は皆様、どうかご安全に。

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