その板、プレチューンしてます?【買ったままの板が調子悪いワケ】

 GRでも注文や問い合わせが多くなり新しい板買いました!という声もよく耳にするこの頃。おそらく今週末の連休はゲレンデも盛況になるのではないでしょうか?

 そんなテンションアゲアゲな手元に買ったばかりの新しい板がある人も大勢いらっしゃると思います。楽しみですよね!新しい板。きっとこれを履けばこれまで以上に楽しく上手に滑れると期待しちゃいますよね!

 なんですがね。その板。プレチューン済んでますか?

スキーもスキボもスノーボードもそのままの状態で使うのはあんまり良くないワケ

 実際に買ったばかりの板で滑ると・・・あれ?すっごいエッジが引っかかる感じがするし、まっすぐ滑るのも大変!ってな経験がある方も多くいらっしゃると思います。そう、これは「仕方ない」ことなんです。

 なぜかというと買ったばかりの板は買ったばかりの野菜を下ごしらえも皮も剥かずムシャムシャ食べているようなもの。そのままでも美味しいものやそのままの方が好みという方もいらっしゃいますが、やっぱり皮を剥いて下ごしらえをしたほうが美味しく食べられますよね。

 スキーなどの板も同じで、多くのメーカー、ブランドの板は何も下ごしらえもされていない素の状態なんです。仕上げの良い板ならそのままでも使えないことはありませんが、だいたいはエッジにバリが出ていたり、滑走面が平面じゃなかったりきれいでなかったりと滑りに影響がある状態のままになっています。だからエッジがひっかかったりまっすぐ滑れないんですね。

 だったら仕上げて販売すれば良いじゃん!ってなりますが、そうすると値段もその分高くなりますし、ユーザーそれぞれの好みに合った乗り味のためのチューニングが難しくなります。スキーやスノーボードは元々そういうものなので、スキーボードも同じようになっています。

 そのため、使う前にプレチューンを行う必要があるのです。このプレチューンはお店によっては勧められたりします。が、イマイチわかりにくいので断ってしまう方も多いですが、やるかやらないかで後の満足感は大きく変わります。一般のプレチューンの多くはエッジのバリ取りとワックスで、それだけでも随分と板は本来の性能になります。

 さらに好みがわかっていればエッジに角度をつけるチューニングや、エッジの感触を調整するダリングなどの処理を依頼することもできます。ただこの作業は多少の知識とさらに工賃が必要なのでここまで含めたプレチューンを依頼する場合はお金がそれなりにかかりますし、買ってすぐに持って帰ることもできません。またネットショップの場合はこれらのサービス自体をやっていないところもある様子なので、ネット購入の場合は特に注意が必要です。

 なおスキーなどに十分な理解のあるお店ではきちんとプレチューンを依頼でるはずです。購入前にそのことを伺ってみるのも良いと思います。

プレチューンが必要でない板も存在する

 さて、プレチューンの必要性を語ったところで「プレチューンが要らない」板というのも存在します。それはメーカーがプレチューン込みで販売している板や中古の板(の一部)です。

 GRのスキーボードが全てプレチューン済みで販売しているのは、多くのスキーボーダーはプレチューンの存在自体を知らないので、購入直後の不快感を少しでも解決したくて行っているのと、プレチューンによってモデルそれぞれの期待する乗り味の微調整ができるからです。だからGRの板は買ってそのままゲレンデに持っていって乗れます。このプレチューンも過度に行っていないので購入後に自分の好みでさらにチューニングする余地を残しているので、もし「ちょっとエッジが引っかかるなぁ」と感じたり、「もう少し操作感を楽にしたいなあ」というときにはぜひGRに問い合わせてください。自身で調整可能な方法をお伝えしたり、より本格的なチューニングを行うことも出来ます。

 まあ簡単にいうとGR板は全部「プレチューンの必要が無い」んです。

 スキーやボードメーカーでも一部のところも同じようにチューン前提で販売されています。こうしたモデルはまずそのまま使ってみるのがオススメで、その後自分に合わせた調整を行うのが良いです。

 そしてもう一つ「中古の板」です。中古の板はそれなりに滑ることでエッジが自然に最適化されている場合があったり、前ユーザーがチューニングしたりワックスを塗ったりと、買ったままの素の状態よりもよい状態になっている場合が割とあるのです。こうした板を購入すると「すごくいい!」と感じますが、そのイメージのままで新品の板を買うと「あれれ?」となるのはここにも理由があります。とはいえ中古でもどのようなメンテがされていたのかわかりませんから乗ってみて素の状態より酷いものや、買って理想と違ったのでオークションに出した板なども多く混在しているのでもはやここは「運」です。こうした板もチューンをすることで随分回復することもありますが、中には戻すのも不可能な板もあったりと、やはり中古の板にはメリットもデメリットもあるのです。

自分でプレチューンをするには?

 程度にもよりますが、GRのプレチューンレベルだと専用の治具などが必要なので自身で行うのは難しいです。出来ないことはありませんがそれらの道具を揃えるだけでもう一台板が買えてしまいますからオススメしません。

 ただ「バリ取り」と「ワックス」なら誰でも出来ます。バリ取りはエッジの角を軽く錆び取り消しゴムやサンドラバーで1〜2回往復せずに擦るだけです。

 図のように軽く当ててすーっと擦るだけです。※絶対に力を入れたり往復したりしないで下さい
 これだけで結構エッジの引っかかりは解消されます。もし滑ってみてまだひっかかりが感じるならその引っかかる箇所を一回ずつ擦れば徐々に好みに仕上がります。
 ただ何度もこれを行うと大事なエッジの角が無くなってとても滑りにくい板になってしまう場合があります。5~6回擦っても改善されない場合は滑走面に影響がある場合があるので、その時はプロに相談するのがベストです。

 ワックスはできればアイロンを用いたホットワックスが良いのですが、なければどんなものでも構わないので、できればフッ素が添加されていないベースワックスを塗って記載されている使用法に準じて使って下さい。フッ素はよく滑るイメージがありますが素の状態の板に使うのはほぼ意味がありません。市販の「ベースワックス」と記載のあるものであればだいたいOKなので、とにかく塗ってから使って下さい。これだけでその後の板の保ちは随分変わります。
※アイロンをお持ちならばパラフィンベースのベースワックスを一回でも構わないので塗って乾かし、スクレーパーで剥ぎ取ってからお使い下さい。

準備はOK?

 やってみると少し面倒ですが、使用してからでもこれらの作業は効果があります。せっかくの憧れの板、気持ちよく滑るのならばぜひこの作業を行ってから使って下さい。
 なお「どんなふうにプレチューンしたら良いかわからない!」という場合は素直に販売店に伺うのがベターです。それでも解決しない場合はお気軽にGRにお尋ね下さい。可能な限りお手伝いさせて頂きますよ!
 あ、シーズン中はゲレンデに出ていることが多いのでメールやDMでご連絡いただけると大変助かります!


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