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ビンディングの性能とは?(解放式 その5)

ビンディングの性能とは?(解放式 その4) https://note.com/grski/n/n19e6eaefb2f7

 今回も続いてます。前回は上記リンクよりご覧下さい。

  前回までで解放式のそれぞれの違いが見えてきたと思います。今回は仕組みの違いなどをご案内します。

ブーツの規格とビンディングの規格

 解放式ビンディングはブーツと確実に板を装着させるために規格が決まっています。一般的なアルペン用ビンディングにはアダルト規格とジュニア規格、そして近年登場の新たな規格となるGripWalk規格です。

 このうちアダルトとジュニア規格は、見た目こそほとんど違いがありませんが、コバの高さに違いがあり、アダルト規格のブーツで無理に履くとビンディングが正常に作動しません。この問題は子供が成長にともなってビンディングを代えずにジュニア規格からアダルト規格のブーツにしてしまうとしばしばおこる問題です。
 またその逆、アダルト規格のビンディングなのにジュニア規格のブーツで履くとガタガタして無用に外れる事があります。多くのビンディング付きのスキーボードは短いのでジュニアでも使えると誤解されていますが、ビンディングがジュニア規格に対応していないとジュニア規格ブーツのままでは使うことができません。

 これはビンディングのモデルによって両方対応するもの、パーツの交換が必要なもの、アダルト規格でしか使えないものなどと様々です。購入時に確認する事をお勧めします。

↑ジュニア規格/アダルト規格両対応のビンディング。これは自動的に対応させられるので、特に気にすることなくどちらでも使えます

↑アダルト規格のみ対応のビンディング。ジュニアでは使えません

 これらはほとんどの場合でトゥピースの方で対応の違いが構造としてできています。しかし見てわかるような違いはほぼないので、もし中古などで購入した場合は注意が必要です。

 そして更に問題になるのがかつて存在したスキーボード専用(ファンスキー専用)ブーツです。これはきちんと現在のビンディング規格に対応していないものも存在するため、適切な解放式ビンディングを選ぶのが難しいのです。ブーツの耐用年数から考えてもその頃のブーツはもう構造に限界となっていると思いますので、差し支え無ければ買い替えをお勧めします。

 更に近年登場のGripwalk規格についてですが、この規格はこれまでのアルペン用ビンディングもブーツも規格が異なるので注意が必要です。とは言えGripWalk規格ならほぼ従来のアルペン用ブーツなら互換性があるので使えますが、やはり調整が必要なのでこれもちょっとのものは気をつけたい所です。※調整無しで互換性のあるものもあります。
 しかしこれにも注意があり、GripWalk規格のブーツはビンディングも同規格でないと履けないと言うことです。無理やり履くことが出来てしまいますがその場合やはりビンディングは正常に作動しなくなるので、必ず規格を合わせる必要があります。

 ↑GripWalk規格は、モデルが異なっていても必ずビンディングに規格の刻印があります

 GripWalk規格は歩きやすさなどに工夫のある規格で、徐々に登場しています。アルペン用ブーツはとても歩きにくく、スキーブーツに不慣れな方はこの規格を知っておくと良いかもしれません。今後どれくらい普及するかはまだ判りませんが、これについてはGRでも継続して注視していきますね。

ヒールピースの解放機構

 長い解説もこれが最後、ヒールピースについてです。
 一般的はビンディングはヒールピースが「レバー式」と「リンク式」の二つに分かれます。

↑レバー式

↑リンク式

 レバー式は解放値の低いビンディングや軽さを必要とするビンディングで多く見られます。構造がシンプルなので廉価に見えますが、競技者用ビンディングでも採用されるくらい幅広く使われています。

 リンク式は複数のパーツを組合せて出来ていて、モデルによってそれぞれ特徴のある解放動作をします。これにより単純なレバー式よりも、外れる限界まで解放しない。とか、脱着に強い力が必要ない。などの付加機能が与えられているものが多いです。また解放値の高いビンディングだとレバー式は大型になりやすいので、コンパクトにするためにリンク式を採用しているものもあります。

 フリースタイルスキーやスキーボードでは転倒する事がおおいので、レバー式はお尻に刺さりそう!って敬遠する方も多いですね。

↑もし刺さったらヤバい…

 なお上のビンディングのようにレバー内部にバネが内蔵されているものと、上の赤いビンディングのようにベース部に内蔵しているものとありますが、これらはその性能に大きな差はありません。

 板を脱ぐ際に手で押して脱ぐスキーボードの場合、比較的レバー式のほうが扱いが楽なようです。リンク式は慣れないと手を挟むなどの事があるので脱着には要注意です。

 履きやすさではリンク式が一枚上手です。レバー式は解放値が高いと履きにくくなる傾向があるので、高い解放値が必要なのに体重が軽い方はリンク式の方が簡便かもしれませんね。
※慣れればどちらも大差ありません

 と、これまで長々と解説しましたが解放式ビンディングの性能や違いはわかりましたでしょうか?スキーボードではこれから拓いていく解放式ビンディングなので、今後よりスキーボードに適したビンディングが登場するやもしれません。

 今回の解説が参考になれば幸いです。判らないことがあればお気軽にご質問下さいね!

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