スキーの板が平らじゃない件
皆さん、知ってます?スキーやスキーボードの板は平らじゃないって。
一般にスキーの板は平らであるもの。特に競技などで使う板ほどチューンでわざわざ「フラット出し」と言う手間のかかるチューンを施して使う事もあり、フラット、平らと言うのは大事な要素です。
ではフラットがなぜ必要かと言うと、滑走性が高まり、操作性も向上するからです。車で例えるなら、でこぼこのタイヤよりもきちんと転がるタイヤの方が乗り心地も運転のしやすさも良くなります。こんな感じのイメージで考えて問題無いですが、スキーの板においてフラットか否かはコピー用紙一枚程度の厚みの差で影響します。
※更に言うとフラットとエッジチューンは必ずセットなので、フラット出し単体でのチューン依頼はしない方が懸命です。フラット出しだけだとやらない方が良いくらい非常に乗りにくい板になります。
ですがこのフラットがきちんとしている板はまず高いです。そして安い板はフラットではないです。チューンが一般的でないスキーボードではそれが顕著で、買って乗ったら乗りにくい…なんてトラブルはよく耳にします。安いのがスキーボードの魅力の一つですが、安いからこうした問題もあって、スキーボードは乗りにくいと敬遠される場合があるのは、いかんともし難い事実です。
さて、フラットについて。フラットの出ていない板は動きが不安定で、無用にエッジが引っかかったり、まっすぐ滑るのが大変になったりします。快適じゃないですよね。滑っていてキョロキョロ板が動いたり、左右で曲がる感覚が違うなどの板はとってもつかれます。
先に書いたようにスキーやスキーボードで低価格の板は、フラットでない可能性が多くあります。これは安く作るが故の製造上の問題もあって、特に樹脂製の、木芯を使っていない板はフラットでない事が多いです。この事はどうしようもないんですよね、素材の特性みたいなものなので。
それと木芯であっても残念な板はあります。触って判るほどの板もあり、こうした板はフラットの工程を手抜いたなと判ります。
じゃあフラット出し作業をすれば良いのですが、この工程を加えるとせっかくコスパ良く作った板でも価格を抑える事が出来ず、安いと言うメリットが無くなります。GRの板はこの工程を加えているので、素材として低価格の他の製品と違いが無いように見えて乗り心地に圧倒的な違いが表現出来ていますが、やはり安く仕上げるのは困難でちょっぴり他に比べると価格が高くなります。ですがハイランクのモデルならまだしも、エントリーグレードやジュニアも使うグレードの板であってもこうして仕上げたメーカー、ブランドは世界でも稀ではないでしょうか?
更にここでお伝えすると、GRの一部モデルに至ってはワザとフラットにしていないものもあります。これはテストなどで性能評価した際に、フラットよりフラットではないチューンの方が楽しかったのでそうしています。スノーボードだとワザとフラットでない板も多いですが、スキー、スキーボードでこういう仕上げをしているのもGRの特徴かもしれませんね。
フラットについては本当に話題に尽きない話なので今回はこれくらいに留めておきますが、これからスキーやスキーボードを買われる方も多いと思いますので、この話しも参考にして頂ければと思います。
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