スキーボードのブーツの履き方って？

　この時期になると新たにスキーボードを始めようとする方が増えてきます。周りにスキーボーダーがいたり教えてくれる環境があれば良いのですが、スキーボードではスキーと違った部分があり、その一つが「ブーツの履き方」です。

　スキーブーツは硬くてなんでも同じに見えますが、その履き方で滑りの感覚は大きく変わります。ブーツがぴったり足に合っていることが前提ですが、スキーボードでは「ちょっと緩め」に履くのが基本になります。

　スキーではブーツはしっかり履くことを勧められます。でないと板がちっとも言うことを聞いてくれないからです。私が長板、普通のスキーを履くときは隙間も許さないくらいしっかり履きますし、本気になるときは限界までブーツを足にフィットさせます。

　しかしスキーボードはこのような履き方をするとエッジがひっかかりやすくなり、真っ直ぐ滑るだけでも板がプルプル小刻みに左右に動いて気持ちよく滑るのが難しくなります。メンテナンスしていない板やプレチューンしていない板ほどこの状況は顕著に現れてしまうので、特にポジションや滑り方が未熟な初心者ほどルーズに履いた方が良いのです。

　具体的には足首より下はしっかりと、それより上はゆったりとが基本になります。あまりゆるゆるに履くと別の理由で痛みが出やすくなってしまうので、締めた後あと脛に手を差し込んで少し指が入るくらい、膝がブーツを履いていても軽く前後にできるくらいを目安にゆったりと履きましょう。これだけで随分板の印象が楽になります。

　上達してきたらこの締め加減で「エッジのグリップ感」「板の反応感」をコントロールすることができるようになります。締めるとグリップ感が強くなるので、ずらさない滑りや高速滑走では閉めた方が楽になります。またグラトリの中にはより緩めた方がやりやすいもの、締めた方が楽なものとあり、締め加減で色々変化が楽しめます。緩いまま強めの滑りをすると痛みが出ることもあるので、シチュエーションに合わせてブーツを締めたり緩めたりするとより自分のパフォーマンスアップと、１日を快適に過ごすことができるようになります。

　とは言えこのあたりは体格やブーツそのものの性能にもよるところで、柔らかめのブーツでは緩めない方がよかったり、体重の軽い方は締めない方がよかったりと色々と違いがあります。ブーツの締め加減もチューニングの一つととらえて色々試して楽しむのも良いかと思います。