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カカオの森の贈り物 in Tabasco, Mexico

今年の初めにメキシコで訪れたカカオの森での体験についてお話しします。

Mayan伝統医学とカカオを学び、巡る約一ヶ月半にわたる旅。メキシコ・グアテマラ周辺は、マヤ文明の栄えた場所であり、今もまだ独自の言語のみで暮らしているマヤの人々たちから植物のこと、カカオのこと、そして自然界との繋がりや関係の持ち方などを教えていただきながら、とてもあたたかく、愛あふれる時間を共に過ごしました。

メキシコのカカオ農園では、世界各地からカカオに心を惹かれてやってきた方々と数日間、現地で先祖代々カカオの森を育み、守っている皆さんと寝床を共にし、植物と伝統医学、マヤの宇宙観とカカオについて学び、祈り、シェアリングしあう毎日。

農園では、メディスンウーマンに喉を治癒してもらったのですが、彼女は植物と会話ができる人で、いつも植物に話しかけて治癒に使ってもいいかどうか、セレモニーに参加したいかどうかを尋ねるそうです。喉の痛みの原因も、精神的なもの、これまでの経験の中で思い当たるものを深く内省して声に出してみることで、回復も早くなるよと教えてくれて、本当にその通りで驚いたことを今でも覚えています。

治癒やヒーリングというものの本質に触れ、生きた叡智として体験する日々の連続。

精霊やスピリット、祖先たちの存在が、彼らの世界では切っても切り離せません。

祈ること、感謝すること、捧げること。

浄化やヒーリングも自分自身のためだけではなく、家族や祖先、自然界やスピリットたちのために行われます。

カカオの森に入って植物や鳥の声、一つ一つを感じ観察していると、たくさんのことに気づかされ、自然は偉大な先生だなと改めて感じた時間でもありました。カカオの森では、おばあさんの木のそばでみんなで祈りを捧げたのですが、その体験は、自分の想像をはるかに超えたもの凄くパワフルで、あたたかく、心身魂が震えながら植物たちとこだましあい、響き合うような圧倒的で感動的なものでした。

今回の旅では単なるカカオの栽培ではなく、セレモニアルカカオとその作り手に出会うこと、古代のカカオの木に感謝を伝えること、カカオとその周囲の生態系、環境のことや歴史について学ぶこと、そして現地の方々と一緒に手を動かしたり、話し合って、カカオを通した繋がりを育んでいくことがテーマでした。

カカオ農園に着くとまず、祭壇作りと浄化からはじまります。これは、先にも書いたように、わたしたち自身だけでなく、家族や友人、先祖やスピリットたち、自然界への感謝を表すためです。浄化はリンピアと呼ばれ、マヤの伝統医学の中でも重要なことの一つ。

祭壇を作り、心身を浄化し、カカオについて学び、森の中で祈り、五感を使ってカカオと繋がっていく、そしてその場に集った人たちと食事や寝床をともにして、心を通わせ、みんなで手を動かして一杯のセレモニアルカカオをいただく。そのプロセスはとても美しくパワフルです。

カカオの森ではたくさんのことを学び、たくさんの贈り物をいただきました。

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