Z/Xストーリー、アクティベート! 第22回 「各務原あづみ編2 冒険の二つ星」
皆さん、こんにちは。GRRRです。
今回もあづみ達の本編での活躍をお話ししていこうと思います。
繰り返しになりますが、各キャラのストーリーの大まかな流れは、公式HPのおもな登場人物の軌跡を見ればわかりますので、そちらもご参照ください。
それでは、始まり!
1.蒼穹の追撃者
ホウライに伝わる神木、モウギならばあづみの病気を治療できる――。
八大龍王 徳叉迦からそう聞かされたあづみとリゲルは、モウギがあるという九州の高千穂を目指して、千歳・龍膽と共に東北のホウライの里から旅立ちます。
この頃には、あづみ達が帰還せず、リゲルが交信にも応じないことから、青の世界の上層部は彼女達が自分達を裏切ったと判断します。
本来、青の世界を裏切ったリゲルは、武装や道具をデータに変換して保存する電子格納庫ウェポンクラウドへのアクセス権をはく奪されるはずなのですが、それ以降も彼女は引き続きウェポンクラウドのアクセス件を持ち続けていました。
この状況には、リゲル自身も不思議に思っていました。
それはアドミニストレータの一人であり、感情を持つバトルドレスであるリゲルに期待するポラリスの仕業でした。
彼女が偽装工作を施したことで、リゲルは引き続きウェポンクラウドを使うことができたのです。
以降もポラリスは、影ながらあづみ達をサポートし続けていました。
さて、旅立って早々に、千歳の提案であづみ達は海水浴に行きます。
泳げないあづみとバトルドレスの装備が重すぎるリゲルは浜辺で水遊びをしていたようです。
あづみ曰く、
「(リゲルが)バトルスーツを脱げば……水中活動もできると思う。」
とのこと。
ちなみに、この時のあづみの水着はスク水。
リゲルが「こんなこともあろうかと」とウェポンクラウドから取り出したものです。
あづみ自身は、学校に行けなくて着る機会は一生ないと思ってたから、と喜んでいたのですが、その様子を千歳と龍膽は微妙そうな表情で見ていました……。
リゲルが本格的にあづみが好きすぎる残念な美人となり始めたのは、多分、この辺りからです。
また、この頃、あづみはソトゥ子の部屋に出演しています。
最初は緊張していた彼女ですが、悪意のないソトゥ子さんと打ち解けるまで、そう時間はかかりませんでした。
リゲルもしばらく後の千歳&龍膽回で登場し、安定のあづみLoveぶりを見せていました。
このように楽しい出来事が多く起き、リソース症候群も収まった事から、この頃のあづみはかなり明るく振舞っており、そんな彼女に影響されてリゲルも笑顔を多く見せるようになりました。
また、旅の中であづみは日記を書いていたようです。
しかし、理由はどうあれ青の世界を裏切ったあづみ達を、青の世界の上層部が放っておくわけありませんでした。
青の世界の支配圏である中部地方に入る直前の彼女達を、一人のバトルドレスが強襲します。
初めて見る、ですが見知った『その顔』にあづみ達は驚愕しました。
オリジナルⅩⅢ Type.Ⅰ"A-Z"。
バトルドレスのオリジンたるオリジナルⅩⅢの中でも、最初の一人。
正真正銘、一番最初に誕生したバトルドレスです。
その姿はあづみに瓜二つでした。
自身の主であるベガの命令を受けた彼女は、あづみとリゲルを捕らえるべく彼女達に襲い掛かります。
オリジナルⅩⅢは最初に作られたバトルドレスですが、常に最新の技術でアップデートされているため、その性能は非常に高く、リゲルも苦戦を強いられます。
しかし、今の彼女とあづみには頼れる仲間がいました。
千歳と龍膽の助太刀もあり、彼女達はなんとかType.Ⅰを退けることに成功します。
なお、Type.Ⅰがあづみそっくりの外見だったことについて、リゲルは『青の世界ではクローン技術は常識』とあまり気にしていませんでしたが、あづみは流石に戸惑いを隠せなかったようです。
また、公式HPのあづみの軌跡によると、彼女達の追撃に現れたのはType.Ⅰだけしか書かれていませんが、フレーバーテキストを見ていると、他のオリジナルⅩⅢのうちの何人かもあづみ達を襲撃したように読み取れます。
全員同時に、ではなく、個別に来たのでしょうか。
と、このようにオリジナルⅩⅢからの襲撃を受けたあづみ達でしたが、それ以上の青の世界の追撃はなかったようです。
この頃、青の世界の本隊は神器の破壊を目指す白の世界と激戦を繰り広げていました。
あづみ達の追撃に多数の人員を割く余裕がなかったのかもしれません。
なにはともあれ、大きなトラブルもなく青の世界の領土を抜けることに成功したあづみ達は比較的、危険なゼクスが少ない白の世界の領土を進んでいたのですが……その途中で思わぬハプニングに見舞われることになります。
2.Ne-Co Fun Jitter
九州の高千穂を目指して旅を続けるあづみ達はある日、鳴門海峡に辿り着きます。
しかし、ゼクス達の戦闘による影響か、鳴門大橋は壊れてしまっていました。
仕方なく、千歳は海路で向かうことを提案しますが、それを聞いて嫌な予感がしたリゲルはあづみを抱えて空から向かうことに決めました。
……繰り返しますが、ここは鳴門海峡。
この時の千歳の選択に、リゲルと全く同じ予感がしたプレイヤーは多かったでしょう。
案の定というか、お約束というか、千歳達が乗った小船は鳴門の大渦に巻き込まれて転覆してしまいます。
船から投げ出された千歳達を見て慌てるあづみの言葉に答えて、リゲルは千歳達が流れ着く先をシミュレート。
彼女達が岡崎の方に漂着すると予測し、そちらへ向かいます。
ですが、千歳達が漂着したのは中国地方の岡山ではなく、四国地方の香川。
ものの見事にあづみ達と千歳達は離れ離れになってしまいました。
リゲル曰く、鳴門海峡の海流が複雑すぎてシミュレートが困難だったそうなので、あんまり分析ミスした彼女を責めないでください。
ちなみに、龍膽をキャプチャーして、リゲルがあづみと千歳を抱えて飛んだら問題なかったのでは?とも思わなくはないのですが、その場合、リゲルの両手がふさがってしまって、敵性ゼクスとエンカウントしたときに支障が出る、と判断したのだと思います。
仕方ないね。
さて、岡山でしばらく千歳達を探して探索していたあづみとリゲル。
ですが、なかなか千歳達が見つからないことから、これは四国の方に流れ着いてはぐれてしまったのか……と思っていた時のことでした。
突如、彼女達の前に何かから逃げ惑うプラチナハムスターの群れが現れました。
彼らを狙っていたのはケット・シーのメインクーン。
宝石の体をもつギガンティックを狙って赤の世界の領土に侵入していたのです。
欲望のままに虫取り網を振るう彼は、うっかりプラチナハムスター達が纏わりついてたあづみにまで網を振り下ろしてしまいます。
……その行いがどんな結末を呼んでしまうのかは、火を見るよりも明らかでした。
ただでさえ、青の世界でトラブルを引き起こしまくった上に、あづみにまで危害を加えた猫に、リゲルの怒りは一瞬で頂点に達してしまいます。
あづみの制止も聞かず、容赦なくメインクーンに襲い掛かりました。
メインクーンも、目の前にいるのが『にゃんこキラー』リゲルであることに気づき、謝りつつも遁走。
ですが、逃げた先で彼はさらにとんでもない相手と出くわしてしまいます。
その相手の名は……倉敷世羅とオリハルコンティラノ!!
行方不明になった最愛の母を探す世羅は、母を連れ去ったのがケット・シーのカール一派であり、母が行方不明になる事件を引き起こしたのもケット・シーの仕業だとある人物から教えられていました。
そのため、ケット・シー達への敵意がマックスになっていた彼女は、迷うことなくティラノに攻撃命令を下します。
リゲルと世羅、双方に追い回されることとなったメインクーン。
しかし、その結果、リゲル達と世羅達も鉢合わせしてしまいます。
赤の世界のゼクス使いの出現に警戒するリゲルに対し、彼女の巨大なむねにくに敵意を抱いた世羅はこれまた即座に攻撃。
いきなり戦闘が始まってしまいます。
戦い始めたリゲル達を見て、どさくさに紛れて逃げ出そうとするメインクーンですが、彼の動きに気づいたリゲルとティラノの同時射撃で吹っ飛ばされることに……。
戦いは『どちらがメインクーンをこらしめるか』を賭けたスーパー理不尽な女の戦場と化してしまいました。
光弾と火炎弾が乱れ飛ぶ激闘の末、最終的にメインクーンを捕らえたのは世羅とティラノでした。
メインクーンを自らの手で懲らしめることができなかったリゲルですが、これは戦いの内容が内容なので、あづみに無駄に消耗してもらいたくないためでもあったのだとか。
ちなみに、この戦いは英雄達の戦記 第5章の話なのですが、初代アニメ版のエンディング、モノクローム・オーバードライブがイベントムービー中で流れていました。
初代アニメ版の放送直後だったからなのでしょうが……なんという神曲の無駄遣い。
3.りげる★くらいしす
とまあ、カオスな戦いを終えたあづみ達は、千歳達とは現地で合流することを決め、改めてモウギのある高千穂を目指すこととしました。
そして、これ以降も彼女達の旅の中で、様々な出会いが待っていました。
まず世羅との戦いから時間が少し巻き戻って、岡山に行く直前のこと。
あづみ達は目前に迫ったクリスマス用のプレゼントを買うために、神戸のデパートに立ち寄りました。
二人きりのショッピングを楽しむあづみ達でしたが、その時、あづみ達はこの場にはそぐわないジャージを身に着けた人物を発見します。
その人物を怪しむリゲルはあづみにその場で待つように告げて、その人物を監視。
挙動不審とも思える動作をするそのジャージの青年を見て、リゲルはその男があづみを狙う人物だと判断。
その男の前に立ちはだかります。
敵意を隠そうともしないリゲルに、その人物も警戒を露わにし、そして――そこで慌てたあづみが割って入り、リゲルを宥め、その男性に謝りました。
その人物の正体はガーディアンの秩序の頂点サー・ガルマータ。
彼はパートナーであるミサキが多忙なことから、彼女に代わって自分達が暮らす孤児院の子供達のためのプレゼントを買いにきていたのでした。
誤解で敵意を向けてしまったことから、さすがにリゲルもガルマータに謝りますが、彼はさほど気にした様子もなく、彼女の謝罪を受け入れました。
そして、ガルマータは子供達のために選んだプレゼントの一部を見せてくれるのですが……それはカーズカーズとバーサークバイクの玩具でした。
クールなデザインのバーサークバイクはまだしも、カーズカーズは流石に……。
ガル君のセンスのずれっぷりが窺えます。
というか、玩具も売ってるんですね、デススミス商会。
結局、見かねたあづみとリゲルは彼の子供達向けのプレゼント探しを手伝うことにしました。
とまあ、思わぬ邂逅とトラブルがあったあづみ達でしたが、彼女達はちゃんと目的であるクリスマスプレゼントも買っていました。
彼女達が互いのプレゼントとして何を買ったのかは……リゲル★クリスマスの画像を見ればわかるのではないでしょうか。
今度こそ、世羅達との戦いを終え、岡山を後にしてからの話です。
モウギを目指す旅の途中、彼女達は意外な――あまりにも意外な邂逅を果たします。
ある日、濃密なリソースの気配を察知したあづみとリゲルは、その場所へと向かいます。
そこにいたのはウサミミのついた小柄な少女でした。
その少女は自らをウサリアと名乗り、狼狽しながらあづみ達に尋ねます。
ここはいったいどこなのか、と。
そう彼女は魔界――ディスガイアの世界から突如発生した極小のブラックポイントに飲まれて、ゼクスの世界にやってきてしまったのでした。
一応、以前にもあづみや綾瀬がアサギのコスプレをしたこととかもあったんですけどね。
この邂逅が本当に正史かどうかはちょっと怪しいですが……ただ、正史に組み込まれてても違和感がないのは確かです。
この辺りのストーリーは公式大会の参加人数によって展開が変わるミッション形式で展開されていました。
今は、その元記事が見当たらないのですが……。
このミッションつきの公認大会が行われていたのは第12弾くらいの頃。
この時期に近くて、あづみとリゲルが二人きりで行動している&リゲルがいつものリゲルであることから、このストーリーは千歳達とはぐれて九州へ向かう途中だと判断してこのタイミングでお話しています。
さて、話をあづみ達に戻しましょう。
ウサリアの事情を知ったあづみ達は頭を悩ませます。
彼女を助けてあげたいのはやまやまですが、あづみ達にはその手段が思いつきませんでした。
ウサリアが通ってきたブラックポイントもすぐに消滅してしまい、もう一度発生させることもできません。
その時、ウサリアが思わぬことを口にします。
カレーの力、カレーパワーがあれば元の世界に戻れるかもしれない、と。
無茶苦茶な理屈にリゲルは顔をしかめますが、あづみはなんとノリノリでウサリアに同意。
かくして戸惑うリゲルをよそに、あづみ達はカレーパワーを集め始めたのでした。
なぜにいきなりカレー?とお思いの方もいるかと思いますが、あづみとウサリアはそれぞれカレーに特別な思い入れがあります。
温かい食べ物が好物なあづみですが、カレーもその範疇に入るのか、かなり気に入っています。
この辺りは初代アニメ版で大量のカレーを食べていた影響ですね。
そして、ウサリアもカレーには特別な思いがあるのですが……すみません、私はディスガイアシリーズはプレイしていないし、ネタバレになりそうので、各自で実際にプレイする or 調べてみてください。
少なくとも、特別に入れ込む理由があるのは確かなようです。
最終的にあづみ達は十分なカレーパワーを集めることに成功。
ウサリアはその力を使って元の世界へと帰還したのでした。
……色々とツッコミどころ満載ですが、むしろツッコんだら負けな気がします。あと、様々なカードゲームでカレーやカレーパンネタがあるのはなぜなんでしょうね。
そして、しばらくの後、新たな力を身に着けたウサリアは、再びあづみ達の元に現れました。
通常パックで登場したこちらのウサリアはそういう設定で収録されていました。
……ですが、この頃――第14弾頃のあづみの状況を考えると、再会を喜んではいられなかったと思います。
重ね重ねになりますが、こちらのストーリーが正史に組み込まれているかは怪しいです。
ですが、せっかく本編のみならず他の媒体のストーリーもピックアップしているので、こちらの物語もお伝えしておきました。
さて、次はあづみ達が島根に訪れた時の話です。
その時の日付は神戸にいた頃からしばらく時間が経って、12月31日。
そう、大晦日です!
島根で年を越し、互いに新年の挨拶をするあづみとリゲル。
彼女達は、せっかくだから、と島根でも特に有名な神社、出雲大社で初詣をするのですが、有名な神社だからこそでしょう、初詣に来た人の数も凄まじいことになっており、神社の中であづみとリゲルは離れ離れになってしまいます。
人ごみの中で、必死にリゲルを探すあづみ。
そんな彼女に一人の青年が声をかけました。
当初、日本刀を帯刀し、一般人とは異なる気配を持つ彼に怯えたあづみでしたが、紳士的な態度をとるその青年――都城出雲に対して警戒を解くまで、さほど時間はかかりませんでした。
あづみから事情を聞いた出雲は、リゲルの捜索を手伝うと申し出てくれました。
親切な彼にあづみはホッと一息をつくのですが、そこにリゲルが駆けつけ、彼女は出雲があづみを連れ去ろうとしていると判断、またしても敵意をむき出しにしてしまいます。
出雲もまたリゲル見て、腰の刀に手をかけて、一触即発の雰囲気になってしまい――ますが、これまたあづみが止めました。
ガルマータの時に続いて、出雲ともトラブルを起こしたため、この時ばかりは、あづみも結構怒っており、リゲルは手厳しく叱られてしまいます。
まあ、この時リゲルが出雲に対してこんな態度をとったのは、あづみを探している途中に、日本刀を持った不審者=出雲の話を聞いたせいなのですが……。
帯刀していたせいで、当初はあづみを怖がらせてしまったことも含めて、少々、出雲も迂闊だったと言えるでしょう。
ともあれ、無事に合流することができたあづみとリゲル。
出雲と別れた彼女達は初詣を済ませると、再びモウギを目指して旅立ちます。
――この時、彼女達は気づいていませんでした。
出雲もまたゼクス使いであることに。
そして、九州で、彼に従うゼクス達との戦いが待ち受けていることに。
また、九州に向かう途中で、リゲルはソトゥミサ放送局に招かれています。
ここでは相変わらずのあづみLoveぶりを見せつつ、近況などを語っていました。
ただ、このソトゥミサ放送局より少し前に、リゲルは夢を通してソリトゥスから徳叉迦は信用してはならない、と警告を受けています。
この情報にはリゲル自身も半信半疑で、ましてや彼のことを恩人だと思っているあづみには伝えられない、と語っていました。ソトゥ子もにわかには信じがたい、と評しつつも、その情報をもたらした相馬に対する信頼から、もう一度、ミサキと共に警告します。
改めてその警告を心に刻んだリゲルでしたが……彼女がその情報が真実だったと思い知らされることになるのは、そう遠い未来ではありませんでした。
4.Last Dance
島根を出発してからしばらくの後、あづみ達は遂に九州に到着。
モウギのある高千穂まであと一息の距離まで近づきました。
ですが、そこで待っていたのは赤の世界のゼクス達による洗礼でした。
九州のとある山小屋に辿り着いたあづみ達。
リゲルはあづみの旅の疲れを考慮してその小屋で休んでいてもらい、彼女一人で買い出しに向かいました。
しかし、買い出しを終えて帰ってきた彼女は、あづみが小屋からいなくなっていることに気づきます。
大慌てでリゲルは外へ飛び出しました。
リゲルが小屋から飛び出した直後、カードデバイスによってあづみから彼女に連絡が届きます。
あづみの声を聞いて安心したのもつかの間。
直後、通信に別の誰かの声が割り込みました。
九大英雄ジャンヌ・ダルク。
創星六華閃レーヴァテイン。
あづみは彼女達に浚われてしまったのでした。
24時間以内に自分達の元に姿を現さなければ、あづみの無事は保証しない。
そんなレーヴァテインの言葉を最後に通信は途切れました。
その言葉を聞いたリゲルは激昂。
あづみを浚った赤のゼクス達への、そして敵中で油断していた自分自身への怒りを胸に、リゲルはあづみの元へ急行します。
参考資料
B10 真紅の戦乙女 side.RIGEL
果たして、通信から逆探知した場所にあづみの、そして彼女を連れ去ったジャンヌ達の姿がありました。
敵は通信に出てきたジャンヌとレーヴァテインの二人。
数こそ少ないものの、それぞれの種族の最強クラスの存在ともいうべき強敵に、しかし迷うことなくリゲルは突撃します。
当初、あづみはリゲルを止めようとしますが、この時ばかりはリゲルのみならず、レーヴァテインも闘争心を漲らせていたため、制止は叶いませんでした。
レーヴァテインが矢継ぎ早に放つ炎の剣によって、リゲルは追い詰められてしまいます。
炎の剣に囲まれ、逃げ場がなくなった彼女にトドメの一撃をレーヴァテインが放った、その時――迫りくる炎の刃を、深緑の刃が打ち払いました。
間一髪のところで、千歳と龍膽が駆けつけたのです。
リゲル達同様に九州に辿り着いていた千歳達は、高速で飛翔するリゲルの姿を見つけて追いかけてきたのでした。
レーヴァテインを彼女達に任せて、リゲルはあづみとジャンヌの元へ向かいます。
ちなみにこの時、炎の向こう側の怒りの形相のリゲルを見て、ジャンヌが固い表情で呟く場面がありました。
……十中八九、火刑で処刑された生前の彼女自身の最期を思い出したのでしょう。
複雑な胸中が垣間見えます。
ジャンヌに肉薄するリゲルは新たにウェポンクラウドに登録された装備、ツインミーティアを装着。
あづみを救うべく、怒りの刃で九大英雄に挑みます。
激闘の果て、リゲル達の猛攻に押されたジャンヌ達は後退。
無事にあづみは解放されました。
強力なゼクス達相手に無茶をしたリゲルを叱りながら抱き着くあづみに、戸惑うリゲル。
そんな二人を千歳と龍膽が優しく見守っていました。
何はともあれ、リゲルに助けられたあづみは、合流できた千歳達と共に旅を再開。
その数日後、彼女達は遂に高千穂に辿りつきます。
この頃になると、徳叉迦の神力の効果も薄れてきて、再びあづみはリソース症候群の影響で体調を崩し始めていました。
それでも、あと少しでモウギの元に辿り着けると、彼女達は旅を続けていたのですが……。
そこであづみ達は意外な人物と出会います。
その人物の名は跋難陀(ウパナンダ)。
まだ若いながらも、徳叉迦らと同じ八大龍王の一角です。
彼もまた、同じ八大龍王の摩那斯(マナスヴィン)と共にモウギを求めて九州に訪れていたのでした。
驚きつつも、互いに情報を交換する彼らでしたが、あづみ達の話を聞いた跋難陀は首をかしげます。
その言葉にリゲル達は絶句します。
自分達は徳叉迦に騙されていた――?
しかも、跋難陀の衝撃の発言の直後、あづみが重篤なリソース症候群の症状によって倒れてしまいます。
ここまでの旅の疲れや病魔の影響はもちろんの事、信じていた人物に裏切られていたショックもあったのでしょう。
動揺しつつも、リゲルは倒れたあづみを抱えて飛び立ちました。
前述のとおり、一時的とはいえ、あづみの病気を抑えていた徳叉迦。
当初は善人かと思われていた彼でしたが、英雄達の戦記 第四章『めざめよー』にて、あづみ達の可能性を評価しつつも、不気味な笑みを浮かべてモウギの確保をもくろむ場面がありました。
この時、徳叉迦はモウギを手に入れるための拠点として和歌山を制圧しようと試みましたが、それは白の竜の巫女ニノとイノセントスター、そして彼女によってカードデバイスを託された名もなきプレイヤー達(つまり私達)の手によって阻まれました。
……今となっては、阻んでいて正解だったと思います。
後に明かされた徳叉迦があづみを助け、モウギの元に向かわせた理由は、千歳達をあづみ達に同行させて、千歳に自分達の計画を妨害される事を防ぐため。
彼は己の龍眼による予知の力で、後の障害となる千歳を遠ざけたのです。
以前、相馬が調査した通り&ソトゥ子達が警告した通り、徳叉迦もまた黒い人物でした。
彼自身、共に行動する和修吉との会話の中で「血も涙もないのは、お互い様ですよ」と言っている場面があります。
一方、先ほどの場面を見ると、跋難陀はあづみ絡みの計略のことは知らなかったようです。
参考資料
B11 神子達の戦場 side.UTPALAKA
B11 神子達の戦場 side.TAKSAKA
B12 魔蠱の人形姫 side.VASUKI
上記のショートストーリーで当時の徳叉迦達――和修吉一派の暗躍が描かれています。
興味がある方はご参照下さい。
話をあづみとリゲルに戻しましょう。
リソース症候群で弱ったあづみ。
その華奢な体を抱えながら、リゲルは絶望します。
モウギに彼女を癒す力はなく、それ以外に彼女を治すあてもない。
なにより、このままだとあづみがそのまま衰弱して死にかねない……。
もはや、あづみを救う方法は無い――?
……いいえ、一つだけありました。
ですが、その方法が自分にとってどれほど危険なことなのか、リゲルは理解していました。
リゲルは悲壮な決意と共に、千歳達とも別れて東の空へと飛び立ちました。
5.次回に続きます
ここまででだいたい第6弾から第11弾までのあづみ達の物語となります。
病気が抑えられたこともあり、この期間のあづみは明るい様子も見せていたのですが、最後に待っていたのは絶望的な展開でした。
……ここから先のあづみとリゲルの物語は、しばらくの間、かなり悲惨なことになります。
Twitterでも言いましたが、正直、語る方としても気が重いです。
ですが、覚悟を決めて解説していこうと思います。
それでは、また次回に。
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