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【デュエマ】魔導具の収録と大会シーンでの活躍の歴史

本noteでは新章デュエルマスターズ以降収録された、種族に魔導具を持つカード及びそれらを使ったデッキについて述べる。背景ストーリーでは魔導具とも呼ばれるクロスギアついては扱わない。
魔導具がいつ発売され、大会シーンでどのような活躍をしたのかを記録し、後から追記や振り返りができる資料にすることを目的とする。
カードの正式名称を《》、デッキの通称を【】で閉じて使用する。
デッキリストは基本的に公式サイトのカバレージに残るカード名一覧をDECK MAKERにて画像化したものを使用する。一部noteやYouTubeで公開されていたリストを同じく画像化して使用する。ブラフの超次元や超GRは省略して画像化した。
ニワカがバレるため、デッキの性質や細かな変化についての言及を避け、大枠で捉えることを重視する。


新章デュエルマスターズ(2017年)

魔導具が初登場したのはDMRP-04魔である。パッケージを飾る《卍 デ・スザーク 卍》を筆頭に《堕魔 ヴォガイガ》や《堕魔 ドゥポイズ》、《撃髄医 スパイナー》、《堕魔 ドゥシーザ》、《堕魔 グリギャン》、《堕魔 グリペイジ》、《堕魔 ドゥグラス》が登場。「場と墓地に魔導具を置いてデスザークでコントロールする」という【黒魔導具】の輪郭は最初から作られていた。
双極篇に入る直前の2018年3月、新章を締めくくる全国大会2017が開催された。dottoの操る【光水火バスター】が優勝した大会として有名ではあるが、その裏では【黒魔導具】が最強と信じて持ち込んだプレイヤーもいた。魔導具が数も質も足りないため、水文明を足しバスター環境との対決姿勢を見せる。

双極篇(2018年)

DMRP-05では《堕魔 ヴォーミラ》、《堕魔 ザンバリー》や魔導具でもマフィギャングでもないが相性の良さから【黒魔導具】に欠かせない存在となる《追憶人形ラビリピト》が登場した。その環境で行われたGP6thでは準優勝チームのうち2人が【黒魔導具】を使用した。

DMRP-06では《卍月 ガ・リュザーク 卍 /卍・獄・殺》が【黒魔導具】の新戦力として登場した。
DMRP-07.08では背景ストーリーで水文明の領域に闇文明が侵攻したのを受け水の呪文魔導具が登場。《堕魔 ドゥリンリ》、《堕呪 バレッドゥ》、《堕呪 ゴンパドゥ》、《堕呪 エアヴォ》、《堕呪 カージグリ》、《堕呪 ウキドゥ》、《凶鬼卍号 メラヴォルガル》、《卍 新世壊 卍》、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》など【青魔導具】の基盤となるほとんどのパーツが収録された。魔導具ではないものの、この時期収録の《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》は手札の高コストなドルスザクを捨てることで全体除去として機能するため採用が見られた。
【青単スコーラー】で手札コストの役割として活躍した《堕魔 ヴァイプシュ》や、特殊な挙動を活かして【青黒卍夜祭】で活躍した《堕魔 ドゥベル》もこの時期である。
特殊弾を見るとDMEX-02では《堕魔 ジグス★カルビ》と《卍月の流星群》、DMBD-08では《卍 ギ・ルーギリン 卍/卍獄ブレイン》と《堕呪 ギャプドゥ》を得ている。
《卍月 ガ・リュザーク 卍 /卍・獄・殺》の獲得は【黒魔導具】の大幅な強化となり、大会シーンでの活躍を見ることになる。
この時期の【黒魔導具】を語る上で外せないのがZweiLanceだ。GP7th3位、おやつCS2018 summer festival優勝など輝かしい実績を残した。GP7thの3位決定戦はdottoの操る【シータ覇道】との対戦だったが、後にこれはDM23-EX2にて《卍月 ガ・リュザーク 卍/「すべて見えているぞ!」》としてカード化された。

超天篇(2019年)

超天篇は超GRによりカードパワーがインフレした年として記憶に新しい。水と闇文明はどちらもオレガ・オーラ戦略の立ち上げに邁進したため魔導具とって直接の強化は少ない年であった。少なかったが単発の強化は特大である。カウンターにも自分の展開にも巨大な影響を与えた《零龍》や、高い汎用性を持つ《絶望と反魂と滅殺の決断》は【黒魔導具】のデッキ作りを根底から揺るがすほどの強化だったが、周辺デッキのインフレの波に飲まれ目立った結果を残すまでには至らなかった。
DMEX-07では後に【青黒卍夜祭】の核となる《卍夜の降鳳祭》が収録された。
逆にこの年は【青魔導具】が大躍進を遂げる。超CSⅢでは各地のCSを暴れ回ったミノミーがその勢いのまま優勝を果たした。【アナカラーダムド】の隆盛により盤面のクリーチャーが残らない環境で、盤面に依存しない戦いを得意とする【青魔導具】が立ち位置を上げていた。
DMRP-10では《MDGATOON・ドッカンデイヤー》が収録された。魔導具どころか水文明ですらないが、手札が溢れた状態で出せばドッカンと1発でゲームを終わらせるほどの火力を持つ。デュエマ全体でもメタゲームを支配したこのカードは2020年7月に殿堂入りしても、【青魔導具】には1枚だけの採用が見られた。

十王篇(2020年)

2020年のトピックは《堕呪 ゾメンザン》の収録である。コスト1魔導具呪文の登場により「無月の門99」の最速起動ターンは1ターン早まり、【青魔導具】は各ターンの余剰マナを活用しやすい更なる強化を得たデッキとなった。
他にも《堕魔 ドゥザイコGR》は超GRを全て魔導具に染めることができるため、【黒魔導具】や【青黒卍夜】では採用された。
DMEX-12ではいずれも魔導具ではないが、後に採用される《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》、《希望のジョー星》、《秩序の意思》が収録された。
感染症の影響によりこの年は大型大会が開催されず公式ではこれといったもの見つけることが出来なかったため、ZweiLanceとミノミーがタッグを組んで執筆したnoteからデッキリストを引用する。

王来篇(2021年)

トーナメントでの活躍が多かったためか、ポツポツと新規の魔導具が特殊弾で収録される期間が続く。
DMEX-16では《ガル・ラガンザーク》《罪無 ズゴブ垓/堕呪 バケドゥ》DMEX-17では《月下旋壊 ド・リュミーズ》、魔導具以外ではDMEX-15に《神の試練》と着々と【青魔導具】への強化があった。
主流ではなかったが、デッキ全体を《ガル・ラガンザーク》に寄せた【青黒ガル・ラガンザーク】と呼ばれるデッキタイプも開発され、2022年には構築済みデッキ「水闇魔導具」として発売された。

王来MAX/ゴッド・オブ・アビス(2022年)

感染症もようやく落ち着きを見せ、全国規模の大会シーンが戻りつつあるのが2022年だった。
これと言った強化は受けていないが、絶対の自信のあるプレイヤーが【青魔導具】をようやく開催された全国大会2019に持ち込んだ形跡は残っている。

8月の殿堂改訂で《月下旋壊 ド・リュミーズ》が殿堂入りとなった。魔導具を捨てて無料詠唱を繰り返し《次元の嵐 スコーラー》へと繋げる【青単スコーラー】が流行した影響と見られる。
DMBD-22では新規ドルスザクとして《龍月 ドラグ・スザーク/龍・獄・殺》を得た。【青黒卍夜祭】などでは採用実績がある。

10月に行われたDMGP2022Day2では【青魔導具】が超CSⅢ以来2度目の全国規模大会での頂点に立った。この大会の決勝戦は【青魔導具】VS【赤白ライオネル】だったが、DM23-EX2にて《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ’22》としてカード化された。

やはり特殊弾で細々と新規魔導具・ドルスザクが収録された。
GP後のDMEX-19で《魅力医 ミョウオウ》、DMEX-20で《「無月」の頂 $スザーク$》である。
前者は【黒魔導具】のパーツというよりも状況起因処理を利用した【ミョウオウループ】が出来るのではと話題になったが、発売後ほどなく正式にループが不可能だと定義され、一気に話題が萎んだ。トップ画は当時僕がメルカリで300円で買ったが届く前に無駄になった《ティン★ビン》である。
後者は発売前は「青魔導具に入るトリプルブレイカーは偉い」程度の評価だったが、発売後すぐ《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の座を奪い取り、デッキを完全に別物へと作り替えるほどの革命的カードだった。

アビス・レボリューション(2023年)

2023年といえば《絶望神 サガ》の年である。2月に発売されたこの最強カードにすべてのデッキは対策を強いられた。【青魔導具】は、サガと同時に収録された《凶鬼98号 ガシャゴン/堕呪 ブラッドゥ》による墓地利用メタ、《ガル・ラガンザーク》による踏み倒しメタ、《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》によるループコンボメタの3種類を無理なく積めるデッキとして【サガループ】に立ち向かう旗頭として環境の最前線で戦っていた。

3月の殿堂改訂では《ガル・ラガンザーク》が殿堂入りとなったため多少勢いは弱まったものの、DMGP2023-1stのベスト8に1人を排出するなど、依然強力なデッキタイプだった。

7月のDM23-EX1では《堕呪 ボックドゥ》が収録され、【青魔導具】は弱点だった受けの部分が強化されまさに完全無欠のデッキになりつつある。
超CSV大阪では対サガに見据え洗練されたデッキリストになってベスト8入賞を果たす。

8月には《絶望神 サガ》が殿堂入りとなる。【青魔導具】からは《神の試練》が殿堂入りとなるも、最大のライバルが崩壊したのに比べると余りにも軽微な損失だった。
【サガループ】が消えデッキ内の不純物を抜いた【青魔導具】には、サガと同期にして最強の魔導具《堕∞魔 ヴォゲンム》が入る余地が産まれ、更には《卍 新世壊 卍》及び《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を抜いて【黒魔導具】由来のパーツを入れた【青黒魔導具】へと発展した。
DMGP2023-2ndでは結果的に決勝戦の椅子を2つとも【青黒魔導具】が占めるという快挙を達成した。

これといった活躍はまだないが、魔導具を活用した新たなデッキタイプとして【青黒卍夜祭】を取り上げる。フェアリーchで紹介されたこのデッキは魔導具の未来を予感させるデッキとなるかもしれない。

また、《「無月」の頂 $スザーク$》に依存しない従来型の【青魔導具】の発展系として【クロカミ魔導具】が成立した。ドルスザクを限界まで減らした枠に《クロカミ》と魔導具呪文を詰め込み、低コスト呪文を連打して追加ターン連続取得を狙う。

王道篇 (2024年)

1月には超CSVI福岡が行われた。本領を発揮する4ターン目までに決着をつけてくるデッキに有効な《光牙忍ハヤブサマル》や《秩序の意思》を採用した型が主流となり準優勝を獲得した。

3月には《「無月」の頂 $スザーク$》が殿堂入り、《神の試練》がプレミアム殿堂入りに指定される。【青黒魔導具】は中心となるパーツを失いデッキが半壊した。【クロカミ魔導具】はフィニッシュを《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》によるゼニス連打や《der'Zen Mondo/♪必殺で つわものどもが 夢の跡》 によるリペアを試みた。
全国大会2024が開催され劇的なS・トリガーによる優勝をもぎ取ったのはリペアに成功した【クロカミ魔導具】だった。

《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を使うデッキとして、【ラッカゴスペル】が新たに登場した。追加ターンを安全に取って詰める超大型呪文として採用されている。

終わりに

魔導具の登場から2024年3月までの歴史をざっと振り返った。今後魔導具の新規カードが出る、魔導具を使った新基盤のデッキが流行る、魔導具を使ったデッキが結果を残すのいずれかがあれば更新したい。

事実関係の誤りや指摘があれば僕のTwitterに連絡をお願いします。

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