カーボン・クレジットの法的な注意点【弁護士 解説】
皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、カーボン・クレジットの法的注意点というお話をしたいと思います。
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カーボン・クレジットとは
カーボン・クレジットとは、温室効果ガスの削減・吸収量を一定のルールにもとづいて価値づけし、それを取引することです。二酸化炭素の排出権取引などと聞いたことがある方も多いと思いますが、これを企業ごとや国ごとで売買しておりその市場があります。これがにわかに注目されておりビジネス的な相談も多いので解説させていただきたいと思います。
カーボン・クレジットの法律
カーボン・クレジットについて法律的にはどうなっているかというと、正直なところ明示的な法律はありません。ただ、1つだけ地球温暖化対策法という法律があり、その中に算定割当量があります。京都議定書にもとづき各国で温室効果ガス、CO2をどれだけ出してもよいのかの排出量の割り当てが決まっています。この割り当てが少ないところは多いところから買ってもよいわけですが、その算定割当量は京都議定書にもとづいて決められています。
基本的にカーボン・クレジット自体は金融商品ではないので、カーボン・クレジットの売買や媒介する行為については金融商品取引業の登録は必要ありません。ただ、カーボン・クレジットが売れた分について収益を分配するという話の場合は有価証券になるので金融商品取引業の登録が必要になります。
算定割当量の取引の場合
また、京都議定書にもとづく排出割合についてやり取りする場合、算定割当量の取引については金融商品取引法の府令にもとづいて届け出が必要となります。つまり、算定割当自体を売買や媒介する場合については届け出を行う必要があるわけです。
このカーボン・クレジットについてはまだまだ新しいものなので詐欺被害が非常に多いです。「儲かるよ」と言われて手を出してしまい被害を受けるケースも多いです。カーボン・クレジット自体は普通に行われているものでありこれから有望なものとされています。仮想通貨の時も同様でしたが、技術や仕組み自体は素晴らしいものですが、詐欺業者の存在によってイメージが悪くなる可能性があります。ですので、投資する側は十分に注意が必要かと思います。
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