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ノークレーム、ノーリターンで返品不可?その法律的な効力は?【解説】

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、ノークレーム・ノーリターン返品不可?その法律的な効力は?というお話をしたいと思います。

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ノークレーム・ノーリターンは原則有効だが…

色々なECサイトやメルカリなどといったCtoCサービスの売買において、「ノークレーム・ノーリターンでお願いします」という事で、クレームは受け付けない、返品も不可といった記載があった場合に、これはどうなのか?というお話です。実はこのような特約や規定をつける事自体に問題はありません。
では、例えば売主が「事業者」、消費者が「買主」だった場合にこれは良いのか?というと、これは実は消費者契約法というものがあり、結論的には無効となります。消費者契約法の8条で事業者の損害賠償の全部を免除するものや解除権を排除するような特約の場合、つまり本来であれば認めなければいけないものを売主、「事業者」が排除している場合は原則的に無効とされています。なので、ECサイトなどのように売主が「事業者」、買主が「消費者」という場合については、ノークレーム・ノーリターンというのは無効になる可能性が高くなります。

ノークレーム・ノーリターンが無効になる場合

ノークレーム・ノーリターンの注意点としては、ご説明した通り、「事業者」が売主、「消費者」が買主の場合は無効になるという事があげられます。しかし、メルカリのようないわゆるCtoCで両者が「消費者」の場合には有効になります。ただ、この場合も予め商品のキズや故障については伝えておかなければいけません。これを隠していた場合には、ノークレーム・ノーリターンが無効となる可能性があります。不良箇所をきちんと示した上であれば、CtoCの場合はノークレーム・ノーリターンも認められるかと思いますので、明確に伝える必要があります。

ノークレーム・ノーリターンで買主が気を付けるべきこと

一方、買主としてはどういうところに気をつけるかというと、ノークレーム・ノーリターンの特約が設定されているかどうかをきちんと確認した方が良いかと思います。買主はノークレーム・ノーリターンのところから必ずしも買わなければいけないわけではなく、他の特約が設定されていないところから購入するという自由があるため、確認が必要となります。何度も言いますが、いわゆるBtoC、「事業者」と「消費者」であれば無効になる可能性がありますが、CtoCの場合はこの特約自体が有効になる可能性があるので、買主が確認をしておいた方が良いかと思います。CtoCで特約が有効だった場合は、後から責任を問う事は原則的に不可能になるので、本当にそういう人から買うのかどうかも含めて検討をする必要があるかと思います。

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