泊まり勤務の休憩時間は「労働時間に該当」東京メトロに是正勧告
皆さま、こんにちは。弁護士をしております、中野秀俊と申します。今日のテーマですけれども、「泊り勤務の休憩時間は『労働時間に該当』と東京メトロに是正勧告」というお話をしたいと思います。
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労働基準監督署から東京メトロが是正勧告を受けた
労働基準監督署から東京メトロが是正勧告を受けたという報道がありました。東京メトロには泊り勤務というものがあり、突発的な対応が必要とされています。この泊り勤務中の休憩時間が実質的な労働時間にあたるとして、最大で総額約86億円の清算金を支払うように言われたというものです。今回のケースでは86億円と非常に大きな金額ですが、かなりの長期間にわたっていたためにこれだけの金額になったようです。
詳細を説明すると、東京メトロでは24時間の全泊勤務というものがあり、この中に夜と朝の計7時間50分の休憩睡眠の時間がありました。しかし、休憩睡眠とは言っても実際は駅のカメラなどの突発的な不具合の対応が頻発していました。
休憩睡眠、仮眠の時間が労働時間になるのか
ここで問題となるのが、休憩睡眠、仮眠の時間が労働時間になるのかどうかです。原則、休憩時間は働いていないので労働時間にはなりません。ただし、休憩中に対応が必要な場合はすべての時間が労働時間となります。たとえば、お昼休憩中に電話がかかってきたら応対する、泊まり勤務の睡眠中に呼び出しベルが鳴ったら対応するといった場合です。
ですので、7時間の休憩時間があったとしても「何か突発的なことがあった場合には対応してください」と言われていた場合は労働時間となります。これは実際に対応することがあったとしてもなかったとしても「何かあったら対応するように」とされている場合はすべての時間が労働時間となるわけです。
これによって今回、東京メトロは86億円という多額の清算金の支払いを命じられました。これには未払いの残業代なども含まれるとは思いますが、休憩時間でも突発的な対応が必要な場合は労働時間になるという点には十分注意していただきたいと思います。
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