部下の発言量は上司の「見た目」で変わる!今すぐできる2つのこと
こんにちは。リモートワークによって多くの人が感じたデメリットの1つは、コミュニケーションの場を意図的に作らなければならない事ですね。
自然発生的なやりとりが生まれづらい環境ですから、雑談さえも場を作り出していく必要があります。こうした中で、日々のコミュニケーションやマネジメントに疲れを感じる上司が少なくないようです。
往々にして、コミュニケーションに孤軍奮闘していらっしゃいます。「常に自分が発信者」として、コミュニケーションがスタート。そして、期待した部下の反応が得られなければ、発言を促し盛り上げる働きかけをする…この繰り返しです。ビデオ会議でもチャットでも、「部下の意見を聞きたいのに、促してもなかなか発言しない」という嘆きはそこかしこで聞かれます。
このコミュニケーション孤軍奮闘問題。今日はシンプルな点に着目して解消方法を考えたいと思います。
部下が話さないのは、上司の私のせいではないか?
こんな時、多くの場合は部下が受け身である、主体性が欠けている、という論調になりやすいです。ですが、コミュニケーションは相互関係ですので、今日は視点を、上司の‘’私”に置いてみましょう。
「私の何か」が彼らを黙らせているのかもしれない。そう考えてみると、いかがでしょうか?
「自分ばかり話しているな。」「最初に自分が結論めいた意見を言って、あとの流れを遮っているかもしれない。」「自分の言いたい事だけを話し、聞きたいことだけを話して欲しいと思っているのかもしれない。」…このように、一般的には、自分の発信の仕方に問題を見出す方が多いです。
では、話をしている時・聞いている時、あなたの「見た目」はいかがでしょうか。「見た目」とは、表情や振る舞いのことです。部下にとって話しやすいような「見た目」を意識していますか。
というのも、実は、話す内容よりももっと手前の、あなたが話す時・聞く時の「見た目」が原因になっているかもしれないのです。
あなたの「見た目」で、部下の話しやすさが変わる
『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』の著者によると、「パフォーマンスが高いチームの会議は、そうでないチームの会議に比べて、部下の発言量が1.5倍多い。」そうです。まさに、部下が主体的に発信をしている状態です。
そして、低パフォーマンスリーダーとの違いを、画像やテキストのデータから分析した結果、高パフォーマンスリーダーには「見た目」で特徴的な2つの違いがあったのです。
①口角の位置が、低パフォーマンスリーダーに比べ、2センチ高い
②うなずきの角度が、低パフォーマンスリーダーに比べ、3.5~4センチ大きい
これは、何を意味しているのでしょうか?部下から、上司がどう見えるかに違いがある、ということです。
人は表情(眉毛、目、鼻、口の微妙な動き)で相手の感情を読んでいます。AI分析によると、表情などの見た目に意識的でない上司は、素の顔が、怖い/怒っていると読み取られやすく、過剰な忖度や気遣い、遠慮、恐れを生んでいるというのです。
対して、高パフォーマンスチームの上司は、口角が高く(=笑顔)、うなずきによるあいづち(=受容、共感的態度)を常に行なっています。それによって、部下は安心や話しやすさを感じ、その結果、自由で活発な発言につながっているというのです。
特に今は、日常的なマスク着用や、ビデオ会議などのカメラを通じたコミュニケーションが主流です。そう、表情がわかりづらいのです。だからこそ、この極めてシンプルな要素が、より大きな違いを生んでいると考えられます。
たかが、表情や振る舞いの一つで、部下の行動が変わる。そんなことは思いもよらないことかもしれません。ですが、「心理的安全性」が再注目されているように、「安心して言いたいことが言える」その効能は、科学的に明らかになっています。
表情一つで部下に良い影響を与え得るならば、一考の価値があると思いませんか?口角も、深いうなずきも、すぐにできることです。明日から、手元に鏡を置いて、口角と深いうなずき、是非実践してみませんか。
(執筆者:三木)