完全招待制コミュニティ「GrowthHub」Day3イベントレポート:講師 中川祥一さん(タイミー)、駒口哲也さん(マネーフォワード)
現場でつかえるスタートアップマーケティングを学べる場をつくりたい──。
そんな互いの想いに共感し合った山代真啓と大前宏輔が共同で立ち上げた完全招待制コミュニティ「GrowthHub」。全7回シリーズの第3回目が、10月15日(火)に渋谷QWSで開催されました。今回は、特別ゲスト2名にご登壇いただきました。ひとり目は、タイミー執行役員CMOの中川祥一さん。ふたり目は、元P&Gで、現在はマネーフォワード ビジネスカンパニーCMOの駒口哲也さん。「タイミーとマネーフォワードから学ぶB2C / BtoBグロース」をテーマにお話いただきました。
GrowthHubでは、クローズドな場だからこそ聞けるリアルな話を重視しています。本レポートでは、その一部を特別にご紹介します。
横のつながりの学びを強化。LT実施をスタート
今回で、3回目を迎えたGrowthHub。横の学びの機会を強化するため、受講生によるライトニングトーク(LT)を新たに実施することがGrowthHub発起人のひとり、大前から発表されました。
全員が持ち回りで行うことで、より主体的に参加し、幅広い学びへとつなげることを目指しています。
実施方法としては、以下のいずれかのテーマで、5分程度のショートプレゼンを行い、その後、会場からのQ&Aに答える形で進行します。テーマは「① うちの勝ちパターン」または「② GrowthHubで学んで実践したこと」。実施を重ねる中で、形式をブラッシュアップしていく可能性もありますが、現時点ではこの形で進めていく予定です。
初回となる今回は、立候補してくれた受講生3名のLTが実施されました。
GrowthHubは、今回も参加者限定の完全オフレコセッションなので、具体的な内容は伏せますが、どんな発表があったか特別にチラ見せいたします!
◆【1】ishiken(REALITY株式会社)
運営サービス:顔出しナシのライブ配信アプリ「REALITY」
テーマ:うちの勝ちパターン
→バーティカルなtoCサービスという特徴を捉え、マーケティングとして強く意識しているポイントを2つご紹介いただきました。
詳しいサービス概要はこちらをご確認ください。
◆【2】Sakaguchi Hikari(株式会社Sparty)
運営サービス:オーダーメイドシャンプー&トリートメント「MEDULLA」
テーマ:うちの勝ちパターン
→2018年にローンチしたD2Cヘアケアブランド「MEDULLA」。パーソナライズD2Cにおける本質的な勝ちパターンを発表いただきました。
詳しいサービス概要はこちらをご確認ください。
◆【3】Syori(AnotherBall株式会社)
運営サービス:バーチャルクリエイター向けのモバイルストリーミングアプリ「AniLive」
テーマ:うちの勝ちパターン
→継続率をいかに高く保つかに関する勝ちパターンをご紹介いただきました。
詳しいサービス概要はこちらをご確認ください。
今回の講義で学んでほしいこと
登壇者のお話の前に、GrowthHub発起人のひとりである山代から、Day3のテーマ設定や登壇者をお招きした背景が共有されました。
本日ご登壇いただくお二人は、現在も実務の現場の第一線で活躍されている方々。お二人それぞれのB2B、BtoBにおけるグロースの経験や、現在の実務で活かしている考え方や具体的な手法をヒントとして持ち帰ってほしいと期待が寄せられました。
株式会社タイミー執行役員CMO 中川祥一さんによる特別講義
まず最初に登壇いただいたのは、株式会社タイミーで執行役員CMOを務める中川祥一さん。中川さんは、一橋大学を卒業後、2009年にアサツーディ・ケイに入社。当時はデジタル領域およびテレビCMを中心としたマス領域のプランナーやデータアナリストとして、多岐にわたるクライアントのマーケティング活動を支援しました。その後、JapanTaxiやメルカリ / メルペイにてマーケティングの経験を積み、2020年3月にはタイミーに参画し、ユーザー(toC)および事業者(toB)双方のマーケティングを統括しています。
今回も参加者限定の完全オフレコセッションとなりましたが、特別にスライドをほんの少しだけチラ見せしちゃいます!
今回、中川さんにはタイミーの上場前から現在にかけてのグロース戦略や具体的に実施した施策、その裏の狙いなど具体的にお話いただきました。
組織づくりについての試行錯誤や、ほかの役員陣との信頼関係構築について、また、ご自身が入社してから悩まれたことなど、赤裸々にお話いただくことができ、会場内やコミュニティSlack内で質問が飛び交うなど、熱心に話に聞き入る受講生たちの姿がありました。
株式会社マネーフォワード ビジネスカンパニーCMO 駒口哲也さんによる特別セッション
続いて、株式会社マネーフォワード ビジネスカンパニーCMOを務める駒口哲也さんによる特別セッションタイム。
駒口さんは、東京大学大学院工学系研究科を修了後、P&Gの日本およびシンガポールオフィスにて、北米、アジア、ヨーロッパ向けのプロダクト戦略やブランド・マネジメントを担当。その後、2018年に株式会社マネーフォワードに入社し、家計簿アプリ『マネーフォワードME』のプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)や、『マネーフォワード クラウド』の経理財務領域の事業統括を歴任。現在は、ビジネスカンパニーCMOとしてマーケティング全体を指揮しています。
駒口さんからは、「ベンチャーで活かせるP&Gマーケティングの本当の強みとは」というテーマでお話いただきました。数多くのすばらしいマーケターを輩出しているP&Gの継続的な優位性を「徹底したオペレーション設計と規律」にあると捉え、P&Gのコアを支える具体的な仕組みと、それをベンチャー組織でどのように活用したらいいか、マネーフォワードではどのように取り組まれているのかをお話いただきました。
世にあまり出ていない、P&Gのすぐれたオペレーション設計と規律とその活用方法を具体的に話していただいたことで、自分たちの組織にも応用しようと熱心にメモをとったり、スライドの説明画像を撮影する受講生たちの姿が印象的でした。
講義の中では、同じくP&G出身の山代との掛け合いも。P&G時代、同じ部署で一緒に仕事をしたわけではないにもかかわらず、当たり前のように共通認識として持ち、使いこなせているところにP&Gの組織としての強みが表れているようでした。
最後は時間の都合で十分な質疑応答ができませんでしたが、山代から「ビジネスを成長させるための本質が詰まった講義だった」という言葉があり、スタートアップに役立つ多くのヒントが示されて、特別講義は締めくくられました。
参加した受講生の声
GrowthHubでは、インプットをインプットのままで終わらせず、明日からの業務にいかに活かしていくか、という観点からの振り返りを大事にしています。
講義が終わって早速、参加した受講生たちから、得た気づきや感想、明日からどう行動を変化させていくかについてのシェアが、コミュニティSlack内に続々と投稿されていきました。
具体的な学びや気付きはオフレコ部分を含むため、受講生の感想だけを一部ピックアップしてご紹介します。
Day3では、受講生同士の横のつながりを強化するために、初めてのライトニングトークが開催されました。各受講生が自身の取り組みや考えを短時間で共有し、互いの挑戦に対するフィードバックや共感が飛び交う場となりました。これにより、受講生間の結束力がさらに強まり、共に学び合い成長していくコミュニティとしての一体感がより深まりました。
また、特別セッションでは2名の登壇者を迎え、具体的な事例をもとに、事業成長の鍵や戦略について深く掘り下げた講義が展開されました。受講生たちは実務に直結する内容に真剣に耳を傾け、鋭い質問や意見交換が行われました。このセッションを通じて、B2CとBtoBそれぞれの領域での成長のヒントを得る機会となり、今後のビジネスに向けた視野が一段と広がったように感じられました。
コミュニティ全体としての結束力が一層強まり、ただ学び合う場ではなく、互いに刺激し合いながら未来を切り開く仲間としてのつながりが強化されました。
ゲストプロフィール
◆中川祥一
一橋大学卒業後、2009年4月にアサツーディ・ケイ入社(当時)。デジタル領域およびテレビCMを中心とするマス領域のプランナー / データアナリストとして多種多様なクライアントのマーケティング活動をサポート。JapanTaxi(当時)、メルカリ / メルペイでのマーケティング職を経て、2020年3月にタイミーへ参画。ユーザー(toC)・事業者(toB)双方のマーケティングを統括。
◆駒口哲也
東京大学大学院工学系研究科卒業後、P&Gの日本およびシンガポールオフィスにて、北米・アジア・ヨーロッパ向けのプロダクト戦略策定やブランド・マネジメントに従事。2018年に株式会社マネーフォワードに入社。家計簿アプリ『マネーフォワードME』のPMM、『マネーフォワード クラウド』の経理財務領域事業統括を経て、現在はビジネスカンパニーCMOとしてマーケティング全体を統括。