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完全招待制コミュニティ「GrowthHub」Day2イベントレポート:講師 樫田光さん(デジタル庁)、成澤真由美さん(メルカリ)
現場でつかえるスタートアップマーケティングを学べる場をつくりたい──。
そんな互いの想いに共感し合った山代真啓と大前宏輔が共同で立ち上げた完全招待制コミュニティ「GrowthHub」。全7回シリーズの第2回目が、9月24日(火)に渋谷QWSで開催されました。今回は、特別ゲスト2名にご登壇いただきました。ひとり目は、元メルカリで、現在はデジタル庁データ組織ユニット長を務める樫田光さん。ふたり目は、株式会社メルカリ執行役員CXOの成澤真由美さん。「メルカリから学ぶプロダクトグロースの考え方」をテーマにお話いただきました。
GrowthHubでは、クローズドな場だからこそ聞けるリアルな話を重視しています。本レポートでは、その一部を特別にご紹介します。
インプットして満足、にしない。Day1の振り返り
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「具体的なアクションに移せましたか?アクションの結果は現れましたか?」
GrowthHubが目指すのは、日本を代表するスタートアップマーケターの”トキワ荘”であり、だからこそ質にこだわりたいと考えています。前回の講義から約1ヶ月が経ち、この期間に何ができたかを振り返る問いがGrowthHub発起人のひとり、大前から発せられました。
具体的なアクションを起こした人に挙手を求めたところ、その半数が手を挙げ、さらに結果に結びつけた人々の具体的な取り組みについて話を聞くことに。
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講義翌日にジョブディスクリプションを書き直して採用チームに共有したり、新規事業立ち上げを決定したりと、各自が前回のインプットを活かしてアクションにつなげ、さらには着実に成果を上げている様子が伺えました。
プロダクトとマーケティングは両輪。今回の講義で学んでほしいこと。
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登壇者のお話の前に、GrowthHub発起人のひとりである山代から、Day2のテーマ設定や登壇者をお招きした背景が共有されました。
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「グロース」を実現するためには、プロダクトとマーケティングの両輪を回していくことが不可欠であり、どちらか一方だけでは成り立たないという話がありました。
本日ご登壇いただくお二人は、山代のメルカリ、メルペイ時代の戦友であり、マネジメントの観点とプレーヤーの観点の両方を持ち合わせたプロダクトのプロフェッショナル。参加者には、経験豊富な二人から得られる経験談やエッセンスをたくさん持ち帰り、実務に活かしていってほしいと期待が寄せられました。
デジタル庁データ組織ユニット長 樫田光さんによる特別講義
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まず最初に登壇いただいたのは、現在、デジタル庁データ組織ユニット長を務められている樫田光さん。樫田さんは、外資系コンサルティングファームを経て、2016年に株式会社メルカリに参画し、データアナリストチームの責任者として事業のデータ分析や成長戦略の立案を担当。その後、2022年からはデジタル庁でFact & Data Unitを立ち上げ、ユニット長に就任されています。
今回も参加者限定の完全オフレコセッションとなりましたが、特別にスライドをチラ見せ!
樫田さんからは、「これを知っていたらもっとうまくできた」「もっと早く意思決定できた」という、心に刻むべきグランドセオリーが共有されました。受講生にとって”転ばぬ先の杖”となるように、樫田さん自身のTry & Errorの経験をもとに「最強のDosとDonts」を伝授していただきました。
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過去、ご自身のnoteや登壇でまとめられている話も含めていただきながら、なぜその結論に至ったのかを具体的な体験談や数字とともに語っていただきました。
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樫田さんの実体験からを通して生み出されたグランドセオリー。スライド外でも発言される大事な言葉を漏らすまいという気概が感じられる受講生たちの姿がありました。
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株式会社メルカリ執行役員CXO 成澤真由美さんによる特別セッション
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続いて、株式会社メルカリ執行役員CXOを務める成澤真由美さんによる講義タイム。山代さんとのトークセッション形式ですすんでいきました。
成澤さんは、音楽大学を卒業後、音楽教育事業を経てIT業界へ転身。株式会社ディー・エヌ・エーでは、多くのモバイルサービス事業のService DesignやUI/UX Designに携わり、その後、株式会社Kyashで物理カードの体験設計を担当。2018年からはメルペイに入社し、Product Designerとしてメルペイの立ち上げからGrowthまでのUXをリード。2022年にメルペイCPOに就任し、2024年7月より現職に至ります。
成澤さんからは、グロースのために必要なマーケター・PR・デザイナーの関係性について語っていただきました。「一般的に対立が起きやすいPMとマーケター、メルカリではどのように連携しているのか?」「実際に、一緒に働きたくないと思うマーケターの特徴は?」「プロダクト側から見たとき、マーケターに期待することとは?」といったリアルな話題に、グロースを担うマーケターが多い受講生たちも、成澤さんの言葉に強く頷きながら聞き入っていました。
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成澤さんによる講義のパンチライン「仕上がり感にこだわる」。この仕上がり感とは何か、そしてそれをどう具体化させていくのか…といったお話を講義内では特別にお話いただきました。
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成澤さんの講義でも、実際にPMやデザイナーとの連携に課題感を持つ受講生も少なくなかったよう。成澤さんの具体的なアドバイスをしっかりメモしている様子が伺えました。
質疑応答
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おふたりの熱量あふれる講義の終盤。特別に受講生からの質問にもお答えいただきました。
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【受講生からの質問】
◆メルペイの草創期に「80点で間に合わせる」現場とマネジメントの立場から、アーリーフェーズにおける最適なバランスをどのように見つけていったか
◆「プロダクト体験の最終的なアウトプットに責任を持ちこだわり抜く」と「事業成果に向き合うためのスピード感」バランスをどうとっているか?
◆プロダクトとマーケティングが分断しているケースが多いどうすればいいか。
◆データは戦略と実践をはかるものと伝えられてましたが、総務省をどう動かしているのか知りたい。そのなかで戦略と実践の一致をどうさせているのでしょうか
◆デザイナーやCPOのポジションを強くしたいと考えているのだがどの指標を採用すると組織が上手く回っていくのかが、マーケやセールスほどわかりやすくない。組織の中でデザイナーとCPOがどのように動いていくのが良いか?
◆プロダクトがマーケットをキャップするという前提のもと、SAMSOMをどのように把握してどう取っていくのか、どのように優先順位を決めるのがよいか。
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参加した受講生の声
GrowthHubでは、インプットをインプットのままで終わらせず、明日からの業務にいかに活かしていくか、という観点からの振り返りを大事にしています。
講義が終わって早速、参加した受講生たちから、得た気づきや感想、明日からどう行動を変化させていくかについてのシェアが、コミュニティSlack内に続々と投稿されていきました。
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具体的な学びや気付きはオフレコ部分を含むため、受講生の感想だけを一部ピックアップしてご紹介します。
【受講生の振り返り】
◆複雑な概念や考え方をシンプルな言葉、馴染みのあるフレームに落とし込むことで、こうも理解しやすくなるのかというのが今日の学びとして大きいです。
基準を作っていくことがマネジメントにおいて大切ですが、そこに言語化が噛み合わさるよう共有方法へのこだわりを強めていこうと考えています。
◆継続率はGivenなものである認識はあったものの、さらに広げるためのHowとして重要な体験かつお客様がやり方をわかりきっていない部分のオンボードのことは考えられていなかった。現在の事業課題的に余地がありそう
◆お二人のお話を聞いて感じたことは、細かいデータなどを考える前に、そもそもの事業・ユーザーのことを考える事業感の重要性を改めて感じさせられた会でした!日々仕事に向き合っていると、目の前のことに没頭しがちですが、改めて事業成長に寄与することは何か?という視点を忘れないようにしようと思いました
◆仕上がり感にこだわりを感じない、からだったんだととても腑に落ちました。社内でも「仕上がり感」の啓蒙をして行こうと思います!
◆BtoCのサービスをやっているので、基本のキではあるのですが事業の各論にとらわれたり、熱が入り込むとついつい忘れがちになるケースも多いです。
サービスは自己満足を表現する場ではないので、日々N1や口コミの確認、世の中のトレンド等を俯瞰して、インプットし、視点をカスタマーに向けることを定期化していきます
◆今日のお話は、
・短期的な事業成長(PMFや growth)のために必要な意思決定論
・中長期的な事業成長や会社経営のために必要な組織論
の両側面があり、今自分が注力すべき短期の戦略設計にすぐ当てはめられる知識と、今後5年10年の組織運営にあたって何度も読み返したい知見を入り混じって吸収できた濃密な時間でした。
Day2でも、受講生たちの真剣な姿勢と実践的な学びが随所に見られました。具体的な課題に対する鋭い質問や、現場での試行錯誤に基づいた議論が交わされ、さらなる成長への期待が膨らみます。コミュニティ全体としての結束力が一層強まり、ただ学び合う場ではなく、互いに刺激し合いながら未来を切り開く仲間が集っていることを感じました。
この場に集う受講生たちが、今後どのような成果を生み出していくのか。次に会うときには、さらに大きな成長を遂げていることでしょう。
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ゲストプロフィール
◆樫田光
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外資系コンサルティングファームなどを経たのちに2016年に株式会社メルカリに参画し、データアナリストチームの責任者として事業のデータ分析・成長戦略の立案業務を行う。2022年よりデジタル庁、Fact & Data
Unitを立ち上げユニット長に就任。
◆成澤真由美
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音楽大学卒業後、音楽教育事業を通じてITに転身。株式会社ディー・エヌ・エーで多くのモバイルサービス事業のService Design/UIUXDesignに携わり、その後、株式会社Kyashにて物理カードの体験設計を担当。2018年よりメルペイに入社、ProductDesignerとして、メルペイの立ち上げからGrowthまでのUXを牽引。2022年にメルペイCPOに就任後、2024年7月より現職。