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エンパワーメントメッセージより【できる人、できた人】

【できる人、できた人】

「組織は一将の影」ということばがあるように、組織には責任者(=将)の姿勢・考え方が隅々まで反映されます。

どんなに優秀な人材を集めて組織をつくったとしても、そこにリーダーシップがなければ、人々はバラバラになり、成果をあげることはできません。

リーダーシップとは、人の自主性ややる気を引出し、組織を動かす原動力になるものです

従って、組織の長たる立場的リーダーが強いリーダーシップを発揮できるか否かが、事業の成長・存続を左右すると言っても過言ではないのです。

そもそもリーダーシップを構成する要素は何なのでしょうか?

数多(あまた)あるリーダーシップ研究の中で、これまで主流とされてきた考え方は、

「リーダーシップとは、“能力的要素(仕事力)”と“人間的要素(人間力)“の二つから構成される」

というものです。

能力的要素とは、仕事をする上で必要とされる知識や技能のことで、そういう要素が秀でている人を称して、世間一般的に「できる人」と表現します。

一方の人間的要素とは、周囲をインスパイアするようなその人自身の生き方・在り方であったり、他者を思いやり支援するような人への優しさや気配りなど、人間関係に影響を及ぼす要素のことです。この点に優れる人は「できた人」と称されます。

リーダーシップを発揮するためには、信頼性を決定するこの両面を兼ね備えていること、すなわち「できる人、できた人」であることが必須条件なのです。

能力的要素と人間的要素の両方を兼ね備えると言っても、管理監督者にとって難しいのは後者の人間的要素を高めることではないでしょうか?

人間の内面に焦点を当てたリーダーシップ研究で有名な経営学者のピーター・M.センゲは、「内省」「学習」「貢献」が人間性向上に影響を与えると主張しています。

それらに「感性(EQ)」を加えた4つを、人間的要素を高める4ヶ条として提唱したいと思います。

1.内省

就寝前に、その日の自分のあり方を振り返り、明日への教訓をひき出す

→自分を正しく知る力が強化される

2.学習

どんなジャンルでもいいから、新しい情報・知見を自分にインストールし続ける

→社会の変化に気づき、イノベ―ティブな発想力が鍛えられる

3.貢献

世のため、人のために貢献しようという意識をもちながら日々の仕事に取り組む

→利他の精神が育まれる

4.感性/EQ

オンとオフのバランスを取って、心に栄養を与える

→感じる力、気づく力が高まる

こうした取り組みによって、その人の内面が豊かになり、人間的要素、すなわち人間性が向上するのです。

そして、日々の仕事を通じてストレッチ目標にチャレンジし続けることで、リーダーシップのもう一つの構成要素である能力的要素が磨き高められ、前述の理想のリーダー像である「できる人、できた人」に近づいていくでしょう。

しかし、一足飛びに理想の姿になれるわけではありません。

人の成長の前提は反復・継続と言われるように、一歩一歩その理想の姿に近づく努力(プロセス)が尊いのです。

やるべきことを愚直にやり続ける姿勢をリーダーが見せることで、組織に良い「一将の影」が反映されるのではないでしょうか?

あなたは、できた人/できる人、どちらに課題がありますか?

大杖正信トレーナー
〜エンパワーメントメッセージ〜 より

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