助けを求めること

こどもにとって、悩みがあっても親にも先生にも相談しにくい事もあると思います。


大人にしてみたら、本当に大したことないようなことで悩んでいたりして、ついつい

"そんなの気にしなくて大丈夫だよ"

などと、なんの解決にもならない言葉を贈ってしまったりすることもしばしばです。

長男は最近、クラスのある子より自分の方が、同じことをしてもより怒られている、と感じるような出来事があったようでした。

その事について誰かに相談したい気持ちはあったようなのですが、母や先生には自分から伝えてくれることはありませんでした。

ですが、ちゃんと自分で考えて相談しようと思った相手がいました。

それは

"チャイルドライン"

という18歳までのこどもなら、どんな内容でも話を聞いてくれるという電話相談窓口でした。

学校で配られたチャイルドラインの電話番号の書かれたカードを、うちでは冷蔵庫に貼っています。

本人が希望してそこに貼っておくことにしていたので、もしかしたらずっと以前からモヤモヤした気持ちがあって、いつか相談しようと思っていたのかもしれません。

ある朝、長男が学校へ行く準備をしている最中に

『今日帰ってきたらケータイ貸してくれない?』

と言ってきました。

理由を聞くと、チャイルドラインへ電話したいとの事だったので、悩みがあるのか聞いてみましたが、あま話したくない様子でした。

心配にはなりましたが、それ以上深く聞くことはしませんでした。

ですが、一応念のために担任の先生には情報を共有しておこうと思い連絡帳で伝えました。

すると、さすがの技術で担任の先生はふざけた雰囲気を醸し出しながら、それとなく悩みを聞き出してくださいました。

同じクラスの子が、授業中に教室を出てしまい、つい自分もそれを追いかけて行ってしまったこと

その後も落ち着かないその子よりも、ちゃんと戻ってきた自分の方が怒られ納得がいかなかったこと

それが主な内容でした。

長男はADHDの特性があり、注意力が散漫で多動もあります。

支援学級に所属しているので、当然同じような特性の子もいて、教室から出ていってしまったのは、長男と同じような特性の子だったのだと思います。

その時はたまたま長男の方が早く気持ちを勉強に戻すことが出来ましたが、きっとその子はずっと落ち着かない気持ちで、勉強をするのが難しい状態だったのだと思います。

授業を受け続けるのが辛くなって飛び出していった子に対して、叱りつけてどうにかなるはずはありません。

どう考えても余計パニックになってしまうことは、このクラスのこども達を支えている大人なら簡単に分かることです。

でも、長男にはそれが分かりませんでした。

そこで、担任の先生は、同じ事をしていてた長男だけが怒られている訳ではないこと。

その子に合ったタイミングで叱ったり、指導をしていることを丁寧に説明してくださったようで、帰宅した長男は、なぜ電話相談をしたかったかやその内容、先生からされた説明に納得したことなどを自分から話してくれました。

今回はこれで解決したので、実際にチャイルドラインへ電話をすることはありませんでしたが、困ったことや悩んでいることがあったら、自分が話したいと思える誰かにちゃんと助けを求めることの出来る子に成長していたことをとても頼もしく感じました。 

相談の内容を聞くまでは何があったのかと少しドキドキしましたが、取り敢えず一件落着して安心しました。

長男が最初に頼ろうとしたのが家族ではなく電話の向こうの他人だったのは、長男のみんなを心配させたくないと言う優しさ故だったのかもしれませんが、長男が辛くてもちゃんと母は守るし、絶対味方するという姿勢をもっと伝えていかなくてはいけないなと思いました。

叱るのと同じかそれ以上に、どんなに大切で大好きだと思っているのか、伝えないと伝わらないですよね。

最近はクールな反応で返して来ることも多いので加減が難しいですが、まだまだいっぱい伝えていきたいと思います。

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