マイナスイオン効果 ①
森林や滝などを歩きながらマイナスイオンに癒される。そんな言葉を聞いたこと
がある人は多いかもしれない。
しかしマイナスイオンとは何かと問われた時にはほとんどの人が
首をかしげてしまう?
何故ならばマイナスイオンという言葉はただの抽象的な概念でしかないからだ。
森や川にはマイナスイオンがあり、そこに足を踏み入れれば細胞が
マイナスイオンの刺激を受けて新陳代謝が活発になる。
森林浴=マイナスイオンは体に良いという認識が広く広まり、
その効果を人工的に生み出す製品としてマイナスイオンを発生させる
電化製品や健康グッズが多く出回っていた1998年代だ。
この時代は社会風潮とマッチした年だ。科学的な単語でない言葉の流行。
マイナスイオンには体に良いという科学的な根拠が無い中商品は伸びた!
今でも稀に見かける場合があるマイナスイオンの効果をうたっている製品は、
そのほとんどが根拠の無い効果を宣伝しているということになる。
最もマイナスイオンをうたい文句にしていた製品の多くは
ブームの終焉と共に姿を消したが、今もその存在を信じている人間も多い。
イオンとは電気を帯びた原子や分子のことで、体感でわかる人も限られる。
プラスの電気とマイナスの電気を帯びたイオンが存在する。
つまりマイナスの電気を帯びたイオン=マイナスイオンは存在するが、
このイオンは正式には陰イオンや負イオンと呼ばれ、
マイナスイオンとは呼ばれない。実際にマイナスイオンという
言葉はここ20年で作られた和製英語なのだ。
いまだ体に良いという科学的な証明もなされていない。
科学的な単語でない言葉の流行。
マイナスイオンによって体調が良くなったと感じた場合
それはただの思い込みである可能性が高いので注意が必要だ。
その一方、森林浴による体調の変化には科学的な根拠がある。
そもそも森林浴は1982年に林野庁が実施した実験で、
2日間森林の中を歩いたり風景を眺めた人間のストレスホルモンを計測した結果、
都会で生活している人間と比べてその濃度が40%ほど低いことが判明した。
副交感神経(リラックスした時に活発になる神経)の活動も活発になり血圧が下がる
などの効果が見られることは確認されている。
日本医科大学の実験では森林浴によってNK細胞(がん細胞を攻撃する細胞)が増加
して活性化するという報告があった。NK細胞は森林浴以外の要因でも活性化する
ので一概に森林浴の影響とはいえない、科学的な単語でない言葉の流行。
森林浴とマイナスイオンを混同させることで一種のマイナスイオンブームが
起きた、実際に効果を感じたという人までたくさんいるものだ。
マイナスイオンは健康を良くする効果ではなく、
人間の思い込みの効果を証明するものとなっている風潮なのだ
付加価値つけようサービス業マガジンVOL275
マイナスイオン② 第二改革が起きた。
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