創業融資の支援で税理士はどんなことをやってくれるのか?
起業を考えている方、起業直後で融資による資金調達を計画している方で、専門家のサポートを受けたいという人は多くいらっしゃると思います。
しかし、具体的に専門家の創業融資サポートって何をやってくれるの?とサービス内容がよくイメージできない方も一定数いると思います。
創業融資支援は税理士だけではなく、各士業や事業会社も対応していますが、この記事では税理士事務所であるグローブ税理士事務所が創業融資の支援において、どんなことをやってくれるのか、をできるだけかみ砕いて説明したいと思います。
創業融資支援 全体の流れ
まずはじめに、全体の流れを説明します。
①ご契約
ご契約を頂くと、支援のスタートです。
②面談
面談を1-3回ほど実施します。どんなことを話すのかは後ほど説明します。
③事業計画書の作成(税理士側)
面談の内容を受けて、税理士側で融資の申込書(事業計画書・収支計画書)を作成します
④金融機関へお申込み(起業家側)
税理士と一緒に作成した事業計画書とともに金融機関(公庫)へ融資の申し込みをします(ネット上から送付できます)
④面談のシミュレーション
税理士を担当者と見立てて、融資面談の練習をします。
⑤面談本番→融資決定
実際に公庫担当者との融資面談を実施し、その結果を受けて融資決定の決裁が下ります。
大きな流れとしてはこんな感じになります。
タイムスケジュール的には、ご契約から申込書作成完了までが3-5週間程度、公庫へのお申込みから融資決定までが3週間程度です。スムーズに行けば1カ月半~2カ月程度と見ていただければいいでしょう。(案件によって異なります)
税理士との面談ではどんな事を話すのか?
融資の支援では面談(ヒアリング)の内容が大変重要になってきます。ヒアリングを実施し、時にはディスカッションしながら事業の中身を理解していきます。ここで理解した内容がベースとなって、事業計画書が作られていきます。
では実際に面談ではどのようなことを話すのでしょうか?
1 ご経歴と起業の理由
これまでどういうお仕事をされてきて、なぜ今回の起業に至ったのか、ということをヒアリングしていきます。
ここで大事なのは、起業する事業の内容とこれまでの経歴に繋がりがあるか、一貫性があるか、という点です。ここは金融機関もかなり重視しています。
例えば、これまで弁護士事務所に勤務していた人が独立して自分の事務所を開業します、とかならわかりやすいですよね。お仕事の内容もそれほど変わりありません。
あるいは、有名レストランで働いていたシェフが独立して自分のお店を持つ、などはとても自然な流れで違和感がありません。
一方で、IT企業でずっとプログラマーとして勤務していた方が、急に「雑貨のECサイトを始めます」とかだとちょっと唐突だなと感じます。
これまでのキャリアと事業の関連性が低い場合、起業の理由に納得感を持たせるための理由づけが必要になります。例えば、プログラマーとして勤務する傍ら、余暇を利用して個人で雑貨のECサイトを運営していた、などですね。「なぜこの事業で起業するのか」ということをロジカルに説明することが求められます。
このようなことをヒアリングで聞きながら考えていきます。
2 ビジネスの概要
次に、どのような事業を考えているのか、ということについて詳しく聞いていきます。
誰に対して、どのような製品・サービスを提供し、それはどのような価値をもたらすのか。その事業をやるには何が必要で、どれくらいの資金が必要なのか。場所はどこでやるのか、店舗が必要なのか、許認可は必要なのか、単価はなのか、などなど…構想をお聞かせいただきます。
ここで聞きたいこととしては、この事業をやるにあたっての強みです。ちょっと難しく言えば差別化要因です。競合企業と比べて、当社の製品・サービスは何が優れているのか、お客さんはなぜ当社を選ぶのか、などですね。さらに、弱みについても把握しておくといいでしょう。
どうやって収益化するのか、というビジネスモデルについてもお聞きします。
3 市場について
自社の強み・弱みをお聞きしたあとは、主に外部環境についてお聞きします。対象のマーケットはどこで、市場規模はどれくらいなのか、競合はどんなところがあるのか。
市場規模ついては、正直ご自身で調べるのが難しい方も多いと思うので、専門家である税理士がお調べすることもできます。市場規模を調べれば、その市場が成長しているのか、衰退しているのか、というトレンドがわかり、自社の事業の将来性も少し見えてくると思います。
競合については業界をより知っている起業家の方の方が詳しかったりします。競合調査は自社サービスの品質改善にもつながるので、創業時だけでなく、継続的に実施していくことをオススメします。
業界にどういう課題があるのかを理解していて、その課題を解決する事業だと、かなり魅力的です。
4 直近と今後の計画について
現在の状況と未来の計画についてお聞きします。現在の状況というのは、どの程度まで事業が進んでいるのか、アイディア段階なのか、すでに動き出しているのか、すでにお客さんがいて売上が立っているのか、仕入先の目途はついているのか、などです。
アイディア段階だからだめ、ということではありません。ただ、すでに売上が立っていると、事業が軌道に乗るイメージがわきやすい、という印象を与えることは間違いないです。
未来の計画も非常に重要です。これが事業計画そのものと言えるでしょう。どんなビジョンを持って、どのように事業を展開していくのか。この計画にどれだけ具体性と説得性を持たせられるか、というところを話し合っていきます。
融資申込書(事業計画書・収支計画書)の作成
ここからは、専門家である税理士側で役割を担います。面談でヒアリングした内容を基に、公庫のフォーマットに基づいて事業計画書を作っていきます。
すでにご自身で作られている場合は、レビューやフィードバックをお伝えします。
特に収支計画については普段経営数字を扱っている税理士が最も得意とする領域なので、数字の根拠・背景については詳しく見ていきます(ここについては細かい部分を起業家と相談しながら作成していきます)。
この視点は金融機関も同じですので、根拠のない数字をただ羅列するだけでは金融機関の担当者を納得させることはできません。税理士がアドバイスしながら、説得性のある数字を組み立てていきます。
公庫面談のシミュレーション
申込書が完成して、公庫に送付したら、面談の日程調整が行われ、公庫の担当者と面談することになります。この面談は公庫が融資決定をするうえで重要な要素になるので、しっかりと準備していきたいところです。
我々の支援では、面談対策までしっかりとサポートします。聞かれやすい項目を事前に頭に入れておくことで、当日、うろたえずに答えることができます。
もっと言えば、面談で色々ヒアリングする中で、この面談の対策はかなりの部分が終わっている、ということもできます。
起業家の方の頭の中を整理することで、どんな質問が来ても大体は対応できるようになるでしょう。
税理士に創業融資を頼むメリット
ビジネスのアドバイスを受けられる
税理士は多くの顧問先を抱えており、こういう事業ならうまくいく、こういう構想は難しい、などこれまでの経験に基づいたアドバイスをすることが可能です。
創業初期においてはアイディアの壁打ち、事業構想のディスカッションをすることは非常に大切で、事業計画の穴やリスクを抽出したり、あるいはこうしたらもっとうまくいくんじゃないか、といった事業構造の広がりが出てくる可能性があります。アドバイスは良いと思ったら受け入れればいいし、見当違いだったら受け流せばいいし、ご自身の判断で良いところだけくみ取ってもらえればいいと思います。
このプロセスは、創業融資のために行われるものですが、実際にこれから経営していくに当たって非常に有用なプロセスです。
自分が考えている事業計画のどこが甘いのか、どんなリスクがあるのか、こういうアプローチをすればもっとポテンシャルのある市場が存在するのではないか、など。
起業家、または創業チームだけで考えるだけでは思いつかなかったアイディアやインサイトを得られる可能性があります。
創業初期は不確実性が大きく、事業の展開どころか、会社設立の事務手続きでさえもわからないことがとても多いです。
創業初期にグローブ税理士事務所のようなアクセラレーター的なポジションを取れる外部のアドバイザーに頼ることは、事業を一気に加速させるためにも大切だと感じます。
そのまま顧問契約ができる
正直なところ、税理士ってどこに頼んだらいいのかわからないって方は多いと思います。しかし、事業を興して継続していく場合、特に法人は税務申告などどうしても税理士に頼まなければいけない場面がやってきます。
ただし税理士であれば誰でも良いというわけではないのは当たり前の話です。例えば、ビジネスを理解できていない税理士には頼みたくないですよね。経営に関して有用なアドバイスをもらえる税理士が良い、という方もいると思います。
とりあえず創業融資の支援を頼んでみて、なんとなく感触がよければそのまま顧問として支援してもらう、というのは自然な流れです。
長期の顧問契約を結ぶ前に相性を確かめる上でも、創業融資の支援は最適です。
税理士(専門家)に創業融資を頼むデメリット
まずはコストの問題です。起業家自身がすべて一人でやれば、費用はかかりません。これは明白ですね。
もう1つは、経営者としての意識に関する問題です。デメリットというか注意点になりますが、専門家に融資支援を頼むことによって、経営そのものに受動的になってしまう恐れがないとは言えません。
起業して、成功するかどうかは起業家次第です。創業融資を成功させて、そこがゴールではありません。まぎれもないスタート地点です。起業して、経営していくという事は、ものすごくエネルギーの必要な事です。
その中で、支援を受けながら主体的に考えていくことが重要になります。税理士は、自ら立ち上がって歩いて行こうとする人の支えや道標になることはできますが、歩く意思のない人を歩かせることは難しいです。
ただし、個人的な考えとしては、専門性の高い分野については、起業家のリソースを抑え外部に支援を頼むことは大変重要だと考えています。
リソースの全くない創業初期は、できるだけサービスやプロダクトのことに時間を割いてほしい、と思っています。
知見や経験のない分野についてはコストを支払ってでも外部リソースに頼り、事業を前に推し進めていく、という意識は事業の加速・拡大において大変重要であると感じます。
グローブ税理士事務所の資金調達支援
ここからは、当事務所の資金調達支援に関する情報です。
費用について
グローブ税理士事務所では、融資決定額の5%を費用として頂いております。例えば、800万円の融資が決定した場合、800万円×5%=40万円、消費税込みで44万円の報酬ということになります。
対応エリアについて
全国対応可能です。基本的に面談はオンラインにて実施しますので、場所は関係ありません。コミュニケーションについても、Chatwork、slack、LINE Works、メールにてスムーズなやり取りが可能です。
申込金融機関について
原則として、政府機関である日本政策金融公庫での調達を想定しております。公庫以外だと、地域の信用金庫、または地方銀行を保証協会付き融資で申し込むことが考えられますが、割と手間がかかるので、まずは一番スタンダードな公庫をオススメしております。
グローブ税理士事務所 代表税理士について
新卒でスタートアップ経験後、国税局勤務12年、在職中に一橋大学院でMBAを取得し、ビジネスサイドに精通した若手の創業アドバイザー税理士です。ぜひお気軽にご相談ください。
問い合わせ先
グローブ税理士事務所 お問い合わせフォーム
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