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16のリズムで僕は行く
どうもこんばんは。
キムラです。なんだか久しぶりな気がしますね。
たかだか1週間サボっただけなのに、とても久しぶりな気持ち。
いかに普段140字以上の言葉を書いていないかということですね。
気をつけねば。
いやでも7月は色々忙しいんですよ本当に。
なので来週更新がなかったら
「あ、きむらがんばってんだな」と思ってください。
さて、タイトルは「16」という曲
andymoriの2nd『ファンファーレと熱狂』に収録されています。
なんかandymoriって打ったら勝手にanymoreに変換するのなんなの迷惑だからやめてよ。
僕にとってのandymoriは好きなバンドでもありながら
少し特別なバンドの一つです。
というのも大学で最も中の良かった友人にうえのさん(実際こう呼んでいた。彼は僕をきむらさんと呼ぶ)という男がいまして
彼と僕は大阪芸術大学写真学科の同期で
・音楽が好き
・だらだらと飲むことも好き
・そんなに写真に熱心でなく、愉快に楽に生きたい
・そして何より方向は違えど青春こじらせクソ野郎なこと
僕は夜中にワインボトルと煙草を持って田舎の道路の真ん中を散歩するタイプで
うえのさんは昼下がりか夕方にデニムの後ろポケットに文庫本を入れて河川敷を散歩するタイプです。
ピンポイントで神経質なくせに大体大雑把な僕と
大体のんびり屋なくせにピンポイントで凝り性な彼は
正反対のようで妙にウマが合い、大学近くの彼の家に僕は入り浸ることとなります。
そんな彼とは本当に様々な音楽を聞いたけれど(当時の僕は今以上に毎回新譜、中古CD問わず買い漁っていたので)
その中でもなんども繰り返し聞いた音楽家がandymoriと奇妙礼太郎でした。
合鍵を持っていた僕は勝手に買い物してきて
彼が帰ってくるとボロアパートの廊下に僕が作ったカレーの匂いが立ち込めている。
今日のCDを選んでコンポに入れて再生ボタンを押す。
食べ終えた洗い物はうえのさんの仕事。
食後のコーヒーのために狭いキッチンで豆を挽く背中を眺めながら僕はベッドに座り窓を開けて煙草を吸う。
軽いアテを用意して酒を注ぎ、部屋の電気を消したら
『ニュー・シネマ・パラダイス』を観始めて気づけば終電はもうないので、夜中のコンビニへ歩き酒を買い足して、またCDを選んで更に飲む。
僕とうえのさんはそれくらいだらりと、それでいてしっかりとしたモラトリアム期を共有したのです。
当然それぞれの生活はあるけれど、それでも
随分と深く穏やかな時間をたくさん過ごした気がします。
それでも僕と彼はもう何年も会っていない。
だけど僕の中では今でも愛する友人の一人で、不意に思い出す。
例えばandymoriを聞いている今だとか。
思えば彼に限ったことではなく
僕の大切な思い出の多くはたくさんの音楽と共にあって
それはライブハウスでイベントをやっていたことや、バンドマンの友人や可愛がってくれるおじさんが多かったこともそうで。
愛しい夜の傍らにはいつも音楽とアルコールがあったからに他ならない。
なんてことを先日
棚に入りきらないCDが詰まったダンボール数箱をひっくり返して眺めている時に感じてセンチメンタルになりました。
でも、僕が忘れているだけで音楽に関わらない思い出もたくさんあって
きっとそれらも何かのきっかけで思い出すんだろうね。
僕はすぐにいろんなことを忘れてしまうけれど
それはなくなったわけではなく、どこか奥の方に
それこそあのダンボールみたいにふと開いてみれば
当時の鮮やかさのまま、というか当時より美しい幻想に姿を変えて
目の前に現れるのでしょう。
そういう人生も悪くないと思っています。
僕は一度愛したものは、疎遠になり忘れてしまってもずっと愛したままなんだ。
今のことしかわからなくて、今ばかりを愛しているくせにきっとそうなんだ。自分でも不思議なんだけどね。
さて
今夜はここでおしまい。
さよなら、またね。
文責 木村聡太
ヘッダーの写真も僕とうえのさんですが
最後に当時21歳くらいかな?の写真を載せておきます。
この家は彼の2代目の家。一回生の頃に住んでいた家はもっとオンボロだった。
愛すべき日々の越えて、今が一番楽しいよ。
でも久しぶりに会いたいな。
あいつ昔から全然連絡返さないんだよ、まったく。