【2020/07/05】J2リーグ 第3節 栃木SC VS 東京ヴェルディ1969 「4-2-4プレスの構造的問題」
結果は、1-1の引き分け。今季初の勝ち点獲得をポジティブに見るか、数的優位を活かせず勝ち点3を逃したことを嘆くのか、、、私としては失点が構造的な問題であることを考えるとやはり改善点が多かったのではないかと思う。
【4-2-4プレスの構造的問題】
赤がスペース、矢印がボールの動き。ポゼッション志向のチームの多くは3CBとGKでボールを回しながら攻撃の形を揃えるのがセオリー。
3CBに対してFWとウイングの3名がプレスをかけつつ、ボランチをFWがマークをするというのが栃木のプレスの形。
だが右CBがボールを持った際にGKに下げる、CBにわたすの2択を完全に潰すことが出来るプレスの形ではないが故に比較的容易にサイドへのロングボールを出しやすくなる。
サイドへの五分五分のロングボールも数的優位が生まれていればセカンドボールも拾いやすくなる上、数的優位を埋めるためにボランチを釣り出すこともできる。
結果的に前線の4枚が1つのロングボールで無効化されるというのが4-2-4でのプレッシングの構造的な課題である
おそらく、理想はサイドバックに出したボールをボランチとサイドバックで挟んでボール奪取、前線に残った4枚でショートカウンターというのが形だと推測するのだが、試合を通じて実行するにはリスクの高すぎるプレスの形である。結局今日の失点もラインが下がってボランチが引き出されたスペースからの綺麗なミドル。シュートにレベルも高かったがそれ以上にいつ失点をしてもおかしくない場面も多かった。
【FWはパスコースを切りながらでいいんじゃないですか?】
変わってこちら。何が違うかというと中盤の底に一枚を据えて前線でのプレスを一枚減らした形。確かに相手のボランチとISの間にはボールを通させやすくなる一方でバイタルエリアに於いては数的優位を保ちやすくなる。
サイドの選手の対応もISの選手が対応できるため、プレスの間合いも近く、ウイングがプレスバックすることで挟む守備ができる。ただ、この守備の形では、前線の選手も戻ることと、ボールを奪える位置が低いことが問題で
(赤い位置がボール奪取できる位置)
その場合前線が少ない人数で攻撃を完結させるクオリティを持っているか、味方のオーバーラップを待ち数的優位を保ちながら攻撃を完結させる必要がある。
栃木が組織で勝っていくには、博打のようなハイプレスを繰り返し【運動量とアグレッシブさ】で相手を圧倒できた。という錯覚をする前に、攻撃のバリュエーションを増やすことで相手を崩すことができたという経験値を積んでいくことではないかと思う。
(どのリーグでも、どの国でも優勝戦線にいるチームには攻撃の形がある)
【おまけ】今日の採点
栃木SC
・スタメン
22 塩田 仁史 6/10 失点はノーチャンス
4 高杉 亮太 6/10 相手のクロスを跳ね返してた
6 瀬川 和樹 5/10 攻撃での怖さが無かった。左サイドのスペースを使われた
30 田代 雅也 6.5/10 端戸にほとんど仕事をさせなかった
5 岩間 雄大 交代:後半20分 5/10 プレスを交わされる場面が多かった
8 明本 考浩 6.5/10 積極的なドリブルで局面を打開していた
15 溝渕 雄志 交代:後半45分 5.5/10 キックの精度に課題があった
16 榊 翔太 交代:後半20分 7/10 左足の精度の高さを証明した
18 森 俊貴 交代:後半26分 6.5/10 スピードのある突破を見せた
25 佐藤 祥 6/10 攻撃では怖さを見せられず
29 矢野 貴章 6.5/10地味ながらもプレスとボール保持で貢献した
・交代
23 柳 育崇 交代:後半45分ーー
13 禹 相皓 交代:後半20分5/10 インパクトを残せず
24 和田 達也 交代:後半26分5/10 インパクトを残せず
9 エスクデロ 競飛王 交代:後半20分4.5/10 インパクトを残せず
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