生まれて初めて、飲食店で出禁を食らった。
普通、出禁になると言うと、
・店でうるさくして迷惑をかける
・他のお客さんに迷惑をかける
・無理難題のクレームを入れる
などが想像される。わたしもそう思っていた。
しかし。
わたしはまだその店に行ったことがない。
遡ること4月、コロナウイルスによる緊急事態宣言が全国に発令される前に、GW明けの休日にわたしはその店を予約していた。
その店はモダンフレンチのお店で、席数も少ない、ご夫婦で切り盛りされていて、客単価は2万円ほどと、地方にしたらハイクラスな価格帯だけど、評判も良かったので、数々のライブが中止になり、おいしいものを食べることだけが唯一の楽しみとなっていたその頃、予約して当日を楽しみにしていた。
だが事態が変わり、首都圏は宣言延長、こちらは対応がまだ決まらない…という状態に。
わたしはお店の都合で18:30からの予約だった。
しかし当時酒類の提供は19:00までとなっており、もしそれが続行されるなら、一度キャンセルして日を改めたいと思っていた。
でも予約した日の3日前になってもお店からの連絡はなかった。最初は、定休日だし仕方ないか…と我慢していたが、直前キャンセルはお金もかかるし、キャンセルするなら他のお店を探さなきゃ。家から一歩も出ない連休中、気持ちが不安定になった。
試しに、ダメ元で電話を入れてみた。でも当然出ない。でも、お店のインスタは更新されていた。今後の情報ではなく、「料理バトン」の投稿だった。
わたしは思わず、近々に予約しているのに、情報がなく困っている。料理バトンの写真より、情報をアナウンスしてほしい旨のコメントをした。それがいけなかったようだ。
結局、夫から電話を入れてもらい、やはり19:00でお酒はオーダーストップということで、2時間半くらい(と思われる)のコースのうち30分しかお酒を頼めないのではせっかくのお料理を楽しめないので、また日を改めさせてください。とお願いし、お店からも承諾していただいた。
…と、思っていたのはこちらだけだった。
先日、来月改めて伺いたいと電話をした。
数回の留守のあと、奥様が電話に出た。
「予約をお願いしたいのですが」とわたしが言うと、
「おんせんたまごさま、5月はご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。この街にはうちの他にも…たくさんおいしいお店があると思いますし、わたし達はおんせんたまごさんを満足させる自信がございませんので…今後おんせんたまごさまからのご予約はお取りすることができません。」
(あとで調べたが、これは出禁のテンプレ文だった)
耳を疑った。
わたしがしたことはそれほどのことだったのか。
その後、わたしももちろん5月のことを謝ったし、伺う前から門前払いするなんてと思い、一度機会をいただけませんかと懇願したが、出てくる言葉は同じ。
わたしは店から客ではないという烙印を押された。
普段、価格帯やジャンルに拘らず、いろんなお店に行っている。
そしてもっと言うと、よほどでない限り不手際は気にしない方だ。
常連のお店では、逆に誕生日近くに伺うと何も言ってないのにプレゼントやサービスをいただくほど良好な関係を築けている。
それだけに、人格否定された気分だった。
向こうの言い分は、インスタにコメントをされたことが気に入らない、定休日に電話対応したのにキャンセルされた、とのことだったが、じゃあなぜもっと早く、今対応を検討しているので待っててくださいというような連絡を入れてくださらなかったのか、定休日ではあったけれど、確実に休み明けの営業が決まっていない不安定な時期だったではないか。そして日を改めさせていただくことを、はっきり了承してくださったではないか。
まあいろんなことを考えたが、結局はオーナーシェフはわたしとは関わりたくない。シンプルなことだ。
わたしと合わないレストランだった、それだけだ。
たしかにおっしゃる通り、他にもおいしい店、誠実な対応をしてくださるお店はたくさんある。
気持ちを切り替えて、次の週末もおいしいもの食べに行こう。
そしてこれからは、初見の店にはどんなに嫌な対応をされても、行くまでに予約以外の連絡をすることはやめよう、何かあっても店側からの連絡がない限り何も言わないようにしようと反省した。というか普段トラブルなど何もないので何か言ったのも今回が初めてだったのだが。
(でも、今回のそもそもの非はお店側にあるというのは否定したくない。)
そしてこの直後、去年の結婚記念日にも利用させていただいた、ミシュランを獲ると言われているモダンフレンチのお店を予約した。めっちゃ楽しみ。
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