これから独立しようとする人に伝えたいいくつかのこと。
30代もぼちぼち半ばにさしかかり、周りの同世代から「独立を考えている」「独立したんだ」という声を最近よく聞くようになりました。
私が会社員を辞めて独立したのはちょうど30歳の時でした。(ちなみに当時周りにはすごく止められた)
誰かの会社に所属することなく、自分の名前で仕事をしていくことは、会社員の時と違い難しい面もあるけれど、私は全く後悔してません。むしろあのときその決断してよかった、グッジョブ自分!と思ってます。
ただ今振り返ってみれば、独立する時にしておけばよかったと思うことや、結果的に良かったなと思うこともあります。そんな自分の経験から、独立したいな〜しようかな〜と考えている人に向けて、会社を辞める前に読んでみてほしいことを書いてみます。
1.ひとりっきりではじめない
私は会社を辞めてから、まずは個人事業主として仕事をはじめました。自分以外スタッフもいなければ、その時は一緒に仕事をするチームもありませんでした。
独立して最初に、ひとりって大変だなと思ったことは、隣に相談相手がいないこと。依頼のあった仕事を受けるかどうか考えるのも1人、アイデアを練るのも1人、判断するのも実行するのも1人。サラリーマンの時は、オフィスにいれば側に同僚や上司がいて、悩んだり誰かと話しながら考えたい時には「ちょっといいですか」と声をかければよかった。でも、独立して1人で机に向かっていると、業務内容やアイデアなどの軽い相談ができる人がいない。これは地味に辛かったです。
あとは、屋号をつけて独立したあと、その思いやビジョンを共有して、チームメンバーとしてジョインしてくれる人を見つける難しさ。私は開業届を出す時に、ゆくゆく会社にすることも考えて"Groove Designs"という屋号をつけました。今思えば、けっこう思い入れのある屋号だけに、その思いを共有できるということにこだわってしまったのもあるかもしれません。
プロジェクト単位でチームを組むパートナーはいても、事業の方向性を考えたり、営業につながるチャネルが少ない(自分だけ)ということなど、広がりをつくるという点で勿体なかったと思います。
なので、これから独立を考えている人には「誰か」と一緒に始めることをオススメします!パートナーは副業的な関わりやプロボノでもいいと思います。特に私のようなまちづくり分野の仕事は1人でできることが限られているし、チームがあるだけで、受けられる仕事の幅も広がります。
あとは人間、所詮ひとりでの成長には限界があります。自分の事業のことを常に相談できる壁打ち相手がいることで、自分が圧倒的に成長します。私も、今年から会社のチーム拡充・体制変更し、よき相談相手ができたことで得られた気づきは今までの比じゃないですし、自分の成長実感を得ることもできています。(独立後、成長実感を得ることの難しさについてはまた別途書けたらと思います)
2.会社を辞める前に「これから始めること」のコミュニティチャネルをいくつも持っておく
会社を辞める前にやっておくといいこと、それは、これから始めようと思っていることに関連する「つながり」をたくさん作っておくことです。
所属していた会社と新しく始める事業の方向性がすこし違う場合には、それまで付き合ってきた人たちとは違うつながりが必要になります。
会社を辞める前の副業や課外活動で、いろんなチャネルのコミュニティにつながっておくのがおすすめです。なぜ会社を辞める前かというと、会社の実績や肩書きは使える内に使った方がいいと思うからです。会社を辞めてしまえば私はただの「三谷繭子」という小娘です。まだ実績のない仕事の内容を説明して周りに理解してもらうよりも、人の看板を使いつつ繋がりを作る方が圧倒的に楽ですよね。使えるものは自分の手元にある間に、使っておきましょう!信用力もあるし。
私の場合は会社を辞める前の数年間、独立するという頭になっていなかった頃から、いくつかの課外活動をしていました。その時に出会った、会社に勤めているだけでは会えていなかった人たちとの繋がりが、独立後の仕事に生きているな、と後々になって思ったので、もし独立するつもりのある方はぜひ意識して行動してみてください。
3.衝動を大事にする
独立はタイミングと思い切りが難しいな・・・と思うかもしれません。両方大事だけれども、私はどちらかというと、思い切りの方が大事なんじゃないかなと思います。独立を考えるきっかけは、チャレンジしてみたい、こんな人たちと仕事をしてみたい、あんなふうになりたい...などなど、人によって様々だと思います。でもきっと、共通しているのはドキドキする気持ち。そう思える時に行動した方が良いし、その衝動は大事にしたほうが良いと思います!思い切ってしまえば、あとは何とかなることの方が多いと思いますし。
タイミングなんてないぜ、と本当は言いたいところですが、実際には個人のライフタイムを考えた時に、独立に適したタイミングはあると思います。衝動を発揮して良いタイミングというか。
私の場合は、独立という選択肢が頭に浮かんだのが20代後半。同世代で独立して動いている人に出会い、あぁそういう選択肢もあるんだな〜と思ったことがきっかけでした。なんて単純なんでしょう・・・。
タイミングを選んだのは、自由に動ける間に独立してしまおう、ということだけです。その時私の頭にあったネックは出産でした。いつかは子ども産みたいけど、子どもができたら女性はなかなか身動きとれなくなるんじゃないかという勝手な想像で(あながち間違いでもないが)、子どもを産む前にとにかく独立してやってみよ、ということで決行しました。けっこう生き急ぐタイプでした。笑 それを相談したときに夫が後押ししてくれたのも有り難かったです。
あとは、若いうちだったので、失敗してダメだったらまたどこかで雇ってもらえばいいや、という割り切りもありました。個人的には、それ位の気持ちで挑戦してもいいんじゃないかなと思います。(今となってはもう、働き方的に会社員に戻れる気がしませんが...)
実際、時間は有限だし、大人になって守るものが多くなればなるほど身動きが取りづらくなる部分もあります。私が独立した時は、同世代ではそういう人はいなかったし、若すぎるからやめた方がいいと言われたこともありました。でも若くて女性というのがかえって目立ったようで、いろんなお仕事のご縁をいただいたり、講師としてレクチャーをさせていただく機会も多かったです。そしてそれがまた仕事の縁につながったり。
もうひとつ、独立を迷っていた背中を押してくれたのは横浜で開催されていたソーシャルビジネススタートアップ講座でした。(関内イノベーションイニシアティブ(株)が横浜市から受託していたが2020年度で終了)そのなかで、改めて自分の思いに向き合ってやっぱり独立したい!と思い、最終回には会社辞めます宣言をしました。
決めるまではかなりグルグルと悩みましたが、独立して仕事をするということにドキドキする自分もいて、その時は「迷った時は自分がドキドキする方に行け」と勝手にルールをつくってそっちに進みました。自分の気持ちに正直に生きてみるのも悪くないと思います。
やりたいことにすぐには出会えない。でもとにかく自分の感覚を信じてやり続けること!
独立といっても、やりたいことをすぐに言語化するのは難しいし、思い描いた仕事に取り組めるようになるには、出会いとタイミングも大きいです。
でもとにかく独立したら自分の信念と哲学を持って、自分の仕事を人に伝え続けていれば、すこしずつそっちのほうに近づいていくように思います。独立のメリットは、そのチャンスが訪れた時にいつでもアクションができるということじゃないでしょうか。
仕事のジャンルは違いますが、こちらのpodcastを聞いてみるのもいいかもしれません。実はこの記事を書くにあたって、参考にちょこっとだけ聞いてみて、そういえば会社辞める前こんな行動してたわ、とか、もやもやした気持ちなどを色々思い出しました。独立後のリアルに共感する点も多々。
フリーランスが本音で語る「独立後のリアル」〜面白く生きるヒント、ありマス〜
プロのコーチとして独立2年目のけいこと、11年目のはっしーが送る、独立後の常識、非常識。生々しくリアルに、独立後の幻想も喜びも、台本なしで時に脱線しながら話していきます。
そのうちに、友人たちと独立についてclubhouseゆるり話すを企画したいと思っています。興味のあるかた、ぜひお話ししましょう〜