【学級通信】行事を通して考えたいこと
予測が困難な時代において、「自分で考え」「自分で決めて」「自分から行動し」「成長のために自身の在り方を問い続ける」自律・自立した人が増える社会づくりに貢献する
ことを活動理念として、大人の学び合う機会を創るために教員を19年で終えました、内藤正臣です。
今、自主開催しているワークショップで参加者さん方と一緒に学んでいるのは、「子どもを自律・自立的に導く大人の考え方・在り方」です。
皆さんの真剣な学びの姿勢に、こちらも刺激を受けます。
引き続き、繰り返しワークショップを行っていきたいと思います。
さて、学級通信シリーズです。
今回は、「運動会の練習を通して何を学ぶのか?」をテーマにした内容です。
私が勤めていた市内の小学校は、5月末または6月始めに運動会を行うことが多いです。
3月で退職した小学校も、いよいよ今週末に運動会が行われます。今回の通信は2年前の運動会の時期に書いたものです。当時の種目は、表現運動(ソーラン節・ダンス)とリレーでした。
そんな、当時の子どもたちの様子を思い返しながら掲載します。
今回はそんなお話です。
では、以下学級通信です。どうぞ!!
~人生100年時代の「社会人基礎力」~
少し固い話になりますが、経済産業省は「人生100年時代の社会人基礎力」を提唱しています。求められている社会人基礎力は、3つの能力と、12の能力要素から構成されています。
前に踏み出す力
➀主体性 ②働きかけ力 ③実行力
チームで働く力
④発信力 ⑤傾聴力 ⑥柔軟性 ⑦情況把握力
⑧規律性 ⑨ストレスコントロール力
考え抜く力
⑩課題発見力 ⑪計画力 ⑫想像力
今回は、子どもたちの運動会練習の様子と、これらの力をつなげて書いてみようと思います。
【ソーラン節練習&スタンツ(ダンス)練習】
主に当てはまるのは、「➀主体性」と「③実行力」と「⑨ストレスコントロール力」と「⑥柔軟性」です。
練習を始めた当初、しばらくは休み時間に練習するという日々が続きました。ここで、主体性がある子は「今日は練習ありますか?」と前のめりになり、練習会場の最前列でめいっぱい踊っています。
「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもので、楽しいことや好きなことに取り組むときは、それを努力・苦労と感じません。
ですから、表現運動が好きな子は、こちらが何も言わなくても、ソーラン節練習とスタンツ(ダンス)練習で「主体性」や「実行力」を発揮することになります。
ポイントは、表現運動が得意でない・好きではないという子です。そのような子にとっては、休み時間の練習は非常にストレスとなります。本当は休み時間は外で遊びたいのです。自由な時間がほしいのです。
しかし、そういう「好きなことができないストレス」をどう受け入れ・受け止め、「柔軟性」を持って前向きに練習するか。このような体験・経験は、負担かもしれませんが避けてはいけません。
中学校の部活動も、「好きな練習」だけやって上達することはできません。何事もそうですが、嫌々やっても上達を妨げてしまうので、やる以上は「やりがい」を見出せるといいなと感じています。
【リレー練習】
主に当てはまるのは、「⑤傾聴力」と「⑦情況把握力」と「⑧規律性」と「⑩課題発見力」と「⑪計画力」です。表現運動との大きな違いは「チームで動く」ということです。
表現運動の出来は自己責任ですが、リレーの出来を自分一人で責任を負うことはできません。チームメイトが存在します。
だからこそ、個人が自分の意見を主張するだけに留まらず、仲間の考えを引き出すための「傾聴力」を身につけているチームは、見ていても非常に協力性が高いです。
それは、きっと「リーダーは私の意見を聞いてくれる。だからこそ私もがんばろう。」という思いを持つからではないでしょうか。
それが、「規律性」につながり、秩序の保たれたチームになっていきます。そして、チームのバトンパスの現状を見極める「情況把握力」や、自分たちのバトンパスの改善点を適切に見つける「課題発見力」があれば、練習は意味のある中身の濃いものになります。
リレー練習を通して、私が口を酸っぱくして言っているのは「考えなさい」という一言です。しっかりと頭を使って、悩んだり困ったりすることを通して、解決への道筋を見つけてほしいと思います。
先日の学年リレー練習の様子から、A・B両チームとも成長の兆しが感じられました。
本番の結果は分かりませんが、子どもたちには今の「過程」を大切にしてもらいたいです。
そして、最終的には「応援したくなるチーム・人」になってくれるといいなと思っています。
以上、学級通信でした。
私は、行事というのは「目的」ではなく、「手段」であると考えています。
何の手段なのか?
それは、「成長のための手段」です。勝つことや成功することが目的ではなく、当日までに何を考え、何を学び、過程の中でどれだけ失敗を経験するか。
そこに価値を見出すと、子どもたちの全ての経験に意味があるのだという気持ちになります。
今週末、私も運動会を観に行きます。仲間との再会が楽しみです。
今回も、お読みいただいた皆様に感謝します!!
皆様のコメント、お待ちしています。
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