ズキズキしない片頭痛にも特効薬がとてもよく効いた話
30~40歳代の女性は5、6人に1人が片頭痛なんだそうで、なにをかくそう、私もその一人です。ところがこんなメジャーな疾患なのに、片頭痛の診断を受けて治療を開始するまで10年以上もかかってしまいました(もったいない!)。私と同じような人に届けばいいなと思って、この記事を書いています。
片頭痛と言えば、頭の片側がズキズキ痛む、という特徴が真っ先に思い浮かびます。「半分はやさしさでできている」でおなじみのバファリンの情報提供サイトにも、
とありますし、鷲のマークの大正製薬のナロンシリーズの情報サイトにも、
とあります。ズキズキといえば片頭痛、片頭痛といえばズキズキ、と言っても過言ではありません。ところが私の片頭痛の症状ときたら、
片側の副鼻腔のあたりと目の奥からこめかみにかけてズーンと重痛い
強い首コリを伴う
市販の痛み止めがあまり効かない
症状としては痛みよりも吐き気とムカつきがとにかく辛い
一度頭痛発作が起こると2~3日続くことが多い
発作が起こると光に敏感になって、カーテンを閉めたくなる
反対に眩しい状態が続くと発作が起こることもある
そう、「ズキズキ」しないんです。片頭痛にはトリプタンという特効薬があることは知っていましたが、自分には縁がないものと思い込んで、あまり効かない痛み止めを飲んではウンウンうなってました。ところが、ふとしたきっかけで片頭痛を疑って、頭痛外来に行ってみたら見事に片頭痛の診断をいただき、トリプタンの恩恵にあずかることができるようになった訳です。
ちなみに、お医者さんが片頭痛を診断するときの基準がこちら。
なんと、「ズキズキ(拍動性)」は4つのうち2つ満たせばいい特徴の一つに過ぎなくて、日本頭痛学会のくわしい解説には「非拍動性の片頭痛発作もあります」としっかり書かれているんですね。いや、思い込みって怖い。ちなみに、Eの「ほかに最適なICHD-3の診断がない」というのは、片頭痛以外の病気で頭痛が起こっている訳ではないですよ、という意味です。お医者さんに行けば、何も言わなくてもこれを確認するためにMRIやらCTやら撮って調べてくれます。
初めてトリプタンを飲むときは「これでもし効かなかったらどうしよう」と緊張しましたが、魔法のように効きました。私がもらったのは「ゆっくり長く効く」タイプのトリプタンだったので、効果が出るまで1-2時間かかるのですが、それまで2-3日苦しんでいた症状が2時間で確実に収まるんだから本当に凄いことです。誰が作ったのか知らないけれど(注)、心から感謝申し上げます。
ところで、ズキズキしない私が片頭痛ではないかと思い始めたきっかけは、頭痛記録アプリの「頭痛ろぐ」でした。これで記録をつけ始めたら、生理の時期に重なることがあまりに多いことに気が付いて、生理に関係する頭痛を詳しく調べていくうちに、「ズキズキしない片頭痛」の存在に気づいた、という訳です。やっぱり頭痛には頭痛日記、大切ですね。
私みたいなズキズキしないタイプの片頭痛を持ってる人の中には、同じように片頭痛だとは思わず、トリプタンの恩恵にあずかることもなく辛い思いをしている人がたくさんいらっしゃると思います。片頭痛の診断を貰うまで10余年、私ももちろん手をこまねいていた訳ではなく、いろいろな疾患を疑ってきました。かみ合わせがおかしいのかと思って歯医者に行ったり(そして意味もなく削ったり)、副鼻腔のあたりが痛いので耳鼻科に行ったり(実際に副鼻腔炎のこともあった)。首コリを伴うので緊張型頭痛かな、だったら頭痛薬飲んでればいいや、と思ったりもしました。ようやく片頭痛にたどり着いた私がお伝えしたいのは、吐き気を伴って3日以内に収まる頭痛を繰り返すようなら、片頭痛を疑ったほうがいいよ、ということです。そして、トリプタンは薬局では買えないので、まずはお医者さんにGo!です。あとはお医者さんがよろしく取り計らってくれます。
(注)誰がトリプタンを見つけてくれたのか気になったので、ウィキペディアで調べてみました。製薬会社のグラクソ(現在のGSK)の研究者たちのようです。1972年に研究を始めて、世界で最初にトリプタンが販売されたのは1991年だって。あきらめないでくれてありがとう。ちなみに、日本上陸は2000年(遅っ)。
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