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クソ映画レビュー「ブラッド・リッパ―(2005)」

はじめましてGrippeです。

視聴後の胸のムカつきに負けた勢いで、今回は(ごく一部の)映画ファンの間でウンコ色に燦燦と輝く頭痛の種もとい糞詰まりホラー映画「ブラッド・リッパ―(2005)」のレビューをしていきます。誰が怖がるんだよ。


まず結論から申し上げます。以下が見終わった直後の感想です。


ファンのいないエド・ウッド
煉獄
販売価格より低い予算
マイケル・ベイ without 爆発
100円払うと匂いだけ提供するマクドナルド
許されざる人間の業
即席ネザーポータル


そこそこ怖いのはこの映画がDVDになってAmazonで売っているという点です。そして今後あなたが人生を幸せだと思えるのは、このブログを見終わった後にネット広告でブラッド・リッパ―がサジェストされるまでの短い間です。ロングテール万歳。お前もこちら側だ。

それでもまだ物足りないならスクロールしてね。

ヤバい点を問題別にまとめました。ようこそクソ映画沼へ。


1. 明らかなる低予算

察しの良い映画キッズなら開始54秒で分かる事実であります。


初っ端一発目、車中から撮られた場面から始まるのですが雰囲気がさほど悪くないせいか、先述の54秒「川の水面に浮きが揺れているシーン」からの酷さが際立ちます。1980年代真っ青の画質から繰り出される最悪のカメラワークと、対して面白くもない夫のジョーク。そして妻の妙な上げパンファッション。今後物語に関わってきそうな、釣り許可証を求める管理人の意味深な目くばせよりも、キャストに何が何でもダサ衣装を着せたい衣装さんの底意地の悪さに意識が向きます。そもそも衣装さんがいるのかすら怪しい。


また流れとして

「缶の中身が吹き出して溢してしまい服を着替えるシーン」があります。よくもまぁ缶ひとつでここまで…といえるほど演技が超へたくそ。演者さん雇うお金なかったんだろうね…。

体から離した位置で缶を開けておいて途中から台本を思い出したのか、腕を胸元に引いて自分の体に溢しにいってます。正気か…?


着替え完了後、夫のもとに戻る妻。この辺のプロットやセリフも非常に分かりにくいのですが具体的に説明しようとすると気が狂いそうなので止めました。堪忍な。

ちなみに初視聴時の私はまだ「まぁ血が出れば何とかなるやろ」と思っていました。何とかなりませんでした。ハハハ。


ご想像の通り、先に襲われるのは夫の方です。後ろから切り付けられます。首から噴き出す血は
_人人人人人人人_
> 麦茶だこれ <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

コレステロールとは無縁です。サラッサラです。ホラー作るなら普通、他の映画みたりすると思うんですが。おめぇ、こんな水みてぇな血液みたことあるか?


待ちに待ったマスク殺人鬼の登場シーンなのに手抜き演出と死に際の旦那さんの怪演技(悪い方の意味)、そして腰を痛めた60代の老人のような動きで必死に死体を引きずるキラー。トリプルパンチ。補足するとここまで開始6分です。


おわれ/N〇K制作


2. 定石を踏み抜いてなおクソ

どんな話においてもジャンル・トピックが決まっていれば大抵の場合はお決まりの展開があります。ホラー映画で挙げると

女性のお着がえシーン

セックス

神出鬼没の殺人鬼

精神病院から逃げ出した患者

妙な現地民

などなど。

ブラッド・リッパ―は比較的お決まりを守っているタイプのホラーです。しかし劇的につまらない。「とりあえずやっておけば大丈夫」な約束でさえ生かし切れていないので、より酷く見えてしまっています。できてるように見せかけてできてないのが一番ダメだってばっちゃがいってた。

上記の現地民の例を挙げてみれば、殺人鬼について主人公らに教えるためキャンプファイアに乱入してギター片手に突如歌い出すおっさんや、汚れた赤ん坊の人形にご飯をあげるおばさん(なおストーリーには特に関わってこない)など輝かしい面子です。誰もかれもが匂わせばかりで本題に入りません。

どこをどう取り違えても頑張りさえすればそれっぽくみえるはずのえっちなシーンも「これ今本当にセックスしてんですか」と疑いたくなりました。声だけでなんとかしようとするな。脚本家7学年(中学生)説が浮上しました。

それに加えて非常に困るのが「殺人シーン以外はなんとかなっている」こと。これ恐怖映画なんですけどね。

なんだそれならいいじゃん、と思われるかもしれませんが観てる側としてはこのタイプがいっちばんキッツい。主人公一行が談笑する場面や役者の素の会話の演技は多少目を瞑れば悪くない。そのため殺人鬼が登場すると一気に馬鹿馬鹿しくなってしまうんですね。DbDの白帯かな?

水責めで隙をついて息を吸うと余計辛くなる、みたいなアレ。

3. ワンパターンすぎる

カメラさんは景色を撮るのがお上手なようで、枯草色の木々が生い茂る山々をほぼ一時間、延々と映してくださるのには大変感服いたしました。スクロールバーを動かしてみても一面の野山でございます。レビューのために観たいシーンがどこなのかもサッパリ分かりません。

私、いつディスカバリーチャンネルに回しましたっけ?

名前がリッパー(切り裂き魔)なのである程度は仕方ないんですが、殺人鬼に遭遇→殺される流れも手口も毎回ほとんど同じで退屈。一応ハロウィンのマイケル・マイヤーズのように登場テーマもついています。が、単調で二度目に見返した際に耳からアナフィラキシーショックを起こしそうになったので音をオフにしました。この映画を観て多くを後悔しましたが、その中でも「つまらない」という感情を言い表すための自分の語彙力の無さに失望しました。教えてシソーラス。

非常に質が悪いポイントとして全てが(監督の中の何か得体のしれない)法則に乗っ取って作られているせいで視聴後、私は内容の8割を覚えていませんでした。話の種にもできない腐ったどんぐりという表現がピッタリかもしれません。

エンドロールが流れた瞬間に私は幸せの意味を再認識し、それと同時に貴重な休日と金を捧げた虚しさが、日曜独特の気だるげな赤い夕暮れと藍色の帳を広げつつある薄月の狭間で揺蕩いました。時間は有意義に使いましょう。


感想のためには視聴という拷問を最初から受けなくてはいけないので、正直評価自体をやめようかとも思いました。ウンコをどれだけ凝視したってウンコはウンコですし、デビルマンほどのインパクトがあるわけでもないので。
しかしこの映画、知名度が妙に低いせいで値段が下がり切っておらず、中古でも25円します。つまり未視聴・未購入の方への忠告の意味も込め、あえて火中の栗を拾いに行く馬鹿も必要なのではとの考えにいたったのです。何も知らなかった当時の私は150円で買いました。ふざけるな。どうしてもDVDが欲しいという方は健康被害が出た時に備え保険に入り、危険物処理の費用として出品者から金をせしめましょう。当然の権利です。このカラス避けに金を払う道理はありません(※個人の意見です)
蛇足ですが新品だと4935円(発売当時)だそうで。こわっ!

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