DOKKARS REPORT Episode2 JAPAN EV フェスティバルに行ってきた!(前編)
12月5日に東京国際交流館(お台場)で行われたJAPAN EV フェスティバルに行ってきました。これまではサーキットやテストコースで行われてきたイベントでしたが、今回初めて都市型EVフェスティバルとして都内で行われました。このような状況ですが、主催者側の感染対策がしっかりしていることを含め、リスク管理をしながらの上京となりました。宿泊したホテルでは、一回のファミレスからルームサービスを届けてくれるなど、新型コロナの影響の中で新しいサービスをめぐる生存競争が始まっていることを強く感じる場面が少なからずありました。
東京の過密を避けてたくさんの人が地方を志向するという話も耳にしますが、サービスへの創意工夫という点では東京はやはり秀でています。一時的には地方への流れやローカルへの関心が喚起されるかもしれませんが、東京の引力が弱くなることはなかなかないと感じました。
気候非常事態宣言EVシンポジウム
まずは気候非常事態宣言EVシンポジウムに参加しました。
かなり広い会場でしたが定員は50名に制限されていて、それ以外の方々は外のモニターかリモートでの参加ということでした。事前予約をしておいたので無事に入ることができました。
基調講演は「気候変動の現状」というタイトルで、講師として東京大学大気海洋研究所教授の木本昌秀さんがお話されました。実を言うと私自身は地球温暖化そのものやCO2の影響については懐疑的なところもあります。100年前からの気温の推移についても100年前の気温をどのように測定したのか?その頃の温度計や計測方法は正確なのかについて疑問も残るし、来週の天気も確実に当てられないのに気候変動についての予想は当たるのか?という疑問もあります。などなどいろいろクエスチョンマークもありますが、諸説ある中の有力な可能性の一つとして温暖化に備えることに対して声高に反対はしません(笑)。
会場に来ている皆さんは日本において不遇の扱いを受けているといってもいいEVに情熱を傾ける皆さんですから、EVの普及と親和性の高い気候変動については非常に関心が高いようでした。あまりの熱気に、お集りの皆さんの熱で地球の温度が上がるのではないかと心配になるほどでした(笑)。
冗談はさておいて、個人的にはマイクロEVで地方の移動をバージョンアップしたいと考えている私にとっては、気候変動への意識の高まりや、この対応としてEVの普及を進めていこうとする政策は歓迎すべきところです。CO2の問題を抜きにしてなぜEVなのかについてお話しすると長くなるので、そのうちここでも書いてみたいと思います。
というわけで、東京大学大気海洋研究所教授の木本昌秀さんのお話を伺っても、まだまだ自分の中にある疑問は残ったままでしたが、それでも学ぶところおおい講演でした。
この後、環境省、経産省、自動車メーカーとスピーチが続きましたが、小泉環境大臣のサプライズ出演が無いのを確認して、試乗会へと向かいました。
3車種に試乗してきました
感染対策として試乗もかなり制限された中で行われました。時間をおいて一人ずつの試乗となるので、各車種それぞれに整理券をもらって順番を待つ形でした。当日はあいにくの雨であったことと、そもそも新型コロナの影響で来場者も多くはなかったということで、私は画像の3車種に試乗することができました。
中でも話題のホンダeは最後の一枚の整理券をゲットすることができてラッキーでした。試乗そのものはディーラーなどでもできるのですが、一日で何車種にも乗ることが難しいなかでこうしてEVが一堂に集まっている機会は私にとってありがたいものです。そして何よりも、試乗の際にモータージャーナリストの方が同乗してくださっていろいろ説明してくれるのが今回の企画の面白いところでした。私はまるも亜希子さんと片岡英明さんに同乗していただきました。写真はホンダeに乗った時のまるもさん。
今回はアウディe-tronとBMW i3とホンダeの三車種に乗ることができました。10分程度の公道走行でしたので十分に車を味わうことができたとは言い難かったのですが、確実にわかることは
同じ電気自動車でも高級EVとコムスは全然違う!ということでした(笑)
当たり前ですね。アウディe-tronにいたっては1,327万円からというおねだんなのでコムスが15台買えてしまいます。しかしバッテリーから給電してモーターで走るところは同じなので、走り出しの雰囲気がいわゆるエンジンのクルマと違うところは似ています。むしろ今回面白かったのはe-tronとi3を比較するとモーターの特性の違いを感じるのが(少なくとも私にとっては)難しいということでした。EVはそれぞれのメーカーの個性をどのように打ち出していくのかについて新しいチャレンジをしなければならないということです。エンジンサウンドやエキゾーストサウンドというものはもはや存在しません。公道走行ではハンドリングの差異を感じるような場面もなく、BMWの「駆け抜ける歓び」などは今後どのようにして表現されていくのか楽しみなところです。
電動であること以外に目新しいところでは、カメラ型のサイドミラーでしょうか。こんな感じで慣れるのに少し時間がかかりそうですが、雨の日などはかなり視界が良くなると思います。カメラと液晶パネルの位置関係はこんな感じです。
ホンダeは本当にすごいのか?
EV分野については海外メーカーの後塵を拝しているといっても過言ではない日本の自動車メーカーの中で、最近話題になったのがホンダeではないでしょうか。私も乗ってみたいと思いつつなかなか機会がなかったのですが、今回無事に市場と相成りました。
これが私の乗った車体です。写真を撮り忘れましたがこのクルマもサイドミラーとしてカメラが付いています。右奥の白いコートの方がまるも亜希子さんです。
まずはこのエクステリアから私の感想を言わせてもらうと、あんまり好きじゃないんですコレ。メーカーの方も自画自賛するし、まるもさんも可愛くていいと思うとおっしゃっていたのですが、私はあんまりそう思わない。理由は450万円オーバーのクルマの出で立ちではないということです。これがもう一回り小さくて、200万円台前半ぐらいから買える車だというのならばわからなくもないのです。FIAT500やMINIのような感じでしょうか。ホンダのNシリーズのデザインの流れなのかもしれないのですが、もうひとひねりほしかった。
インテリアについては、全面液晶パネルで斬新なデザインだという印象でした。しかし、ここにも問題が。そもそも自動車のインパネ周りから私たちが取得すべき情報として第一に重要なのは速度や走行可能な残りの距離といった基本情報。で、その次に重要なのがナビゲーションで、加えて様々な警告シグナルや音響システムという感じでしょうか。となると、助手席側まで全面液晶パネルにしてしまうとスペースが余ってしまいます。実際に始めに乗ったときはこんな感じで一部はブラックアウトしていました。(画面中央やや左)
で、停車後にまるもさんが「こんなこともできるんですよ」といって教えてくれたのがコレ。
液晶が水槽になって、タップするとそこに魚のえさがポップアップされて魚が食べにくるというアクセサリー、、、いる?これ。
という感じでした。
e-tronのところにも書きましたが、ドライビングフィールは静かでトルクフルなところに一通り感動したら、それ以上を感じるのは10分では難しいのが正直なところです。
450万円~490万円のお値段ということで、これは裕福な大人のおもちゃという感じでした。もしも5年前にこのクルマが市場に出てきていたらもっと感動したし、イノベーションを感じたかもしれませんが、2020年に日本でわずか1000台しかこれを売ることができない日本の自動車メーカーは素人の私からすると危機的なんじゃないかと思ったりしてしまいます。
10年前はすごかった日本のEV
この写真のクルマはなかなかかっこよくないですか?
実はこれ、横浜ゴムがマツダロードスターを改造してEV化したものなのです。エンジンではなくなるので冷却システムが一部不要になることで新しく利用できるようになった素材を用いるなど、デザインを含め本当にイケてるクルマです。さらに驚くのはこれが作られてから約10年が経過しているのです。そのころにはEVの波がこうしてやってくることは予想できなかったのでしょうか?あのころの勢いなら日本からテスラが生まれていてもおかしくなかったのではないかと思いますが、現実はそうなりませんでした。
JAPAN EVフェスティバルの開催直前に2035年にはいわゆるエンジンを搭載した新車を販売することができなくなるというニュースが流れ、これを書いている本日、それに先んじて東京都が2030年には先行してこれに取り組むというニュースが報じられました。
もちろん既存の自動車をEVに置き換えていくことも大切な取り組みではありますが、もうそれだけに固執していては世界とは戦えないのではないかと思います。EVに乗るというのは単にクルマを新しくするということではなくこれまでのライフスタイルを疑い、新しいライフスタイルを手に入れるということでもあるはずです。そしてその新しいライフスタイルの集合体として、社会が変革していく。クルマ社会の延長線上にはないEV社会の構築こそ求められているはずです。そして暮らしフィットした新しいクルマの一つとしてマイクロEVという可能性を追うことの重要性を私自身は世に問うていきたいと考えているのです。
今回のイベントではそんな同志が少なからずいることを知り、勇気づけられました。名刺交換をさせていただき、私が作成した資料もお渡ししてきました。またどこかから声がかかることを期待して、後編に続きます。
後編では、EVベンチャーのご紹介とイベントの後に足を運んだTOYOTA MEGAWEB(トヨタ メガウェブ)の様子をレポートします。お楽しみに~
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。