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DEAD ENDへの進入は必ずしもストリートライディングの美ではない。 - PART1

自分の映像の感想文なんて自己陶酔以外のなにものでもないと思われるかもしれませんが、そもそも個人プレーのBMXではオナニーが前提なので、気にせずやっていこうと思います。
オナニーだからこそ「ああすればよかった」という反省もできますし、映像に納めた「あの時の自分が考えていた(であろう)こと」を振り返り、記憶をもとに辿って評価できるかと思います。

そうすることで、日本のストリート(街中)で乗って撮影されたBMXの映像をあまり見なくなったいま、自分が追い求めるBMXストリートライディングの美学を言語化し、読者の方に少しでも伝えられたらいいなと思ってます。


第一回は、昨年秋にDIG BMXから公開された映像、ALIVE INDUSTRY 2022 - WELCOME TO THE TEAMから。
冒頭、0:36 ~ 0:45のウォールライドから入るライン。

まず反対車線から進入するウォールライドで始まり、中央分離帯を横断するかたちで次のレッジに向かえるこのラインは、「街を広い目で捉えて有効活用する」という点でかなり胸熱なスポットでした。

そして分離帯の段差を降りると同時に自重を利用してペダルを踏み出し、効率良く速度を上げる。
やってて気持ちいい、観ていて気持ちいいリズムで漕ぎ出す、「漕ぎの美」の点で高評価。何度も何度も挑戦して漕ぎ幅(漕ぐ回数と強さ)を見つけ出すのに相当な時間をかけてしまって、フィルマーのD氏には申し訳なかったと思いますが、結果良かったなと。

そして適度に速いスピードに乗り始めて反対のブロックに入ったところで、ギャル2人組みが目の前に。
ストリート(街)で乗っていますので、人や車の往来はつきものですから、臆することなく、自分の走行ルートと彼女らの歩行ルートを交差させます。
人や車を上手く避け、その時にしかない瞬間に撮影を決めきる、これもまたストリートライディングならではの面白さということで、ナイスタイミングなギャル達に感謝。

陰キャな僕としてはナンパするよりも華麗にかわす事に専念し、ギャル2人組を避けたところでビルの駐車場入り口へと曲がっていくのですが、この「曲がる美」は尊敬する先輩ライダーに昔教えてもらい、いかに曲がれるラインを見つけるかということに執着した時代もありました。
映像を観た時、人や車、建物で構成されるその景色の変化が楽しめるから、というものです。
そしてAのセクションからBのセクションへ、真っ直ぐなラインでただ技を決めるだけではなく、間に「曲がり」を入れることでトリックなしでフローのようなものを生み出す、飽きさせずに少し時間を稼ぐ小技でもあります。ある意味トリックか。
よって、AからBまでが少し長くて間延びしそうな時でも、そこに楽しめる間隔を作り出せるのです。
ストリート(街)で乗る以上、先述の「街を広い目で捉えて有効活用する」を念頭に乗るのは理にかなっていますし、トリック自体の凄さ以外で勝負する身としては必須の考えになってきます。

そしてビルの敷地に進入(侵入)したところで、ここまでのトリックレベルとセクションの難易度で構成される1クリップには適度であろう高さと長さのレッジにアタック。
そもそも技数が少ない僕ですが、これだけは他にやってる人が少ない!と自負する、アンラッキーグラインドからのポップオーバーを選択しました。
滑りも悪くなかったし、このスピード感なら真っ直ぐ抜けて終われるトリックが良いだろうと思いのこれで、火花も散り、大理石の上面と側面を引っ掻く音が気持ちいい爽快なクリップ。

しかし。。。

っていう入り方を定番化させようかな。
悪くないですよね、テレビ番組のお決まりの流れみたいで、少しいやらしい感じ。

ここからがストリートライディングの美学をベースにした「物申し」な訳ですが、前提として、当時のアタマと今のアタマで自分の美学はさほど変わっていないもので、心の底から本当の満足ができたカットではないんです。

負け惜しみっぽい一言、物申される前の完璧な展開。

というのもこれ、着地した後は駐車場に降っていくしかないんですよ。
着地したあとすぐ右に曲がれるルートもあるんですが、無論、スピードに乗り過ぎていてそれも叶わず。
そのまま降っていけばまだいいものを、柱にぶつかりそうになったかのように足をペダルから離して緊急停止。
ここまで完璧にきたのに最後、スムーズな流れを急に塞き止めてリズムが台無し。

言い訳をすると、だいぶ疲弊していて駐車場へ降りるのがめんどくさかったのと、自分の中でメイク(成功)じゃなかった可能性があり、それまでのトライの流れでまたすぐスタート地点に戻ろうとした為の緊急停止だったはずです。
もう戻れないですが、あの時あれでOKを出してしまった自分が悔やまれます。
それでも映像としては良さそうだね、なんて具合でOKっしょってノリも悪くはないんですが。

しかし、そもそも駐車場に降りるのが何故アウトなの?
ヒント、というか答えはタイトルに書いてありますが、ここで詳しく書くと長くなりますので、次の投稿で。

キーワードは、”行き止まり”。

PART2を投稿したので、ここに貼っておきます。


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