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焼きそばの概念が変わる それは「富士宮やきそば」

私の友達が静岡県富士宮市に住んでおり、その友達の紹介で、富士宮に行くことになった。富士宮は都内からだと車でも電車でも行きやすく旅行をするには程よい距離だ。富士宮といえばB級グルメ「富士宮やきそば」が人気で
富士宮の特集があると必ず富士宮やきそばが話題として出る。

【富士宮焼きそばとは】
見た目は普通の焼きそばと変わりませんが、一口食べればその違いは歴然。コシが強く噛み応えのある麺に、肉かすやイワシの削り粉の風味が香る独特の味わいが特徴です。

【富士宮焼きそばの特徴】
小麦粉と水で練って麺を蒸した後、一般的な製法ではもう一度ボイルするが、富士宮の麺は強制的に冷やし、油で表面をコーティングする。そのため、水分が他の麺に比べ少なく、コシのある麺ができ、食感に違いがでます。

【富士宮やきそばの特徴 12箇条】
①市内にある4つの製麺業者の富士宮やきそば蒸し麺を使用している
②炒めるための油としては、ラードを用いる。
※天然素材の食物油を使う店もある。
③やきそばに加えるのが、ラードを絞った後の「肉カス」
④ふりかけるのはイワシの「削り粉(だし粉)」
⑤キャベツは、富士宮の高原キャベツ。それも、水分が少なく
 歯ごたえのよい「秋キャベツ」が良とされる。
 (キャベツ以外にネギやもやしを入れる店もある。※ネギ入り=昔風)
⑥ソースの味や量については、各店でのこだわりがある。辛口ウスター
 ソースの店が多い。
 (数種類をブレンドして独自の味を出している店が多く、内容は企業秘密)
⑦添えるものは、紅ショウガが多いが、これも店それぞれ
⑧トッピングは、イカ、タコ、エビ、卵、肉、ホルモンなど各店で工夫して  
 おり、好みに応じて対応
⑨水は、富士山の湧水を用いる。調理の際の水加減が、コシの強さの重要な
 ポイントである。
⑩厚くて大きい鉄板を用い、火力が強くなければおいしくない。
⑪焼き方は、店の主人が焼いて出す店、客が焼く店、どちらも可という所が
 ある。初めての人は、焼いてもらうことをおすすめ。
⑫食べ方は、鉄板で焼いたやきそばを皿に盛って出すところや、熱い鉄板で
 温めながら直接食べる所があり、これは好き好き

以上の調理方法を基本に各店毎に、味付け、焼き方、トッピングなど工夫している。

【富士宮焼きそばが蒸し麺になった理由】
蒸し麺が出来た経緯は定かではないが、戦後、富士宮市の商店街には山梨県の身延線沿いの人たちが、買出しに来て賑わってた。買出しに来た方は、手ごろであるやきそばを好み、地元に持ち帰っていた。そうした人たちや「洋食屋」のために、当時、冷蔵庫などがなかったことから、製麺会社はなるべく日持ちがする麺を思考し、極力水分を除くことができる蒸麺製法を考案しました。

【そもそもやきそば屋ではなかった】
やきそば屋と言っても、お好み焼き屋のことであり、古くは洋食屋と呼ばれ、駄菓子屋の一角に鉄板を設け、お好み焼きを焼いていた店のことである。

【富士宮やきそばの歴史】
かつて、富士宮市は大正、昭和時代の初期、表富士登山口として登山客が多く、そのため旅館等が数多くあり、浅間大社を中心に町が賑わっていました。また、オーミケンシをはじめとした製糸業が発展していたことから、そこで働く若い女性や従業員なども多く、まちなかが交流の場として賑わっていました。
お好み焼きは、そうしたまちなかの駄菓子屋の一角などで始められ、価格は手頃で、気軽に食べれる食べ物として子どもや製糸業で働く女工さんたちに好まれ、ソース味が珍しかったことからお好み焼きを出す店は「洋食屋」と呼ばれ親しまれてきました。
戦後になり、中国に赴いていた人達が帰還し、中国で味わった忘れることのできない味の麺類を見様見真似で開発し、その一つがやきそばでした。戦後の食糧不足の時代でも、野菜があれば少量の小麦粉でできるやきそばは市民に手頃な食としてもてはやされ、洋食屋では、お好み焼きのほか、やきそば、焼きうどんなども始め、まちかどのいたるところに店が立ち並び、市民生活の中に根付いてきました。

友達に紹介されて富士宮焼きそばのお店に行く。結構店内は混んでたが友達のお父様が店主さんと同級生だったため、お忙しい中でも気をつかって焼きそばを作ってくれたのは嬉しかった。
なんやかんやしているうちに焼きそばが出来上がり頂くが、初め麺の食感に驚いた。蒸し麺のコシのある歯ごたえに、ラードと肉カスが実にあう。
またふりかけるいわしの削り粉と富士宮の高原キャベツのシャキシャキ感がたまらない。食べてから「今まで食べた焼きそばは何だったんだろう」と
焼きそばにこれだけの感動が詰まってるとは思わなかった。
初めて富士宮焼きそばを頂いてから早15年、あれから普通のソース焼きそばが食べれなくなってしまった。今では焼きそばを食べる時は塩焼きそばしか食べてない。

B級グルメは値段が抑えられておいしいというイメージがあるが長年かけて研究した哲学や、その地域の伝統、大地の恵みがあるからこそ今の時代でも「おいしい」と受け継がれるのではないのかと考える。

本日はお読み頂きありがとうございます。

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