バーチャルシンガー「石燕霊歌」の在り方
※このnoteにはバーチャルシンガー「石燕霊歌」に関するメタ要素が多く含まれております。苦手な方はブラウザバックをお願い致します。
■今年9月にデビュー
来る2019年9月27日、バーチャルシンガー石燕霊歌(Project SekieN)はオリジナル楽曲でのバーチャルシンガーデビューを果たしました。
Guest Illustration - ぎし(@gishi2186)
新たな形のバーチャルシンガーとして、石燕霊歌という存在を創っていければと思っております。
■Project SekieN とは
サウンド全般担当の「grief art」とボーカル含む声、Twitter運用担当の「クバレ」で「石燕霊歌」というキャラクターをテーマに音楽制作を行うユニットであるという解釈が一番近いと考えています。
もちろん、「石燕霊歌の魂」は「クバレ」という事に他なりませんのでご安心ください。あくまで解釈によるものです。
現在正式メンバーのイラストレーターはおらず、楽曲に合わせてゲストイラストレーターという形でイラストの外部発注を行っています。
■架空の存在であるということ
石燕霊歌の声を募集する際、「魂を募集する」という形をとりました。
また、石燕霊歌はバーチャルシンガーであり「バーチャルYouTuber」です。
しかし、明確に「彼女に中身がいる」というと齟齬があるように私自身は感じてしまいます。
石燕霊歌という存在の歩みを「Project SekieN」が綴っていくという解釈が近いのでしょうか。
「いる」けれど「いない」。そういった曖昧な存在が彼女の象徴です。
■霊歌は「人」ではない
石燕霊歌という存在は人間ではありません。
設定上、彼女は「狐面に宿った魂」であり、それをいわゆる「付喪神」と呼称します。
つまるところ、彼女の本体は頭にある狐面なのです。
石燕霊歌の「石燕」は妖怪画集『百器徒然袋』の著者「鳥山石燕」から引用しています。これはこの画集の中にある「面霊気」が彼女と親しい存在であると定義したためです。
■「付喪神」という設定を選んだ理由
彼女のビジュアルをご覧頂ければわかる事ですが、たとえイラストの中に「狐面」がなかったとしても「石燕霊歌である」と理解出来る特徴を多く付与しました。
※髪型、イヤリング、ベルト型のブレスレット等。
これは「狐面よりもそこに宿った存在が重要である」という意味からです。
最近は若干落ち着いたかと思いますが、昨今バーチャルYouTuberといえば、「魂の交代」や「魂の匿名性」が物議を醸していました。
交代により降板となった魂は彷徨い、現実に還る、別の場所に宿るなど、様々な後日談を耳にします。
何故このような内容が議題に上がるのか、少し考えれば明白ですね。
バーチャルYouTuberとしての姿形(面)ではなく、そのキャラクターとして活動している本人(魂)が愛されているからです。
見た目が同じでも、魂が違えば別人。私自身もこれには同意です。
また、活動している当人は他の仕事を得る際の実績に出来るのか、否か等の話も耳にしたことがあります。クリエイター側に立つ人間として、この問題は場合によって深刻だと思います。
この「魂の交代」や「魂の匿名性」には疑問を持ちつつ、私も「バーチャルYouTuber」を好んで視聴してきました。
そして以上の考えから、大切なのは狐面そのものではなく、大切にされた事によって宿った魂だ。そう考え、石燕霊歌の正体は「付喪神」という設定に落ち着きました。
■石燕霊歌という存在の意味
上記にも記載しましたが、彼女の存在そのもので「魂の匿名性」や「魂の交代」の問題提起をしているつもりです。
また、石燕霊歌、もといProject SekieNは「場所を準備する」事に重きを置いています。魂の募集の際も
「今後大きめの活動予定がある」
「既に個人でバーチャルYouTuberとして活動している」
「既に大きな数字を持っている」
「明確な活動場所がある」
これに該当する方はある程度意図的に選びませんでした。
石燕霊歌は場所を準備する為にある存在だからです。
昨今、歌ってみたカテゴリはただ投稿するだけでは全く伸びない環境にありました。
他のカテゴリと比較しても「視聴者」に対しての「活動者」の割合があまりにも多い事が原因だと私は考えています。
そういった人の為に準備した「場所」という考え方を持っています。
今後の動画に関して言えば、VOCALOID楽曲のカバーは毎回違うイラストレーターに発注したいと考えています。これも「場所を準備する」という石燕霊歌の在り方と言えるのではないでしょうか。
もちろん、私自身が「石燕霊歌」という存在を創り上げたかったという想いが一番強いのは間違いありません。
■今後の活動内容
Project SekieNは歌ってみたとオリジナル楽曲動画の投稿をメインに活動を行っていく予定です。
ただ、それだけではなく石燕霊歌の印象を強くするような朗読や怪談も企画しています。
一般的に行われているトーク配信やゲーム配信等も行うかもしれません。まだ未定です。
音楽だけではなく、いろいろな分野に石燕霊歌を広げていければいいなと思っています。
■最後に
彼女は曖昧な存在です。
認識されなければ消えてしまう、生きた人間よりも儚い存在です。
どうか彼女の姿をその目で見て、彼女の声をその耳で聴いてあげてください。
魂はこの狐面に宿り、とうに生まれてしまっているのですから。
だからどうか、彼女を大切にしてください。
Project SekieN - grief art