【金魚】肉瘤穴あき病を治療する
肉瘤穴あき病とは
通常の穴あき病と違い、オランダやランチュウの肉瘤部分に穴が開く病気である。
肉瘤以外にできる穴あき病とは別の病気。
ある日突然、病変が現れる。毎日観察していたつもりだったが、突然肉割れが発生した。
金魚自体は元気もあり、餌もよく食べるが、放置すると突然死の可能性が高い。
病変
金魚のにきびと間違えやすいが、肉瘤部分に穴が開いたように見えるのが特徴。
水温19℃、導入直後のストレスが原因か。
1回目の換水直後に発見。
非常にわかりにくいが肉瘤に穴が開いている、裂けていると見える場合は、肉瘤穴あき病を疑う。
下は、ニキビ。赤くなっていたので、びっくりしてしまうが問題ない。
治療法
有効な薬は現状ないが、33℃へ加温することで高確率で回復する。塩は入れない。
病気が進行する前に迅速に加温することが求められるが、個体が加温ストレスに耐えられる事が条件となると思われる。
なるべく水量を確保した飼育ケースに隔離する個体を水合わせをして投入する。個体サイズにより30~50リットル程度が望ましい。
ヒーターによる加温を実施する。3℃刻み程度で、2~3時間、様子を見ながら時間をかけて33℃まで加温する。※2歳15センチ程度のオランダショートテールは12時間程度で19℃→33℃まで加温した。
33℃以上の状態を維持する。金魚の様子を見ながら34℃まで加温しても良い。
病変が完全になくなるまで33℃以上を維持する。3日1度、水替えすること。
完全に病変がなくなってから1-2日程度維持し、減温する。減温は1日2℃まで。
経過
加温を開始、できる限り様子をみながら加温した。少量の餌をやり、餌食いの様子を見ながら行った。
特に苦しそうな様子もなく順調であったので、比較的スムーズに33℃まで加温できた。場合によっては、十分にエアレーションをするなどして24時間程度かけても良いかもしれない。今回は特に問題がなかったので、病気の治療を優先した。
1日目
加温開始前はこのような状態。突然病変が現れたので怪我かとも思ったが、肉瘤穴あき病である。
加温開始~24時間でどんどん赤い充血部分の色が薄くなっていくのがわかる。
2日目
痛々しかった患部が2日目にしてほぼキレイになる。
若干赤い部分が残っているので33℃をキープ
3日目
赤い部分がなくなり穴も塞がる。
もう心配ないとのことで減温準備。
33℃で24時間、患部の変化が無い事を確認してから減温開始
減温~5日目
減温ストレスで再発も心配されるが今回は、特にトラブルなく減温が進んでいる。水替えは3日に1回実施。
再発について
肉瘤穴あき病については、現在下記の予測が立っています。
感染性であること(水を混ぜることによって発病の可能性があります)
同じ個体でもストレスを感じると再発すること
肉瘤穴あき病については、状態が良くても耐性のない個体に感染し、発病します。
同じ個体でもストレス(水温差や水質の変化)を感じると再発します。発見が早ければ昇温によって改善します。(1日程度)
何度か繰り返していると、病変がニキビなのか穴あきなのかすぐに見分けることができるようになります。赤くじゅくじゅくし、肉瘤が凹んだように見える場合は要注意です。よく観察していると穴となる前の病変が発見できると思います。
発病後の鑑賞性
病変が大きくなればなるほど病後の鑑賞性が下がります。肉瘤の形が大きく変化してしまい場所によってはかなり見た目が変わると思います。
但し、時間経過とともに自然な形に戻っていきますので、大切に飼育してあげましょう。