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往来にて

母が私を褒めるなんて
そんなことあっただろうか
あったんだけど
きっとあったんだけど
なんだかいつもアタシの
妨害をするからそんな風な
記憶しか残らなかったのだろう

有るとき珍しく久々に母と並んで出かけることにした
ことにしたというか
まぁ珍しくそんな日もあった
夏が年々長くなりもうお彼岸ってのになったのに
暑さが厳しいそんな日だった
やっぱり珍しく
向かいからこのあたりには似つかわしいような
おしゃれでインスタ映えしそうな雰囲気の女性が
まー驚き
母の知り合いの女性でどうも二人は仲がよかったのか
わたしにとっては初対面の人だから粗雑な位の会話リズムが
なんだか不自然にかんじた
そこに珍しいことが起きた
娘さん インスタ女はそういった
母はとても自慢げに私を紹介した
なに!わたしは以外と嬉しくなった

あたし母に粗雑にあつかわれてるときめつけてたから
気づかなかったけど
本当は結構母の自慢の娘だったんだ
嬉しくてしかたなくなった
でもさ
からくりは違った
わたしが自慢の母の理由は
そう
母は私は一人じゃないの
子供が居るのって
自分にはこれがあるってひけらかしただけ

そうなんだ絶対
私はそんな親子を沢山しっている
だって今わたしは独り身だから
だからよくわかるのよ
ああ外出のときだけ
仲よさそうな親子
みえみえなのよ
あの親子
だけどね
だけど
あたしそれでも
外出のときだけでも
私を自慢の娘だと扱ってくれる
その時間はすごく嬉しくて
私の思い出の中で
とても大切な時間には
変わりないの

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