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ベルリン Showtech セミナー

ロンドンのABTTショーを見た後、アムステルダムにユーロスターで移動して、
ベルリンのSHOWTECのセミナーへ来ました。SHOWTECHとは、二年に一度開催される、ドイツの舞台技術者協会(DTHG)主催の見本市です。残念ながら見本市は終わっていたので、セミナーのみの参加。

写真:歴史がありそうな赤煉瓦の建物が会場でした

今日はTheatre Green Bookについて、新素材の開発ネットワークとカーボン計算についてのセミナーがありました。カーボン計算は次の電車の関係上、受講せずです。

今回のヨーロッパでのリサーチは、全て陸路移動です。(リサーチによるCo2排出を抑制する目的) という計画でしたが、残念ながら1番最後の帰りだけ、ユーロスターが予約出来ず飛行機移動となりました。

Theatre Green Bookについて

シアター・グリーン・ブックはイギリスで生まれましたが、ドイツの舞台技術者協会が、翻訳し、ドイツの業界に合うように内容を書き換えているそうです。ドイツではこのDTHG (Deutsche Theatertechnische Gesellschaft) が中心となってGreen Book のパブリケーションを行っています。

ドイツ・オーストリア(ドイツ語圏)とイギリスの演劇は色々なことが大きく異なるのですが、グリーン・ブックが関係する1番大きな違いはやはりレパートリー制かどうかが大きいかと思います。

レパートリー制:ドイツ語圏(主にドイツ・オーストリア、スイス一部)の劇場では、製作されたプロダクションは劇場のレパートリーとなって、時期を空けて何度も上演されます。例えば、以前私が研修に行っていたドイツの児童青少年のための演劇を上演する劇場では、年間30作品が取っ替え引っ替え上演されるスケジュールになっていて、新作は6作品ほど年間そのレパートリーに追加され、古くなったり、俳優の関係で上演できなくなった作品と入れ替えて、常時30作品ほどストックがあるというようなシステムです。これは、劇場に専属(フルタイム)の俳優を雇っている、そして公演に必要なものをストックする場所とメンテナンスする人材が劇場に備わっている為可能なシステムであり、イギリスや日本では一般的ではありません。

用語解説

ドイツでは、すでにレパートリー制が一般的なので、Green  Book 1のサスティナブルなプロダクション製作の基準はかなりクリアできているであろうという話。

そして、劇場がどこもとても古いので(築100年くらいはざら)、その建物の断熱、暖房、クーリングといった建物維持のエネルギー消費が大きな問題であるという話がありました。

ドイツ版Green Bookはまだ読んでいないので、どのくらい変わっているのかは追って調べたいと思います。

ドイツ語版グリーンブックの写真です。
製本して会場で売っていましたが、WEB上で無料で読めます。本の素材は再生紙ぽかったです。

新素材開発グループのプレゼン+他ヨーロッパの動き

StuFFという舞台美術、装飾美術のためのサスティナブルな素材を開発研究しているグループ
シンポジウムのトークの様子

StuFFというプロジェクトの発表がありました。舞台美術家による大学連携の新素材開発チームのプロジェクトです。

StuFF Website  クリックすると開きます。 (ドイツ語/英語)

これまでに見つけたエコマテリアルが一覧で表示されます。供給元も書いてありますが、主にドイツの会社がメインです。

開発中のプラスチックスキャナー

プラスチック片からどのプラスチックが使われているか、分かるそうです。

参考書の一覧

いやー、知らない本もいっぱいありますね。昨年、今年とサスティナビリティ、サーキュラーエコノミーと演劇についての新しい本もたくさん出ています。

舞台美術家が素材の調査研究を行うのは、とても意味のある事だと思います。
これまで舞台で使う素材は、建築材料などを流用してきましたが、舞台の使用の特性に合う新しいエコ素材が生まれるととても面白くなりそうですね。

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