座・高円寺 環境とシアター・グリーン・ブック講座 レポート
7月10日 座・高円寺で働く方、座・高円寺で学ぶアカデミー生を対象にした環境講座が開催され、講師として大島が参加しました。前半1時間は講義の時間、後半1時間はグループディスカッションを行いました。
講義パート
まずは、地球温暖化について知ってもらいたいと、下の世界地図をみていただきました。仮に地球の平均気温が1900年から4℃上昇した場合のシュミレーションです。地図の黄色い地域は砂漠化していて、緑のエリアのみ農作ができるという予測地図です。このまま有効な対策がとられず、気温が上昇し続けると、日本では農作物が育たないという環境にもなり得るということが読み取れます。
次に、シアター・グリーン・ブックについて、今回は「持続可能なプロダクション製作」と「持続可能な運営」について簡単にスライドを用いて説明しました。
そして、イギリスとヨーロッパの実践例を3つご紹介しました。
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー グリーンプロダクション
「Tempest(テンペスト)
Reset Scenery (リセット・シーナリー)
NT Gent (エヌティ・ヘント)
グループディスカッション
後半は4~5名のグループに分かれて劇場の中で行われる日常の業務
を振り返って、2つのお題について話し合いしていただきました。
1. 現状:これまでに実現できている環境負荷を減らすアクションは?
2. 近い未来:2024年中(あと半年)にできそうだと思う取り組みは?
現状できていること
楽屋のお湯のスイッチを必要な時だけ入れる
屋上にローズマリーを植え緑化している
ゴミの分別をきちんと行う
トイレの水は雨水を利用
備品の共有化をすすめる
他にも多くの工夫が大小ありました。今できていることをみんなで確認しあえる時間になりました。(日常の業務の中だとできていることを再確認する時間はなかなか取りにくいですよね)
近い未来 (2024年中)できそうなこと
文房具など、地元の業者さんに注文が可能なのでは?
通常だと明るすぎる稽古場の蛍光灯のフェーダーを、テープで止めて明るくなりすぎないようにする。
電気の使用量の周知をより徹底する。
エレベーターが2基あるが、急いでいると2つとも押してしまう。乗るのは1基だけだから、その分の無駄を減らすように気をつけたい
紙の会議資料をPDF化してデータで共有することを増やす。
他にも各チーム様々な場面のアイデアが出て、大変盛り上がりました!
2番のような具体的なアイデアですが、日常の忙しい業務の中、アイデアを思いついた人がすぐに実行できるかというと難しいと思います。仮に自分が責任者でなければ、思いつきを自分以外の人に説明して納得してもらった上で実行するのは大変です。でも、今回のようにまずみんなで課題を共有した上で提案された場合はどうでしょう。アイデアをその場にいる人に提案し、その場で同意を得ることまでが可能、あとは協力を募って実行するだけになります。また一度課題を共有しているので、新しいアイデアも会議で出しやすいのではないでしょうか?
劇場に限らず、組織の環境負荷軽減を具体的に実行していくためには、今回のような講座とディスカッションの時間が最初の一歩としてとても有効だと実感しました。
追記:講座が終わって1ヶ月、劇場のある職員の方とお話ししたところ、会議のために印刷される資料が目に見えて少なくなったそうです。毎日の業務に講座が生かされていると伺って大変嬉しく感じました。
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