なぜ現職の小池百合子よりひまそらあかねを推す人が多いのか
ひまそらあかねと小池百合子は真っ向から対立している2人です。報道が異常に消極的なこともあってあまり知られていませんが、ひまそらあかねは東京都知事である小池百合子を相手取って10件以上の住民監査請求を通し、公文書の開示に関して国家賠償請求訴訟も起こしています(地裁勝訴、高裁判決は今週中に出る?)。
極めて単純に捉えるなら、ひまそら小池両氏のどちらに理があると考えるかで投票先も変わってくるはずです。もう少し複雑に捉えるなら、公文書の開示姿勢やその大元である女性支援事業の是非だけでなく、その他の都政に対する評価も関わってくるでしょう。
この記事では小池都政とひまそらあかねの公約や姿勢に焦点を当てて比較してみたいと思います。ただ小池都政は8年間も続いているため、そのすべてを列挙するのは困難です。ひとつひとつを精査するよりは、なるべく最近のもの、あるいは都知事として一貫した姿勢を出しているもの、重要と考えられるテーマに絞ります。
有り体にいえば、消去法で小池百合子に入れようと考えている人に対して疑問を提起する記事です。
公約について
都民ファーストの公約削除
報道が異常に消極的なこともあってあまり知られていませんが、2023年2月、都民ファーストの公約がこっそり削除されているのが発覚しました。
削除された公約には「のり弁をやめます」「黒塗りの公文書を改め、徹底的に情報公開します」という記述が基本政策02として掲げられていました。
では実際に開示請求された公文書はどうだったか。
繰り返しになりますが、公約には「のり弁をやめます」「黒塗りの公文書を改め、徹底的に情報公開します」という記述が基本政策02として掲げられていました。
都民ファーストの公約は実行されていないばかりか、それを「実現」とし、その後まるごと削除しました。嘘つきと断じていいでしょう。報道が異常に消極的なこともあってあまり知られていないのが残念です。小池百合子の公約や政策を見て投票するのは無意味です。
ひまそらあかねの公約
まだ候補者の段階なので、就任後にどうするかという実績はありません。今までの彼の行動から推測するしかないでしょう。私は長く彼を見てきたのでそういうことをする人物ではないと信じていますが、つい最近知った人からしたらなんとも言えないかもしれません。
ただ少なくとも、これだけ何度も黒塗りの公文書を受け取り、そのたびに強く批判してきた人物が同じことをすればバッシングは避けられないはずです。ひまそらあかねが公約削除なんてことをすれば、小池都政と違って報道も積極的に行われることでしょう。
公約まとめ
都民ファーストは実現していないものを「実現」と称し、その後こっそり削除した。読むだけ無駄。
ひまそらあかねの公約の扱いは未知数ながら、もし公約を無視すれば多大なバッシングは避けられないだろう。都民ファーストよりは信じてよいといえる。
次期都知事として期待するもの
小池都政8年間の延長
人によって思い出すことは様々でしょう。この8年にはコロナ禍もありました。何であれ8年もやっていれば功罪あることは避けられません。
おそらく小池都政に関して総合的にいえば「悪くない」といったところじゃないでしょうか。この「悪くなさ」がさらに4年続くぶんには大きな不満もない、消去法で小池百合子に投票しよう、そういった考えかと思います。
組織票などを除いた浮動票として多いのはおそらく、積極的に強く支持するわけではないが、無難な選択肢としての小池百合子という印象があります。誰もが印象に残るような目立つ業績はないかもしれないけど、大きな混乱もなく東京都を8年運営していた実績はやはり大きい。
小池百合子を熱狂的に支持する声を聞いたことがない私の印象として、彼女は言ってしまえば消去法において最強の候補でしょう。
ひまそらあかねへの期待
ひまそらあかねは強い支持を受けています。
支持する理由として挙げられているものはバラバラですが、やはり彼がここまでの知名度と期待を集めたWBPC問題に絡むところが大きいでしょう。そんな彼の調査報告等を追いかけているうちに彼のキャラクターも深く知ることになり、シングルイシューとしての「公金チューチューをなくす」だけではなく、より包括的な期待が寄せられているといえます。
彼によるWBPC追求の姿勢は集団を束ねて効率的に運用するというものではなく、彼が先陣を切って周囲がそれをサポートするかのように自主的に動くという印象です。マネージャーというよりはリーダーですかね。
若いころにネットゲームで最大規模のクランを率いていたときも(これを翻訳すると「第一線のプロスポーツチームを立ち上げてリーダーをやっていた」が近いかな)、ベンチャー企業の立ち上げメンバーのキーパーソンとして関わり取締役をしながら大ヒットを飛ばしたりしたときも、自身がまず矢面に立つスタイルが一貫しています。
けしてただの暴君ではないことは、ネットゲーム、ベンチャー、WBPC追求、そして今回の出馬のときに自然とサポートする人々が現れたことが証明していると私は考えています。
彼は筋を通すために3億円の和解提案も蹴るし、巨大な利権集合体にもほぼ1人で立ち向かう。詭弁を弄することなく「俺はこうする」と正直に宣言し、それを愚直に実行する人物だと思います。その苛烈さや猜疑心の強さから彼を厭う人ですら、彼が有言実行の人物であることは認めて票を投じています。
期待まとめ
小池百合子には現状維持、ひまそらあかねには有言実行の徹底をそれぞれ期待しているといってよさそうです。
本人の次期都知事としての意気込み
回避と弁明に終止する小池百合子
現職としての実績を匂わせながら、プロジェクションマッピングなどへの批判をかわすことで選挙戦をやっているように見えます。
積極的に何かを発信しているわけでもなく、選挙活動より公務を優先するなど、最強の消去法候補としての自身を見せているように思います。
ひまそらあかねの抱負
目立つ言動で知られるひまそらあかねは今の東京をどう捉え、当選したらどうしたいと考えているのか。
別に過激なことはありません。東京を動かすだの大改革だのではなく、ただ歪みや不正があるから直したい。
意気込みまとめ
防衛戦の小池百合子、チャレンジャーとしてのひまそらあかね、しかしどちらも現行路線を基本としており大きな変革などは打ち出していない。
政治家としての背景
小池百合子と公明党と一部自民党(菅グループ?)
小池百合子のバックとして公明党が様々な支援しているのは有名な話でしょう。今回の選挙でも「推薦」ではなく「支援」とのことですが、まあ言葉遊びの範疇かと思います。
この8年間で関係の変化もあったかもしれませんが、はっきりいえるのは公明党と協力関係にあることくらいでしょうか。他には例えばソーラーパネルの売り込みに熱心な様子もあります。
ひまそらあかねとインターネット
ひまそらあかねは癒着を防止するため政治献金も政治資金パーティもやらないと公約③で宣言しています。また今回の選挙においては街宣活動などもしないので、出費は供託金だけとのことです。政治団体なども作っておらず、WBPCのカンパ口座は信託として扱っているため、WBPCの訴訟費用等に充当されるだけで本人には一銭も入りません(もし個人の懐に入れば国税庁がすぐ動くでしょう)。
「期待」のところで少し触れたとおり、インターネット上で有志がそれぞれ動画や文章やファンアート(イラスト)を作成して応援しているだけです。周囲が勝手に彼のために動くのは不自然に見えるかもしれませんが、選挙活動は原則的にボランティアであるわけで、むしろこれが正道でしょう。公職選挙法に抵触しないよう自主的に収益化をオフにしてまで彼を支援している人も多く居ます。
背景まとめ
いわゆる「紐付き」という点でいえば、小池百合子は公明党の紐を見せていますし、自民党の一部(菅氏を中心とする公明党に近いグループ)もそうでしょう。
ひまそらあかねはWBPC追求の過程で自民党議員などとの連携が発生したりはしましたが、バックというほど緊密な関係ではありません。また当選したときは資産を別団体に逃したりなどせずすべて開示するとも宣言しています。
比較まとめ
小池百合子
報道が異常に消極的なこともあってあまり知られていないが、公約を守らずこっそり削除し、信用ならない。
現職の強みを活かし、現状維持を望む消去法の票を取りにいっている
公明党や一部自民党(親中派?)との関係が強い
ひまそらあかね
報道が異常に消極的なこともあって彼の国賠勝訴や住民監査請求などの実績があまり知られていない
もし彼が当選すれば国賠などで原告と被告が同じ人物になるという前代未聞の事態が発生するため、主に法曹関係者から注目されている
公約では現状維持を基本として問題点の改善や修正を打ち出している
インターネットをフル活用して支持を集めており勢いがある
小池百合子でもひまそらあかねでも東京が息苦しい街になるとは考えにくい。そのうえでどちらに票を入れるべきか。
この1〜2年間のWBPC追求を見ていた人からすると、小池百合子への強い不信感と、ひまそらあかねへの強い信頼が判断に与える影響は大きいでしょう。国賠や住民監査請求や公約削除についてマスコミが報道しない点もそうで、WBPC以外にも何か報道されてないものがあるのではないかと疑いの目で見るわけです。
ちなみに冒頭でも触れた、東京都を相手取った国家賠償請求については高裁で結審したとのことです。マスコミの都知事選報道に関連して広く知られるといいのですが、さてどうなるでしょうね。ひまそらあかね支持者なら、みな口を揃えて「そうなるといいね」と投げやりに言うことでしょう。
なお、ひまそらあかねフォロワーが見てきた小池都政についてはこの動画がとても良くまとまっています。ぜひあわせてご覧ください。