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病のわらしべ長者〜思いがけない病気が見つかるまで〜

個々の病気の内容までここで公開するのは躊躇していたのでこれまで詳細について述べなかった。

しかし、入院、手術、退院を経て落ち着いたところで、なぜこの病気が見つかったか、について述べてみてもよいかという思いに至った。

何かの参考になればと思い投稿する。お互い、身体に気をつけましょう、ということで。

職場の健康診断時に職場の眼科医から「狭隅角」(突然緑内障発作を起こし、ひどい場合は失明の危険性がある状態)を指摘される。

地元のかかりつけ眼科を再度受診。
両眼にレーザー治療を受ける。
これにて、ひとまず緑内障発作の心配はなくなる。
「めでたし、めでたし」
で終わらなかった。

その時受けた視野検査で、左眼の視野にやや異常があることがわかる。

先生「どうしたのかな。これが両眼だったら脳の病気のサインなんだけど、片眼だから違うと思う。テニスしてるんだっけ?外傷性かな。それとも気づかないうちに視神経炎になって自然に回復した後かな。いずれにしろ、経過を追って行きましょう。」

その後、4ヶ月おきに2回視野検査を受ける。最新の検査がこの1月。
前回、4ヶ月前には右眼に緑内障のような所見が現れる。治療が必要か検査を続けて決めましょうとのことであった。左眼の所見は相変わらず。
↓
今回の診察時。
診察室に入るなり、先生が首を傾げている。
「うーん…」
「頭の写真、撮ったことあるんだっけ?ない。そう。
うん、よし!こういう時はインスピレーションを大切にしよう。
一度、頭のMRI、撮った方がいい。」

左眼だけの所見が、右眼にも現れていた。左眼の所見も広がっていた。視野の力自体も右肩下がりに落ちている。

この4ヶ月間、視力が落ちたなぁ、とは思った。しかし、眼鏡も新調してよく見える。先生が言っていることがあまりピンと来ない。自覚症状はなし。半信半疑で、すぐに行動を起こすほどのことかもよく分からなかった。

「最初は左眼だけで、今日は右眼に新しいのが出てる。ここ、子午線って言うんだけど、こういう出方は、頭の中に病気が隠れているせいかもしれない。ストーリーがピッタリなんだよね。お仕事、平日は休めないよね?○○病院は、今日(土曜日)もやってるよ。紹介状、書きます。今日、今からでも、行ってみて。いい?これは、最初の治療とは、全く関係ない、別の問題。」

先生は、親切に、○○病院の地図も出してくれて、強く促してくれて、全部お膳立てしてくれた。

しぶしぶ、に近いくらいだが、確かに気になるので、その足で病院に向かった。所見なし、経過を観察しましょう、で終わるものと思っていた。

初めて受けるMRI検査のうるさい音を聞きながら、それでも眠くなるのが不思議だった。長い検査の中でいろいろ考えが巡る。

脳が萎縮していたらどうしよう。変なものが見つかったらどうしよう。もし悪い物があったら、残りの寿命も長くないだろうなぁ。でも、まあいいか。背負っとる物が重過ぎる。子どももそこそこ大きくなったし、あとは残った者で何とかしてもらおう。今までもそうじゃったじゃん。状況が変わったら変わったようにみんなやって行くしかないもんね。


「下垂体に腫瘍があります。」
は?
ほんまに?
はあ…

で、でも、先生のお見込みのとおりだった。溢れる患者で日々の日常診療に忙殺される中、後回しにせず、インスピレーションを大切にしよう、と言って、私の中の隠れた病気を見逃さず、検査を促してくれた先生。

物腰は柔らかく、話しやすくやすく、切れ味が良い診療。

かかりつけ眼科の先生に心から感謝している。先生のおかげで、「小さくはない」腫瘍が、自覚症状がほとんどないうちに見つかった。これは、最初の狭隅角を見つけてくれた医師からたどると、私の感覚では「病のわらしべ長者」。
偶然が偶然を呼び、手遅れになる前に病が見つかった。

その後立て続けに検査、検査、検査。慌ただしい日々が過ぎ、
入院治療に入った。そして、手術、つらいつらい術後を経て、退院となった。
50を過ぎると身体にもいろいろ出てくる。

「休め、ということかね。私が、悪かったかね。私がしっかりせんと。重い物持たん方がいいんじゃない?私が持つ!あんたあ、大黒柱じゃない。」

喜寿の母が、最も気を揉んでくれている。

※悪いもんの確率はかなり低そうなのでご心配ねぐ(あまちゃんの言い方。古ッ)

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