Small World
旅行中なんかに朝起きて、ここってどこだっけ?と思う感覚が好きです。
でも、だいたい旅行中の朝起きたときは、一瞬どこ??ってなるけどすぐ気づいてしまう。
夜中目覚めて時計を見てとっさにあと何時間寝られるか計算してるみたいに、頭は働いてないのに、心のどこかで分かってしまう。ああ、そういえばここは家じゃなかったと。
だから私は、気付いても気づかないふりをして、わざとここがどこか分からないように言い聞かせる、というのをたまにやります。わざと「ここどこだっけ?」と口に出したりなんかして、え、やりませんか?
というのは前置きで、今回は月に住みたいという話をします。
月に住みたい!
宇宙服は着なくていい設定です。しょくよううちゅうふくがあるので。
スーパーと図書館とパン屋とライブハウスとかがある、とりあえず生活に困らないくらいの小さい街を作って、友人とか100人くらい連れて行って生活したい。
小さめのクレーターにはお湯を入れて露天風呂にしたい。お湯は熱い方が好きかな。星空を見ながらのぼせるくらい浸かりたい。
あと、臼で餅ついて月ウサギごっこやりたい。
月に住んでみて、地球を見たときのことを考えます。
今見ている丸い地球の表面に、何十億人の人が住んでいるのだろう。
何十億人の人が、嬉しがっていたり、悲しがっていたり、恋をしたり、恨んだりしているのだろう。
人1人の姿なんて、今見ている地球を拡大して拡大して、どれだけズームしたらやっと目に入るのだろう。
ありえないくらいちっぽけな人間が、ちっぽけな悩みを抱えて、地球という地で生きているんだなということを、私は月で考えると思います。月並みですが。
そして、そんな自分も月にいても同じ、ちっぽけな人間。
月にいるからといってちっぽけな悩みがどうでもよくなる訳はなくて、きっと寝癖がとれないとかどーでもいい理由で機嫌を損ねたり、ご飯がちょうどいい硬さで炊けたとかで機嫌が直ったりするでしょう。
私たち人間って、きっと、どれだけ広ーーい世界を知り得ても、半径数メートルのちっっちゃなことで一喜一憂する生き物だと思うんですよ。
そして、「住む」ってきっとそういうことで。
ライブに行って心からブチ上がった。映画を見に行って泣いた。そんな非日常での特別な感情は、小さなことが心を支配する日常にだんだんと取り込まれていきます。
でも、ふとしたときにその感情がフラッシュバックして、居てもたっても居られなくなる。
そうやって、日常に住む私たちは人生を送っていきます。
月という、超非日常な空間で日常を送りたい。
普通に朝起きて、何気ない一日を送って、夜寝る。一歩視線を外せば、怖いくらいの星空と地球が目に入る。
月で、広い世界を知って、私はいろいろなことを思い、いろいろな感情を得るでしょう。
でも、次第にそれは日常になっていく。ちっぽけな世界で、普通に生きていく。
そして、ふとしたときに「今、月に住んでいるんだな」と実感する。
それは偉いことでも名誉なことでもないけど、最高に面白くて、生きている感じがすると思うのです。