タコ
「タコのイレズミ入れたいです。」
と、タニ君が言うので
「なんで?」と聞いたら
「タコって幸運っぽくないスか?」
「どうかな?悪魔の使いとか、そっちじゃないの?」
「いやぁ、、幸運と思うんスけどねぇ〜」
と、ポマードが臭うアタマをボリボリ掻きむしる。
くっ、臭いなぁ。。
「いや、タコは悪魔だろ。それに幸運なら他にいくらでもあるぜ?」
「あっ!それとボク、たこ焼きを焼くのめっちゃ上手いです!!」
バカだし臭いし、タコ野郎が笑ってる。
年末の忙しい最中、遠方からやって来たタニ君。
「ボク、バイク屋になりたいス!」
と目を輝かせて鼻息が荒い。そして身なりが汚い。
汚いだけあって何処でも寝れる。
もちろん金は無い。
だから店で寝る。
いや、寝るなよ。そもそも何しに来たん?
「雑用でも何でも手伝いしたいっス」
タニ君はボクから750買ってくれて、今は整備学校に通う25才。
年末と年明けの数日お手伝いして貰い、良く頑張ってくれたのでYA-MAN喰わせてやりました。
タコだし、バカだし、見込みは無さそうな手下がひとり増えました。