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Google の Notebook KLMにエネルギー白書2023を読み込んでみた

おそるべし Notebook KLMの読解力(?)

 令和4年度エネルギーに関する年次報告 (エネルギー白書2023)PDF版Japan's Energy Transition: Progress and Challengesを読み解きたいと思って、以前ネットで話題になったGoogleのNotebook KLMに白書をソースとして登録して見た。

 このNotebook KLMは、AI「Gemini 1.5 」で構築された、最も重要な情報を理解するための究極のツールだそうだ。使い方は、サイトにアクセスして、「NotebookKLMを試すボタン」をポチっと押すだけ。あとは、ソースをテキスト、URL、PDFなど、1個以上登録するだけ。登録した情報だけをベースに、チャット形式でなんでも答えてくれる。
 説明にはは、「PDF、ウェブサイト、YouTube 動画、音声ファイル、Google ドキュメント、Google スライドをアップロードすると、NotebookLM がそれらを要約し、トピック間の興味深い関連性を導き出します。これらはすべて、Gemini 1.5 のマルチモーダル解析機能によって実現されます。」と書かれている。音声も可能なんだね。法律家や探偵業なんかにも使えそう。

利用者が登録したソースだけを元に、解答してくれるので、誤情報が他から紛れ込む心配はなさそうなのが、なんとも素晴らしい。安心感がある。
 ちなみに今回のエネルギー白書PDF版のページ数は、287ページもある。10年以上昔の話だが、出るたびにダウンロードして、関心のある点だけ拾い読みしていた。当時のブログにあげた最後の記事が2012年のものだった。

・ エネルギー白書 2012が公開されました。日本のエネルギーの現状を知ろう!-----ソフトエネルギー、 2012/11/19

 出るたびに、白書を読む場所は決まっていたので、全体を通して読んだのは、政治に大きな変化があった時だろうから、数回程度なんじゃないかな。こんな大冊、税金で作られた白書だが、毎回きっちり読んでいる人は、全国で100人いるのだろうか? 絶対、1000人はいないと思う。国のエネルギー事情と政策の展望を知り、将来を占う貴重な資料だけどもったいないないのだ。図もいっぱい収録されているので、資料好きマニアの評価は高かったと記憶しています。
 エネルギー問題などに興味のある方は、膨大な情報を含む白書のような資料に取り組む時に、Google NotebookKLMは、とてつもなく役立ちそう。今度、World Energy Outlookのような海外の資料でも試してみたい。



・参考 リンク 資源エネルギー庁 エネルギー白書 2023

https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/index.html


・Google Notebook KLM

https://notebooklm.google/



以下、おまけ。
長いので、ここまで読んでいただいて、具体的に興味ある人だけどうぞ。
いろいろと使た中で、これは使えると思った機能です。

###各章の概要を1000字以内でまとめてもらいました。

各章の概要 :

第1章 福島復興の進捗

東京電力福島第一原子力発電所の事故後、福島復興に向けた様々な取り組みが進められています。[1-4] 本章では、汚染水対策、環境回復、産業振興、風評払拭に向けた取り組み、そして賠償の現状について解説されています。
汚染水・処理水対策: 燃料デブリの冷却により発生する汚染水対策として、「汚染源に水を近づけない」「汚染水を漏らさない」「汚染源を取り除く」という3つの基本方針に沿って、様々な対策が進められています。 [1]
労働環境の改善: 長期にわたる廃炉作業を円滑に進めるため、作業員の安全確保と労働環境の改善に継続的に取り組んでいます。具体的には、除染やフェーシング作業による環境線量低減対策、休憩所の設置、地元食材を用いた食事提供などが行われています。 [2, 3]
国内外への情報発信: 風評被害の払拭のため、国内外に向けて、東京電力福島第一原子力発電所の現状について、わかりやすく正確な情報発信が行われています。地元住民とのコミュニケーションを重視した情報発信や、東京電力廃炉資料館の開設などが行われています。 [3, 4]
再生可能エネルギーの導入推進: 福島県では、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進しています。避難解除区域等における太陽光発電設備等の導入支援や、風力発電等の電力を受け入れるための送電網整備などが進められています。 [5] また、福島再生可能エネルギー研究所(FREA)では、再生可能エネルギーの大量導入を支える新技術の開発や、大学との共同研究等を通して将来を担う産業人材の育成等に取り組んでいます。 [6]
賠償: 東京電力は、精神的損害、財物価値の毀損、営業損害等に対する賠償を実施してきました。2023年3月時点で、総額約10兆7,163億円の支払が行われています。 [7]
原子力損害賠償・廃炉等支援機構: 原子力損害の賠償や廃炉等を支援するため、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が設立されました。機構は、原子力事業者から負担金を徴収し、原子力事業者に対して資金援助を行います。 [8, 9]

第2章 国際エネルギー動向

本章では、世界的なエネルギー動向として、エネルギー需給、エネルギー価格、各国のエネルギー政策について解説されています。[10-13]
エネルギー価格の推移: 天然ガス、石炭、原油の輸入物価は、国によって高騰の状況が大きく異なっています。特に、欧州諸国では、ロシアへのエネルギー依存度が高かったため、ロシアによるウクライナ侵略後、スポット市場で多くのLNGを調達せざるを得なくなり、輸入物価が急騰しました。 [10, 11]
エネルギー価格高騰への対応: エネルギー価格の高騰に対して、各国政府は、料金支援、エネルギー市場改革、エネルギー事業者への公的資金による救済、国有化等の政策を実施しています。 [12]
エネルギー確保・安定供給: エネルギー価格高騰への対応に加え、エネルギーの確保・安定供給に対しても、各国は対応策を取っています。 [12]
日本のエネルギー輸入物価抑制要因: 日本は、LNGの多くを長期契約・油価連動で調達していたこと、電気料金等の急騰を抑える制度上の仕組み(燃料費調整制度等)があったこと等が要因となり、他の主要国に比べてエネルギー価格の上昇幅が小さく抑えられています。 [11, 13]

第3章 GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向けた課題と対応

本章では、日本のGX実現に向けた課題と対応について解説されています。[14-29]
GX実現に向けた基本方針: 2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」では、気候変動問題への対応に加え、国民生活や経済活動の基盤となるエネルギーの安定供給を確保するとともに、経済成長を同時に実現するための、様々な分野における取組の方針が掲げられています。 [14]
GXに向けた今後の対応: 今後の対応として、徹底した省エネルギーの推進、製造業の構造転換、水素・アンモニアの利活用促進、カーボンニュートラルの実現に向けた電力・ガス市場の整備などが挙げられています。 [15-19]
GX投資の実行: GX投資を官民協調で実現するため、「成長志向型カーボンプライシング構想」を速やかに実現・実行していく方針が示されています。具体的には、「GX経済移行債」等を活用した大胆な先行投資支援、カーボンプライシングによるGX投資先行インセンティブ、新たな金融手法の活用などが挙げられています。 [20-23]
カーボンプライシング: カーボンプライシングについては、排出量取引制度、炭素に対する賦課金の導入が検討されています。 [24-26]
GX推進機構: 排出量取引制度の運営や負担金・賦課金の徴収等に係る業務を実施する機関として、「GX推進機構」を創設する方針が示されています。 [26]
金融手法: 金融手法としては、トランジション・ファイナンスの枠組み検討、公的資金と民間資金を組み合わせた金融手法(ブレンデッド・ファイナンス)の開発・確立などが挙げられています。 [27]
国際標準化の重要性: 国際標準化の重要性として、燃料アンモニアを例に、日本の技術や製品が新たな市場における需要を獲得していくためには、国際標準化に積極的に取り組むことが重要であるとされています。 [28, 29]

第4章 エネルギーの動向

本章では、日本のエネルギー動向として、エネルギー需給構造、電力、ガス、石油製品、再生可能エネルギー、原子力、エネルギー利用の合理化について解説されています。[30-40]
エネルギー需給構造: エネルギーが最終消費者に届くまでには発電や輸送中のロス等が生じるため、一次エネルギー供給からこれらのロスを差し引いたものが最終エネルギー消費になります。[30]
石炭: 石炭は、主に火力発電と製鉄で使用されています。日本の石炭消費量は、1960年代後半以降、石炭火力発電の他電源への転換が進んだことにより減少傾向にありましたが、東日本大震災以降、原子力発電所の停止に伴い、再び増加に転じました。[31]
原子力: 原子力発電は、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー源として期待されていますが、安全性確保が重要な課題です。日本では、原子力発電所の再稼働や、核燃料サイクルの推進に向けた取り組みが進められています。[32-34]
電力: 電力については、電力システム改革の進捗、電力市場の動向、電力供給の安定性などが解説されています。[35-37]
ガス: ガスについては、都市ガス事業、LPガス販売事業、ガス導管分野に関する取り組みなどが解説されています。[38, 39]
石油製品: 石油製品については、消費の動向、油種別構成などが解説されています。[40]

第5章 資源・燃料の動向

本章では、世界の資源・燃料の動向として、エネルギー需給、エネルギー価格、資源外交、資源開発などが解説されています。[41-47]
世界のエネルギー需給: 世界の一次エネルギー消費量は、2021年は前年比で増加しました。特に、アジア地域では、経済成長に伴いエネルギー需要が増加しています。[41]
世界のLNG市場: 世界のLNG市場は、2021年に、前年比で輸出量、輸入量ともに増加しました。輸出面では、カタールと豪州が上位2カ国となっています。[42]
石炭: 石炭については、世界的な需要拡大を背景に、価格が上昇傾向にあります。[43]
資源・燃料の安定確保: 日本は、資源のほぼ全量を海外からの輸入に頼っているため、資源・燃料の安定確保が重要な課題です。資源供給国との関係強化、上流進出の促進、国産エネルギーの開発・利用などが進められています。[44-47]
第6章 市場を垣根を外していく供給構造改革等の推進
本章では、市場を垣根を外していく供給構造改革等の推進について解説されています。[48-83]
各部門における省エネの取り組み: 業務・家庭部門、産業部門、運輸部門における省エネの取り組みについて解説されています。[48-52]
コージェネレーションの推進: コージェネレーションは、都市ガスや石油等を燃料とした発電の際に発生する排熱を有効活用することによって、高いエネルギー総合効率を実現することを可能とするものです。[53]
次世代スマートメーター制度: カーボンニュートラル時代に向けたプラットフォームとしてふさわしい電力やその周辺ビジネスの将来像を踏まえた、新仕様スマートメーターシステムへとアップグレードすべく、次世代スマートメーター制度検討会を実施し、次世代の低圧メーター及び高圧・特高メーターの仕様検討を行いました。[54]
再生可能エネルギーの最大限の導入: 再生可能エネルギーの最大限の導入に向けた取り組みとして、需要側のDRの取り組み促進、系統アクセス確保に向けた取り組みなどが解説されています。[55, 56]
地域と共生した再生可能エネルギーの最大限の導入: 地域と共生した再生可能エネルギーの導入に向けた取り組みとして、再生可能エネルギーに関する次世代技術の開発、再エネ導入拡大のための系統アクセス確保、地域共生型再エネ活用モデルの普及促進、洋上風力発電の導入拡大などが解説されています。[57-64]
原子力政策: 原子力政策については、原子力発電所の再稼働、使用済燃料への対処、最終処分の実現に向けた取り組みなどが解説されています。[65, 66]
電力・ガス市場における公正な競争環境の確保: 電力・ガス市場における公正な競争環境の確保に向けた取り組みとして、電力・ガス取引監視等委員会による監視、小売電気事業者に対する指導・助言、託送料金制度の見直しなどが解説されています。[67-74]
原子力損害賠償・廃炉等への対応: 原子力損害賠償・廃炉等への対応については、賠償の負担のあり方、福島第一原子力発電所の廃炉の資金管理・確保のあり方、廃炉会計制度の導入・見直し、解体引当金の引当期間の見直しなどが解説されています。[75-79]
電力・ガス事業における法令遵守: 電力・ガス事業における法令遵守については、関西電力における顧客情報閲覧問題を踏まえ、電力各社が適切に法令を遵守し、公正な競争環境を確保するための取り組みが解説されています。[80, 81]
ガス小売全面自由化の進捗状況: ガス小売全面自由化の進捗状況については、新規参入事業者の状況、ガス小売事業者に対するモニタリング、ガス導管分野に関する取り組みなどが解説されています。[82, 83]
第7章 エネルギー分野における国際協力
本章では、エネルギー分野における国際協力として、水素・アンモニア、国際的なエネルギー協力、スマートコミュニティ、国際標準化、気候変動対策などが解説されています。[84-91]
水素・アンモニア: 水素・アンモニアは、カーボンニュートラル実現に向けた重要なエネルギー源として期待されています。日本は、水素・アンモニアの利活用に向けた技術開発や国際協力を推進しています。 [84-86]
国際的なエネルギー協力: 国際的なエネルギー協力については、「アジア・ゼロエミッション共同体」(AZEC)構想、国際エネルギー機関(IEA)との協力などが解説されています。[87]
スマートコミュニティ: スマートコミュニティについては、官民連携を核とした推進体制の強化、国際展開に向けた取り組みなどが解説されています。[88]
国際標準化: 国際標準化については、国際標準を獲得することの重要性、国際標準化に向けた取り組みなどが解説されています。[89]
気候変動対策: 気候変動対策については、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づく情報開示の推進、国際GX会合の開催などが解説されています。[89]

 以上、概要

 さらに、
### ここでGXとは? と聞けば、

「GXとは、Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)経済成長の機会と捉え、温室効果ガス排出削減と経済成長・産業競争力向上の同時実現に向けて、経済社会システム全体を変革させることを意味します」と資料に説明があれば、それを拾い出してくれます。

さらに、
###この資料中、GXという単語が何回どのページで使われましたか? と聞けば、
     以下のように超有能な秘書のように満点解答を寄せてくれました

 「資料中のGXの出現回数とページ
ご提供いただいた資料中では、「GX」という単語は111回使用されており、以下のページに登場します。

3ページ: 目次

50ページ: 図表番号【第131-1-1】~【第131-1-4】

57ページ: 図表番号【第131-2-1】,【第131-2-2】

58ページ: 図表番号【第131-3-1】

59ページ: 図表番号【第132-1-1】~【第132-1-7】

65ページ: 図表番号【第132-2-1】~【第132-2-3】

71ページ: 図表番号【第132-3-1】

72ページ: コラム「国際標準化の重要性 〜燃料アンモニアを例に〜」

73ページ: 本文

74ページ: 本文

75ページ: 本文

76ページ: 本文

77ページ: 本文

78ページ: 本文

79ページ: 本文

80ページ: 本文

81ページ: 本文

82ページ: 本文

83ページ: 本文

84ページ: 本文

85ページ: 本文
資料の3章「GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向けた課題と対応」を中心に、多くのページで使用されています。 特に、GX実現に向けた日本の政策や具体的な取り組み、GX投資の促進、国際連携などが詳細に記述されている箇所で頻繁に登場します。
この資料は、GXを主要なテーマとして扱っており、日本のエネルギー政策におけるGXの重要性を示しています。」
以上

最後に、この資料、白書は、日本のエネルギー政策の現状と課題、そして今後の展望について、幅広く解説した資料です。特に、GX実現に向けた取り組みや、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組みについては、詳細な情報が提供されています。
 なんか、10年前にこんなツールがあったら、当時の活動の質がかなり向上したと思います。時に、弱小団体や個人がニュースレターの発行とそれに連携したネットでのメディア展開は、全く次元に異なるレベルになったと思います。
 なんかいろいろとできそうだと思わせてくれた、ツールでした。


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