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日野茜はなぜアイドルになったのか  ~日野茜とラグビーとアイドル~

日野茜はスカウトを受けたとき高校のラグビー部のマネージャーをしていましたが、それを辞めてまでアイドルになることを決めました。

プロフィールにラグビー観戦を趣味として挙げるほどラグビーが好きだったにもかかわらず、なぜマネージャーを辞めてまでアイドルになったのかを考えたいと思います。

「トップを目指す」ため?

デレステのアイドルコミュ1において、日野茜は海岸で走り込みをしているところをプロデューサーに呼び止められスカウトされています。

一度は「アイドルはよくわからない」という理由で断りますが、プロデューサーに「トップを目指すお仕事です」と伝えられると全力で戻り、アイドルになることを快諾します。

またホーム画面では「やるからにはナンバーワンですっ、トップをとりますよっ!!」と言っています。これらのことから、日野茜は「トップをとるため」にアイドルになったと考えられます。

しかし「はて…ところでアイドル界のトップはどうしたら獲れるんでしょう…」と述べているように、何をもってトップアイドルになったとするかは本人にもよくわかっておらず、その言葉に具体性はないものと思われます。

またイベントコミュ「情熱ファンファンファーレ」第3話では「勢いで選んだ」「アイドルにならない道はいつでも選べるが、アイドルになる道はPにスカウトされたタイミングしかないと思ったから」という旨のことを言っています。

以上のことから、本人の中ではアイドルになった理由や目的は明確ではなく、ただ「トップを目指せる」ことに惹かれてアイドルになったと思われます。

あこがれたものからの影響

そもそもなぜ日野茜は「トップをとる」という言葉に反応したのでしょうか?

日野茜はよく名言・格言を引用しています。特にプロレス・格闘技界のものが多く、「考えるな、感じろ」「元気があれば何でもできる」「迷わず進めよ 行けばわかるさ」などが挙げられます。

また「夕日に向かって走る」「友達をタイヤに乗せて走る」といった行動からは、スポ根・青春ドラマなどの影響も受けていることがうかがえます。

このようにスポーツ選手や青春ドラマの影響を受けた結果、選手たちがその分野のトップを目指して日々努力しているように、自分も「トップを目指す」ことに憧れを抱くようになったのではないかと考えられます。

なぜラグビー部マネージャーを辞めてアイドルに?

アイドルを始める理由があっても、ラグビー部マネージャーを辞めるのには相当な葛藤があったと思います。

島村卯月などのように元々アイドルを目指していたり、小早川紗枝のように明確な理由があってアイドルを志したのであれば転身前の生活に未練はないと思いますが、日野茜はもともとマネージャーとして充実した青春の日々を送っていたのでわざわざアイドルに転身する意味はなかったのではないかと思います。

しかし現に日野茜はアイドルになり、同時にマネージャーを辞めています。日野茜にとって、ラグビー部のマネージャーにはなくてアイドルにはあるものとは何だったのでしょう?

日野茜がラグビーに出会ったのは小さい頃、家の近くで大学のグラウンドでやっているラグビーの試合にお父さんに連れて行ってもらったことに始まります。それからミニラグビーの体験会に連れてもらっていたり、マイボールを買ってもらったり、特訓をしたりしていたいました。

しかし小柄な体型や、そもそも女子ラグビー部のある学校が少ない状況から、プレーする選手にはならずマネージャーなどの応援する側としてラグビーにかかわる決断を下したと思われます。

マネージャーとしてラグビーにかかわっていた日野茜ですが、「マネージャー」と「選手」の決定的な違いに気づいてしまいます。

私達は仲間!そして……チームメイト!!ああ~、この響き。どれほど憧れたことか~。
プロデューサー、私、ラグビー部のマネージャーをしてた時、どうしても着てみたいものがあったんです。それは…ユニフォーム!!
あれに袖を通したとき、はじめてチームの一員になれるんです!
部室に干してあったユニフォームを見かけた時、私は無我夢中で、それを…!
着ようと思ったけど……着られませんでした。手を通しかけたところで、止まっちゃって。だって私、マネージャーでしたから。
気持ちはひとつでも、一緒には戦えないから。そのユニフォームがどれだけ大切か知ってる分、たとえ遊びでも着られなくて。
――デレステ SSレア[ポジティブパッション]日野茜の特訓エピソードより

このとき、小さいころから目指し憧れていた「選手」と今の自分は違うということを悟ってしまったのです。

 それ以来、マネージャーとしてラグビーにかかわることに一定の満足はしつつも、一緒に努力して戦っていない以上、自分は部員の仲間とは言えないと考えたと思われます。

あのころ憧れたラグビーやプロレスの選手のように、仲間と一緒にトップを目指すことができなくなっていることに、少なからずフラストレーションを感じていたではないかと思われます。

「選手」としてのアイドル

そんな状況の中、「トップを目指す仕事」があると言われます。それがアイドルです。

日野茜はアイドルをこう捉えています。

アイドルって、熱く燃えて輝いて、思いっきり頑張って走りぬく、そんな存在ですよね?
――デレステ 日野茜の特訓エピソードより
アイドル…アイドルといえば、ファンの皆さんを引っ張っていく存在!
――ドラマ「目指せ!シンデレラNO.1! -日野茜編-」より

 この特徴は、まさしく日野茜が小さいころからあこがれたスポーツ選手そのものです。

つまり、日野茜はマネージャーからアイドルになることで「戦う人をサポートし、一人で見ているだけの存在」から「自ら戦い、仲間とともに頑張ることで人を動かせる存在」になろうとしたのです。

そして、日野茜はアイドルになることで、ラグビー部のマネージャーをしているだけでは立てなかった「自分が『選手』でいられる場所」を見つけたのです。

以下のセリフからは、「選手」としてアイドルになれた日野茜の喜びを読み取ることができます。

でも、あの時、思い止まって、よかったです!
私が着るべきユニフォームは、別にありました。
あの日の、炎のフィフティーンと変わらない思いで、私、今……!
このポジティブパッションの衣装で、堂々とステージに立ちます!
世界で、たった3人しかいないレギュラーに選ばれたこと……。
私の最大最強の誇りです!
――デレステ SSレア[ポジティブパッション]日野茜の特訓エピソードより

まとめ

 日野茜は幼少の頃にラグビーに出会ったことで、スポーツ選手をはじめとする「頑張って、情熱の汗を流している」人たち(以下単に「選手」とします)に憧れを抱くようになりました。

自分は選手になれませんでしたが、そんな選手を応援したり、選手を真似して特訓をしたりすることで一応の満足を得ていました。

しかしマネージャー時代にユニフォームを着るのを思いとどまった経験から、自分が憧れていた選手という存在と今の自分のギャップに気づいてしまいました。

そんな時に「自分がトップを目指す事ができる」アイドルという概念に出会い、選手になるチャンスを逃さないためにアイドルになりました。

かつて憧れた選手とアイドルを重ね、それらの選手同様仲間と一緒に頑張ってその世界のトップを目指すため、アイドルになったのです。


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