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船乗りと海の歌(海の男たちの歌)/ロバート・W・スミス
原題:Songs of Sailor and Sea / Robert William Smith
※注釈:この記事は楽曲分析ではなく、いち素人の感想・思い出などを語るものなのであしからず。
去年に引き続き、定期演奏会の曲目を自分なりに書いていこうと思います。
1曲目は演奏会のオープニングに最適なこの曲。また長く書いてしまいましたので、お時間あるときにでも・・・。
”海男”との出会い
日本では1998年当時、吹奏楽コンクール全国大会常連だった土気シビックウインドオーケストラや、今も常連な市立柏高校吹奏楽部など複数団体が取り上げたことで一躍有名となったこの曲。
私が千葉の人だし、それで知ったんでしょー?と思いきや、その時(高校1年生)はコンクールで他校の演奏は聴く暇はなかったし、土気シビックの定演も行かなかった(その年のプログラムにあったかは分からないが)。
ではどこで?パシフィコ横浜で開かれた「THE BRASS CRUISE 2000」という演奏会で、でした。
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2000とあるので2000年、つまり私が高校3年生の時に開催された演奏会でした(気づいたらこの部のタイトルは「海」!)
そこで当時、楽団発足して1年ちょいだった横浜ブラスオルケスタ―の演奏を聴いて、ひとめぼれ(ひと聴きぼれ?)したわけです。
コンクール自由曲では演奏されなかったので、貴重な演奏。本当に上手で、特にホルンがカッコよかったのを今でも覚えています。
うちの学校では顧問がクラリネット専攻ということもあり、金管バンバン鳴らすような曲はやらなかったからね。もう衝撃を受けたというか、ぐっと心を掴まれた感じでした。
(しかしよくプログラム持ってたな。記憶してたけど証拠があって安心した。)
曲について
1996年にアメリカ海軍軍楽隊による委嘱として書かれた曲で、同年12月にミッドウエスト国際バンド・オーケストラ・クリニック (イリノイ州シカゴ) で初演された。
曲は、Sea Chanty(船乗りの歌)、Whale Song(クジラの歌)、Racing the Yankee Clipper(ヤンキークリッパーの航海)の3部構成。
最初のSea Chanty(シーシャンティ)は労働歌の一種で、19世紀イギリスや他の国々の沿岸で歌われていた歌が起源となっている。
船の上の作業、錨(いかり)を持ち上げたり帆を用意したりする際、船員が一致団結するための最適な方法だったわけですね。
(余談ですが、数年前ネイサン・エヴァンズというアーティストがこのシーシャンティの一つ「ウェラーマン」という楽曲を発表し、全英1位となるなど世界的にも有名になった曲があります。私が遊んでるFORTNITEでもエモートの一つとなりました。)
聴くとクセになる。
続いて、Whale Song。このクジラとはザトウクジラのこと。実際にザトウクジラが歌っている3音のモチーフを使い、作曲されている。
ザトウクジラといえば大型クジラの一種。鳴き声を聞く機会はなかなかないですが、Youtubeなどで検索すると、深くて少し物悲しい音を聞くことができます。
クジラたちは単なる音を発声してるわけではなく、一連の音(ここでは歌とします)で、コミュニケーションを取っているそうで、最近の研究によると遥か遠く(例えば東太平洋のクジラから大西洋のクジラ)にもその「歌」が伝播していることが分かったそうな。
遠く遠くつながる「歌」を、曲でも表現したいものですね。
最後は、Racing the Yankee Clipper。19世紀初期から中期にかけて活躍したアメリカの快速帆船であるヤンキークリッパーを称えた曲。
当時の速度記録を樹立し、その記録のいくつかは1989年まで破られることが無かったそうな。積載量より速さを競っていたことからも競争の過熱具合が分かります。
パーカッションの役割
ホルンがメロディ・ソロ/ソリ多いとか、トランペットカッコいい(それはいつも)とか、木管の指回し大変とか、オーボエソロたまらんとか各楽器色々あると思いますが、やっぱりこの曲において、最重要パートなのは、「パーカッション」パートではないかと。
パーカッションパートさんに聴きたいのは、この曲好きですか?ってことかな(笑)。いや、大変なのは重々承知の上ですが!!
他から見ると、オイシイ!感じはするけど大変そうとはもちろん思います。
ピアノとかもあるし(これは弾ける人が演奏するからパーカスとは限らないかな)。
曲を聴いても、波を表現するオーシャンドラムに、アンカーチェーンの鎖。クジラの音を出すためティンパニをスーパーボールでこすったりと様々な効果を出すことを求められます。
我が団の芸術監督はパーカッショニストのため、クジラの音一つ取ってもスーパーボールの大きさにこだわっておりました。すごい!
大きさで音の高低が変わることを知りました。
他にもクラベスや弓で弾くシンバルなど、パーカッションパートの方たちの探求によって海の様々な音がどんな風に奏でられるのか、奏者としても楽しみです!
最後に
昔は曲名について噛みついていたワタクシでしたが、今や目くじら立てることでもないし、分かる人が分かればいいかと思っております。
(いやでも海の男と船乗りは違うよねーとまだ言いたくなる。)
そんなあえての「海男」呼びですが、鮮烈な日本デビュー後、未だにロバート・W・スミス作品の代表曲として日本で演奏されているのは、ひとえに魅力ある旋律と、効果的なパーカッション、そしてアマチュアが演奏しても出来なくはないレベル、だからでしょうか。
海といえば!を表しているのも演奏会のプログラムとして推しやすく、何より吹奏楽オリジナルとしても有名だから聴かないと分からないってことも少ない。
言いたいことが多すぎて、まとまらない文章(いつも)で申し訳ないですが、結局何が言いたいかって、この曲は聴いてもよし、そして演奏してなお良しな曲!ってこと(大変だけどね)。
ホルン吹きとしても色々言いたいことはあるけれど・・・。序盤のソロは楽譜上2パートあるけどたいてい1本にされがち、とか細かい音符合わな過ぎワロタとか、後半バテすぎてHiD吹けないとか、、、ああ、筆が乗るわ。
ただまぁ1番から4番まで逃げ場無しだから皆でがんばるしかない!!
当時高校生の私も憧れた、カッコいい旋律を奏でることを励みに、
演奏会の船出を華々しく飾りたいです!
では、またです。