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吹奏楽のための交響的印象「海響」/和田薫

※注釈:この記事は楽曲分析ではなく、いち素人の感想・思い出などを語るものなのであしからず。

定期演奏会第1部最後の曲は、海響。荒波もまれる日本の海を感じさせる力強い一曲です。

曲について

今回の演奏会で選ばれるまで聴いたことがなかった作品。そして作曲者の方のこともあまり知らず・・・。
が、作曲者の和田さんは1984年吹奏楽コンクール課題曲、吹奏楽のための「土俗的舞曲」でも知られる有名な方でした。

和田先生のサイトにもこの土俗的舞曲について書かれております。
先生の一種の「スタート」にもなった曲。
その曲が吹奏楽だったのが、何とも嬉しいですよね。

あとのご活躍は言わずもがな。劇伴だと犬夜叉が有名ですかね。他にもさまざま。現在に至る日本のポップカルチャーを支える名手でもあります。

その方が作った純音楽の作品。
オリジナルは管絃楽のための「海響」で、1998年に作られました。

新星日本交響楽団と所縁のある銚子ハーモニーの委嘱として作曲。「海」をテーマに最終部分は地元民謡「早馬鹿」をモチーフに。

和田薫OFFICIAL WEBSITE Works 純音楽-オーケストラより

まさかの「銚子」!千葉県じゃないかい~。しかも場所としては「北総」地域ですよ!
まさに北総シンフォニックウインドがやるべき音楽!(鼻息荒く)

銚子ハーモニーのサイトにも委嘱への経緯が掲載されておりました。

銚子市内で演奏する場合、銚子ハーモニーさんからスコアの貸し出しが無料だそうです!銚子で演奏される際はぜひ!!(なんの宣伝)

話を曲に戻して、この曲の要素となった早馬鹿や大漁節というのは銚子発祥の民謡。
YouTubeにもあり聴きましたが、関東のそれとはまた違う感じで、なかなかに趣きがありました。

これが早馬鹿(早ばか)。早うちとも言う。

これは祭りの様子。お囃子も曲の通りだ!と感動しました。

夫が気付いたのですが、笛のメロディがシンコペーションだね、と。
普通ならそのままぴーひゃら吹きそうですが、アクセントとか確かに!!
これが大漁節、銚子の民謡のリズム、なんでしょうか・・・。
(妹の旦那さんが銚子出身だから今度このお祭りの音楽について聞いてみよう)

作曲者 和田薫について

和田先生の作風は良さは、何といってもその「和」な響き!ですよね(浅い感想だ・・・)。いやでもわかりやすい和風な感じで良さを感じさせる曲作るのって難しいと思います。それはやっぱりきっちりと勉強された裏付けあってのものなのだと思います。

さて、前の演奏会練習日記でもちらりと書きましたが、
和田先生は下関の老舗割烹旅館のお生まれです。

旅館のサイトにがっつり掲載している・・・!

そしてご本人もその出自に絡めてインタビューなさっておりました。

 「宴会客が中心だった子供のころ、宴席での三味線や太鼓を聴いて育った。私の楽曲は日本音楽の素材をテーマとしているが、この幼少のころの出来事がルーツとなって現在の創作活動につながっていると思う」

引用させていただきますが、先生の現在の作風になっていったきっかけの一つとして、こうした幼いころからの影響もあると思います。

日本列島「祭りのテンポ」の違い

話を海響に戻しますが、この曲の練習では特に、テンポをきちんと保とうという指示が出ます。あとアクセントも、ですね。

なんと日本のお祭りの速さって大きくわけて関東と関西で違うらしい!
知らなかった!!
ざっくりいうと関東は早く、関西は遅く、みたいな。(いやざっくりしすぎか)
そして関西の中でも大阪と京都でも違うみたいで、今回のは京都!

もしかすると和田先生ご出身の山口県の三大祭りの一つである「山口祇園祭り」の影響もあるのかなーなんて想像(妄想)したり。
この祇園祭は室町時代京都から伝わったとされるもの。

銚子の民謡を元に、京都仕込みの山口県の粋な音頭を奏でる!
それが吹奏楽で表現できるなんて、いやー腕がなりますねぇ。

最後に

千葉の銚子という荒々しい波を感じる北総地域の音楽を、どうやって北総シンフォニックウインドが奏でるか、ぜひ演奏会にお越しいただき体験していただければ幸いです。

では、また!




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