「老いる」ということ②
実母と義母は対照的だ。
友人が多く、実の姉や義妹(義父の妹達)とも仲が良く、地域の役員をしたりグラウンドゴルフをしたり、読書やウォーキングもして毎日楽しんでいる義母。
電車で1時間ほどの実姉の家に泊まりで出掛けたりもする76歳。義父が病気になり看病のため仕事を辞めたが、70歳まで働いていた。
対する実母は、義母より2歳若いが、48歳で病気で仕事を辞めてからずっと専業主婦。
私の子供達を含め孫の面倒をよく見てくれたが、孫達が成長してからは毎日テレビの前にいることが多く、腰が痛いからどこにも行けない、と買い物以外の外出はほとんどせずに、口を開けば同じ人の悪口を繰り返す。
しかも毎回同じ話。その人としばらく会ってなくても、つい最近起きたことのように同じ悪口を繰り返す。
どちらが幸せな歳の重ね方かわかりますよね。
実の母ながら、情けない。
昔から他人を悪く言って自分の存在を上げる人だったし、
「ウチの子はこれだからダメ」と言われ褒められたことなんてなかったから、私は劣等感の塊だった。
実母の時間は何年も同じところで止まっていて
ほとんど変化なく
同じ話を繰り返す。
認知症の始まりなんだろう。
身なりにも気を配らなくなった。
いつもボサボサの髪に、だらしない服装。
そんな実母と一緒にいるのが苦痛で
実家に行っても長時間は居られない。
だからと言って義母の話が面白いわけでもなく
こちらもやはり毎回同じ話を繰り返すが
ネガティブな話を毎回されるよりは
まだ耐えられる。
実母はどうしてあんな風になってしまったのか。
あんな老い方はしたくない。