性自認Xジェンダー、無性のひとの話

いつXジェンダーだと気づいたか?
18歳くらい。大学生になって、セクシャルマイノリティの居場所作りをしているサークルに入って、「Xジェンダー」という言葉を知ってから。

それまでずっと、「女性の身体に産まれて、周りが女の子として扱うし、そう振る舞うのが当たり前だから、自分は女性だ」と考えてた。ずっと自分の身体を、生まれた時に貰った人形くらいに思ってた(扱い方は変わったけど、今もわりとそう)。

サークルの勉強会で、身体の性別に関係なく、異性を好きでも同性を好きでも、それらとは別に、自分の思う自分らしい性別「性自認」というのがあると知った。
初めて知った時は、トランスジェンダーの人にとってはこれが重要なんだなーくらいの遠い感覚の言葉だった。

繰り返すけど、「女性の身体に産まれて、周りが女の子として扱うし、そう振る舞うのが当たり前でまあ別にそんな苦痛じゃないから、自分は女性だ」と思ってた。
え? だいたいみんなそれくらいの感じじゃないの? 自分が思う自分の性別ってなんだ、他の人からのあれこれを基準にしないで知るってできるのか? と。つまり、性自認のことを、自分が生きるべき性別はなんだと判断していますか、と読み違えていた。
どっちかの性別の身体に生まれて、周りからそう扱われるから、まあ好みの範囲内でそれに合わせてるぐらいのもんだろうって。どう? みんな。それ以外で自分の性別のこと考えたことあった?

そんなふんわりした感じではなく、自分は男だとか女だっていうのを誇りに思う、男/女らしいって言われたらすっごく嬉しい、男/女らしさは大事なアイデンティティだっていう人は世の中に結構いるようだ。
それにトランスジェンダーの人がいるんだから、身体の性別も周りからの扱いも関係なく、しっかり自分は男だ/女だ/そうじゃない、と意識することが人間には実際可能だ。身体や他者からの評価が基準にならない、「性自認」というものは確かに存在する。自分にはそれがすっぽり抜けている。

色々言葉を学んで、自分の性自認は男女どちらでもないXジェンダー、さらにその中でも「無性」と言えるようだ、というところに辿り着いた。
女性らしいと言われても男性らしいと言われても、自分のアイデンティティではないなと思う。真ん中っぽいね、どっちの要素もあるねと言われるのも違う。そんなのは、自分がただ好きなものを、周りが勝手に男女らしさに紐付けしてパーセンテージを想像してこねくり回してるだけだ。
何が好きでも得意でも苦手でも、自分と○○の関係であって、自分と男/女らしい○○の関係ではない。

だから、ホモ・サピエンスでXXの個体なのもそれに合わせた社会のルール(風呂とかトイレとか)を守るのも構わないけど、性自認、ただ自分らしい性別は何と聞かれるなら、無性と答える。

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