地球という名の生命体「下」
こんな自然破壊を続けている人間だが、ジェームズ・ラブロックの『ノヴァセン』を読むとヒトが環境破壊を続けているのも当然のことなのではと思ってしまう。もしかしたらヒトという地球の子孫が宇宙へ飛び出すようにいつも導いてきたのかもしれない。決して地球の自然破壊をしていいという事ではないが、この本を読むと何かしらの意思が地球にあるのではと考えてしまう。
産業革命後、人間が環境破壊を急速に進めたのは事実だろう。オゾン層の破壊、森林大量伐採、二酸化炭素排出、化石燃料大量発掘、オイル流出、核汚染などあげればきりがなさそうだ。これらの環境破壊は確実に人間が自身のことのみを考え行動した結果である。人間がいなくなる方が地球には良いという結論を、汎用人工知能が導き出すかのしれない。その結果人間は宇宙に行かざるを得ない状況になり...というのはSFの話ではなくなってきているのかもしれない。
それでは地球にとっての健康とは一体なんなのだろうか。『ノヴァセン』を読むと私たちはいずれ地球を出て行くのが運命なのかもしれない。が、だからと言って地球を粗末に扱って良いということでもない。私たち人間が地球に住んでる限り、依存している限り、地球と共に生きることが不可欠となる。
最近ではSGDsが広まったこともありSustainable、日本語で言うと「持続可能な」と言う言葉が世の中を蔓延っている。この持続可能なと言う言葉をよく考えてみると、私は怖くなる。持続さえできていれば良いのか...建築法や高圧ガス保安法と同じで最低限のラインを超していれば良い、と言う考えは環境に当てはめるべきではないのでないか、と考えてしまう。
人間が生きていく上で一番基礎となっている地球はいわば一番基礎となるインフラだ。インフラのインフラだ。太陽の周りを回り、月が地球の周りを周回していて、大気があり、海があり、山があり...すべて自然である。それを守り、地球が自身で持続していける環境を整える事が地球にとっての健康なのではないかと思う。人間が手を加えて持続可能にするのではなく、地球が持続可能な状態である事が重要なのである、と私は思う。
地球にとってのウイルスではなく、腸内フローラのような存在になりたいと私は思う。