真夜中のコーンポタージュ
真夜中の誰もいない通りに、自販機の明かりが灯っていた。
僕は引き寄せられるように、自販機の前に車を止めて降りた。
自販機が並ぶ中、そのうちの一つはカップの専用の自販機だった。
コーヒーにジュース、なんとコーンポタージュ!なんと、というほどのものではないが(コーンポタージュ愛好家の人ごめんなさい)、自分がただ好きなのだ。
真夜中のコーヒーも捨てがたかったけど、
僕は迷わずコーンポタージュのボタンを押した。
カップがコトッと音を立てて降りてきて、自販機がカウントダウンを始めた。
その日は少し暖かく、2月にしては夜風が冷たくない。
待っている間僕は、夜風を受けて、今この瞬間誰もいない世界に幸せを感じていた。
自販機から、コーンポタージュが出来上がったお知らせの合図が鳴った。
コーンポタージュを手に取るとすでに、蓋が備え付けられている。
このコーンポタージュは、コーンが入っていないタイプだ。
コーンポタージュはコーンが入っているのじゃないと、飲まないという人もいるが、僕はコーンが入っていない方がどちらかというと好きだ。
コーンが入っていると、最後の方はコーンが出てこなくて、意地でも取り出したくなるからいやなのだ。
2月の少し暖かい日、夜風にあたりながら
飲むコーンポタージュは、100点だった。