「理不尽」が泡になって消えた日の話
「理不尽」「不合理」
これらに出会した時、どのように対処するべきか。
我慢して受け入れるのか、それとも立ち向かうのか、はたまた「それはおかしいですよ」と相手を説得することもできるかもしれない。
私は、この理不尽等が投げつけられれば、まず、条件反射でキャッチし、とりあえず「すみません」と謝り、理解できないうちにそのまま飲み込んでしまう。そして後から、「これは理不尽だった、おかしかった」と気づき、相手の思いどおりになってしまったことにめちゃくちゃ悔しがり、そしてそんな愚かな自分を責めてしまう。
その時に消化できればいいものの、厄介なのが、新人の頃に仕事で上司に理不尽に怒鳴られたことや、中学生の時に一つしか違わない部活の先輩に、何の意味があるのかわからないトレーニングメニューや挨拶のしきたりのことまで、割と昔のことを今でも思い出し、その苦々しさに涙が止まらないこともある。
思い出して「あー」とか「うー」とか唸りながら悶えるたびに、過去に囚われたままであることを痛感し、もうすぐ30代でそこそこ成熟した大人なはずなのに、まるで成長できてないと、自分がどうしようもなく惨めに感じ、また涙を流す。
そんな時、下の田中みな実さんの記事を読んだ。
読了後、ほっとした。
自分が理不尽に耐えてきたことを「それでいいんだよ」と肩に手を置いてもらったような感覚だった。
胸につっかえていた石のような塊が消えるのを感じ、シュワシュワとした音が耳に届いた気がした。
私はその理不尽に耐えた自分を認めてあげることができなかった。理不尽だけでなく、頑張った自分を自分で否定していたことが苦しかったのだ。
もしかしたら、その経験がこれから襲いかかる辛さを乗り越える、あるいは拳でぶち破ってしまう力になるかもしれない。
頑張ってよかったんだ。頑張ってくれて本当にありがとう、私。
今も思い出すことはあるけど、「よく頑張ったね」と呟くだけで、じわじわとしたむず痒さが消え、悶えることも無くなった。
理不尽や不合理は、生きていく上で避けられないが、「それに耐えた自分を認めてあげる」ことを学んだ私には、ほぼ無敵だ。
むしろ、次はどんな理不尽に出くわすんだろう、とRPGのモンスターを待ち構えるように、少しワクワクしてしまっている気持ちもある。
もう大丈夫。胸を張って、これからも自信を持って生きていける。
最後に、田中みな実様、VoCEご担当者様、本当にありがとうございました。
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