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更年期ですか?

「今の言い方、非常に失礼です!」
「セクハラで一発アウトです!」

愛護会での始まりはささいなことだった。
最近、鹿の交通事故が増えてきたことで、治療が毎日忙しく残業続き。おまけに休日出勤も重なって、平日にその振替休日をとることになった。そんな平日休みの私あてに届いたメールにかんたんな返事することを、総務の職員に頼んだら、別の男性職員から「待った」がかかった。「そのメールには自分が休みであろうと自分で返事すべきた」とその男性職員は言う。メールの内容は、その日来る予定のボランティアさんが、少し遅れます、という内容だ。別に休みの私でなければ返事ができない内容ではなく、読んだ人が「わかりました」と一言返信すれば済むことである。なぜわざわざ休みの私に伝えてまで返事させる必要があるのだろう?

「それっておかしくないですか」と私が反論したところ、相手は「自分で責任もってやるべきだ」と言ってきて、口論になった。挙句の果てに私に対して向けられたのが次の言葉。
「それってパワハラですね」←パワハラに当てはまる要件を理解していない
「ヒステリーですか」
「更年期ですか」

女性が自己主張すると、パワハラ、ヒステリー、そして更年期ときた。私が男性だったら同じことを言うのか、はなはだ疑問。自分がどれだけ女性をバカにした物言いをしているのか、まったく気づいていない。たまたま「更年期」発言のときにやってきた知り合いに「今、更年期ですかとこの人に言われました」と言ったら、その人(女性)が「それってセクハラですよ」と一言ぴしゃり。

以前に特別柵の鹿の扱いについて、改善するように愛護会幹部に求めたときも、「更年期」とまでは言われなかったが、言い方がきついだのなんだの言われた。要するに女性はおとなしく従順で自己主張しない方がよい、というのが彼らの本音らしい。今は昭和はとっくに過ぎ去り、令和だというのに。

人口の半分は女性である。残念ながら、日本ではまだまだ女性が十分に活躍できる社会とはいいがたい。新しい内閣でも女性閣僚はわずか2名だった。上場企業の女性役員は全体の1/3にも満たない。日本はこれから労働人口が減って、女性にどんどん働いてもらわなければならないというのに、男性優位の社会は簡単に変わりそうにない。しかし、価値観が多様化する中で企業が生き残っていくには、女性の意見を取り入れることは非常に重要だと思う。愛護会は独占企業のようなものなので、その辺の感覚が鈍いのかもしれない。しかし、愛護会にお金や物品をコンスタントに寄付してくださる方は女性が多い。女性を大事にしないようでは、愛護会は女性にそっぽを向かれることになりかねず、未来は暗いと思う。




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