建設機械発達の概要(ダンプトラックその3)
3.小型建設専用ダンプトラックの出現
一般シャシに架装したダンプトラックは平担地では非常に良好な性能を示すが、不整地走行にははなはだ問題が多かった。従って小型で悪路走行も可能な建設専用ダンプトラックの出現が要請され、一部では英国のアベリング、ミヤーヒル等の輸入も行われた。これらの車はいわゆるシャトルダンプと称されるもので、運転席が反転自由なので車の方向変換が不要であり、また前車軸は中央でフレームと結合されている3点支持であって、短距離の往復運搬用に適した構造である。国産機としては米コーリング社と技術提携を行った石川島コーリング社が昭和29年に602A型ダンプターを作った。
またダム用として製作された12t、15t級のものに相当するものとして三菱のT51(7t)ダンプトラックが昭和32年秋に完成した。同車は道路運送車輛法に規定されている一軸10tの制限内にあり、一般道路を走行し得る車輛で、小回転半径、丈夫なフレーム及びパワーライン等が特徴である。
(↑)石川島コーリング ダンプター
(↑)三菱 T51型ダンプトラック
ダンプトラック系の主なる発展経過を述べたが、このほか御母衣ダム、黒部第四ダム等では大型ショベル(4~6yd)に配合せてュークリッド社60TD20t、86FD15tその他マック、インター、独乙ファウン等が使用されている。
現況を総括すれば5~7t車についてはコマーシャルダンプが断然多く、コーリングダンプターや三菱T51の様な建設専用車がぼつぼつ用い始められた。12~15tについては建設専用ダンプが主力で、それ以上の大きなものは輸入車に頼っている。
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