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#4|マーシャルの首都Majuroに到着!最初に感じたこと。

はじめに

ついにJICA海外協力隊として、マーシャルへと出国した。出国当日は家族や大切な人たちが空港まで見送りに来てくれた。中には初対面同士の人たちもいたが、数時間でツッコミあっている姿を見て、似たもの同士が集まるのだなぁと嬉しくなった。

今回は、首都であるMajuroに到着して数週間で感じたことをまとめる。数ヶ月もすれば現地に慣れて最初の感覚を忘れてしまうだろうし、たくさんの情報で偏った見方をしてしまうかもしれないので、まっさらな状態で感じたことをひとまずは自分の主観ベースで書こうと思う。

Majuro空港に到着

マーシャルへの行き方

本題に入る前に、「マーシャルまでどうやっていくの?何時間かかるの?」と質問を受けたので参考までに行き方を記載する。もし「マーシャルに行きたい」という親愛なる勇敢な友人がいたら、さらに詳細をお知らせできるので個人的にやりとりできればと思う。

【経由地と飛行時間】
①Haneda(Japan)→Guam(U.S)
・出発:23:35
・到着:04:25
②Guam(U.S)→Chuuk(Micronesia)
・出発:08:00
・到着:09:50
※Guam空港では、日本のうどん、らーめん、バーガーキング、生茶などが買えた。
③Chuuk(Micronesia)→Pohnpei(Micronesia)
・出発:10:50
・到着:13:10
④Pohnpei(Micronesia)→Kwajalein(Marshall)
・出発:14:10
・到着:17:05
⑤Kwajalein(Marshall)⇨Majuro(Marshall)
・出発:18:05
・到着:19:05

②〜⑤は世界でも珍しいアイランドホッピング型の飛行機で移動する。同じ飛行機に乗りながら、乗客が降りたり、乗ってきたりする。もちろん機内で出発を待ってもいいが、少し降りてトイレに行ったり、売店でスナックを買ったりできて(サービスエリアのようなイメージ)、boarding timeになったら再度同じ機体に乗り込む、長距離バスのようなスタイルであった。色んな国を行けたようで嬉しいが、一日中移動するので疲れは感じる。

アイランドホッピング中

感じたこと① 想像していた以上に綺麗!

途上国で大変なことと言えば、水回りはその一つであろう。渡航前にインドに行っていたこともあり、相当な覚悟を持っていたが暮らしている場所だけでなく、レストランのトイレも綺麗だなと思った。トイレットペーパーは流せるし、億劫にならずに座ることもできた。道を歩いていると雨季であるためか水溜まりはあるが、下水臭さはない。ポイ捨ては無いことはないが、目に余るほどではない。また、雨水を使っていることもあり歯磨きを蛇口の水で行っても、お腹を壊さなかった。「想像よりも綺麗で暮らしやすい!」が第一印象(個人的な感想)である。

島嶼国の下水事情や街の整備状況については、しっかりとした根拠をリサーチしてから書こうと思う。

お散歩中

感じたこと② 見てしまった、壮大なごみ山

私は20歳のころ(2021年)にフィリピンのごみ山に行ったことがある。行く前からごみ山の存在は知っていて、本を読んだり、ドキュメンタリーを見たりして、法制度や金銭的な理由があって存在していること、ごみ山を公園のようにして遊ぶ子供、ごみを拾いお金を得ている大人、住らす人同士でのコミュニティがあることは頭ではわかっていた。

初めて見た時には、漠然と「このままではよくない」と思った。ただその前に、ここで暮らしたいと思う人がいるのならば、例え衛生環境が悪く寿命が短くなろうと他人がとやかく言うことではないのではないか、これは社会構造がそうさせているとしたら私ができることはあるのだろうか、と自分の無力感を味わう方が大きかった。

それから赫赫然然と資源循環領域に関わり続けているが、マーシャルのごみ山はまた違って見えた。

考えてみれば当たり前だが、私が生活する上で出てしまう不要なものは、ごみ山に持っていく。自分達でまとめて袋に入れ、ごみ山のふもとから投げ込む。暑い日は異臭がするし、私の袋がドサっと地面についた瞬間にハエが舞い、足元を見ればドス黒い水溜りができている。これがオープンダンピングで、私も生産している1人なのだ。日本では消費の仕方にこだわっていたこともあり廃棄物の生産者である意識は薄かったが、ここに来て自分が生活をすると生産者になるのだ。

最寄りのごみ山@Majuro

私の友人が書いたnoteにこんな一文があった。


破壊を目撃せずとも破壊し続けられるという現代社会の構造がわたしたちの破壊を一層加速させている。

🔗:note

友人のnote

日本で生活をしていたから、ごみの行方を目撃しなくて済む。ただ暮らしていたところが日本であり、廃棄物処理のフロー(完璧なわけではないと思うが)が整っていたから生活の中で気にしなくて済んでいたことだった。

マーシャルに来て、不都合な現実を改めて見てしまった。

「臭いものには蓋をする」という例えがあるが、今までの生活で蓋をしてきた(目撃しなくてよかった)ものを今回はまじまじと見て、やっぱり臭い(問題がある)と感じた。実際にごみ山も臭いが、どこかの誰かが蓋をしていただけで、やっぱり存在するものだった。私はこの状況を何とかするために来たのだが、蓋をしたくなる気持ちもわからなくもないほど、壮大だった。

自国で生み出せる歳入と産業が多くない国で、西洋から伝わった近代的な生活を続けるにはしょうがないことなのだろうか。

一方で、島の中でごみ山が最も標高が高い場所の一つだとも聞く。
地球温暖化による海面上昇が国家存続の危機である国にとって、皮肉なことに感じた。

まだ断片的な情報しか得られていないが、これからもっとこの島で起きている真相に迫りたい。

日本食が売っているスーパー

感じたこと③ なんでもかんでも遠隔性のせい?

マーシャルの面積は200万k㎡あるが、陸地総面積は、181k㎡とほぼ霞ヶ浦と同じ大きさで、面積のほとんどが海である。5つの独立した島と29の環礁で構成されているが、その島同士はとにかく遠い。船で1日かかるところもあるし、基本的に大きな島に行くには飛行機で移動し、移動費は高い。東京と沖縄を飛行機で移動することと同じくらいの金額ではあるが、何をするにも移動しなければならないのでコストがかかり、ビジネスを行うには難しさがつきまとう。
 日本の援助で建てられたFish marketに行った。そこでは別の島で取れた魚を船で取りに行き、それらを売っていたが島には行けても週に数回。月に1度しか行けない島もある。船が少ないということもあるが、やはり一度行くことに時間がかかってしまうというのが利益を生み出しにくい理由だと言う。遠隔地からすれば、それだけで商売のチャンスが少ないのだ。
 使用済みの缶を集め圧縮する施設を見学した。圧縮した缶は、アジアのある国に送られリサイクル材として買い取ってもらっている。資源が少ない島で資源を輸出していることはもったいない気もするし、輸送コストもかなりかかっていると予想している。仮に自国でリサイクル産業を起こしても、国内市場は限られており、輸送して販売すると価格競争力で劣る可能性が高い。
 
 ビジネスの市場だけでなく、コミュニティ自体も非常に狭い。島民のほとんどは知り合いでビールを多めに買っただけで日本人であれば噂になるほどである。綺麗な海がすぐそばにあり、時間の流れが穏やかなこの国で不思議に思ったが、自殺率が高いという。簡単に島外へ出られないからだろうか。

コプラ

おわりに

繰り返しになるが、あくまでも主観ベースで書いているので、これだけを読んでマーシャルのことを決めつけないでいただけると幸いである。マーシャルに来て感じたことを列挙したが、乾季と雨季で構成される海洋性熱帯気候、雨が降ると弱くなるネット回線、すぐに吠えてくる犬、何度見ても感動するほど綺麗な海、がある生活をできるだけ好きになれたら良いなと思う。

実は、私はほどなくして引越しをする。私が暮らすのは、今回メインで書いた首都のMajuroではなく約500km離れたEbeyeという島である。飛行機とフェリーで4時間ほど移動する。

様々な状況を聞くが、まずは自分が感じたことを大事にしたいと思う。

How far I will go!!!

海と椰子の木

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