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#3|JICA海外協力隊出発前の気持ち

はじめに

JICA青年海外協力隊として派遣されるまで数日を切った。今の気持ちは、「落ち着いている」という感じで変に焦ったり、緊張したりはしていない。何気ない日常に「出国前最後の」という言葉をつけて、特別感を味わっている。母親へのご飯のリクエストは、若干わがままでも通ることがわかり、食べたいと思ったらそのままリストに追加して共有し美味しいものを1日3回も食べられている。

さて今回は、出発前に考えていることをまとめようと思う。私は、ぼーーっと考えることが好きなわりに忘れてしまいやすいので、記憶のメモ代わりに派遣前に考えたことをまとめていけたらと思う。

また前々回のnoteを公開してから、自分が想像していたよりも反響が大きかったので言語化して考えを公開することへのスタンスを後半で記す。


派遣前訓練@駒ヶ根

73日にわたるJICA海外協力隊派遣前訓練に参加した。

🔗:JICA海外協力隊派遣前訓練とは
JICA海外協力隊として安全に、有意義に生活や活動ができるよう、協力隊員として必要な姿勢や態度、言語や異文化理解など必要最低限の知識や能力・適性を養うこと、また、予防接種や渡航手続きを行うことを目的として、約73日間の合宿制で実施しています。

シェアハウスをしていたり、青年の家で合宿を繰り返す大学生活だったりしたこともあり集団生活に比較的慣れていたことでストレスはあまりなく、言語力を強化しながら自分のやりたい分野について探求できる良い機会だった。

訓練所でのインプットや派遣までの準備期間に起きた出来事の中で考えたことを3つにまとめる。

プレゼン中

考えていること①信頼とは何か

信頼とは何かを考え始めたのは、紛れもなくJICAのビジョンが「信頼で世界をつなぐ」だからである。
信頼している(されている)状態とは何なのか。信頼がないとつながれないのか。
このような問いを真面目に考えるが、よくわからなかったので本を買ってみた。

🔗:信頼の構造

結論、読んでもよくわからなかった。「社会的不確実性」「機会コスト」「安心」「信頼性」「コミット関係」「パラドックスと命題」などがキーワードになるかと思うが、今の私の理解力ではどうも腑に落ちなかった。

むしろ、信頼できる人ってどんな人かと聞いた時に「背中を預けられる人」と答えた友人の一言の方が心に残っている。noteに書くにしては歯切れが悪いが、この問いについては、もう少し時間が経ってから本を読み返して、腹落ちさせるという宿題にしたいと思う。

焚き火

考えていること②無意識に偏っていないか

訓練所で職員の方が行ってくれた講義で印象に残ったことがある。それは、国連総会でのある決議案の投票結果についてだ。今まで日本の立場と決議の結果をニュースで聞いたり聞かなかったりする程度だったが、講義内では途上国の票の行方に着目した。その決議は大国同士で意見が分かれる結果になっていたが、同じく途上国の意見も分かれていた。なぜなら、支援を受けている大国と同じ内容を途上国は投票していたからである。

私の行くマーシャルもそのような途上国の一つだ。この投票で示された意見は、その国の意見なのだろうか。

開発協力は要請主義の立場をとっており、途上国側からの正式な要請を受けた上で支援をすることになっている。ただその要請は本当にその国が望むことなのだろうか。要請主義とはいえ「我が国の国益を重視した総合的な戦略を立て、その上で相手国政府との政策対話を通じて、相手国政府の政策の取組を促すとともに、具体的なプロジェクトを策定すべき」とされており、日本の国益につながることを行うのは大前提となっている。

ここで言いたいのは、「〇〇さんが言ったから」とか「ODAの事業開発計画に書いてあるから」という理由で鵜呑みにしている(私が正しいと信じている)情報も偏っている可能性があるということである。もしかしたら、そのように表現しなければならなかった事情があるのかもしれない。

無意識に考えが偏っている可能性を常に持ちながら、一方で素直に一次情報を見聞することを恐れずにいたい。ただ、書いていながらなんて器用なことをしようとしているんだとも思う。来週にはマーシャルにいるという現実は変わらないので、一旦はやってみるしかないし、開発協力の現場に行くことで「本当はこうだったんだ」という発見がたくさんある気がしてワクワクする。

駅から見たインドの道

考えていること③「心のふるさと」はどこなのか

私は三重県出身で、実家から祖母の家の間に神宮があるため、幼い頃からお伊勢参りを数年に1度はしてきた。そのせいか渡航前にも参拝をしたかった。今回は3年ぶりに神宮を訪れたが、大学時代の師匠に解説してもらったときのメモを見ながら「神宮が日本人の心のふるさとと親しまれる所以」を再度考えていた。

当然ながらせんぐう館にも立ち寄ったが、そこで行われていた解説が素晴らしかった。
プラネタリウムで聞くような心地よいトーンで、全く展示には記されていないお宮の秘密や工夫が施されている理由を美しい日本語で教えてくれた。

「続ける」ということを何よりも重要としたからです。
先祖が守り抜いてきた技術が結集され、それはここ神宮だけでなく皆様の身の回りにもあるはずです。それらに気づくきっかけが神宮であれば幸いです。
🔗:せんぐう館

解説一部抜粋

神宮の永年性について現代風にまとめられたサイトがあった。

パルテノン神殿やピラミッドのように石造りの建築物は遺跡となり風化していきます。一方、木でできた神宮の社殿は20年に一度建て替えることにより、常に若々しく美しく保たれるという永遠性を求めています。
変化のスピードが早い社会の中、「何も変わらない」ためにあえて「変える」という独特のスタイルを守り続けているといえます。
🔗:神宮

神宮HPより

宗教的な話になるが誤解を恐れず表現すると、「バトンを渡された感覚」を味わった。私は先祖が祈り続けた幸せの線上で営んでいて、まわりが変わっても変わらない何かを守り続けている。

ひたむきに続けていくということを、ちゃんと自分もしたいと思った。

この感覚はバイブスが家族の中で一番合うと感じる母方の祖母や大学時代の師匠と話した時にも感じる。この感覚が味わえる場所を「心のふるさと」と呼ぶとすれば、もっと身の回りにもあるのかもしれない。

またその後は赤福盆セットを注文して、伊勢茶(ほうじ茶)とともに五十鈴川を見ながら赤福を食べた。そして露天風呂に入り、風で揺れている湯気を燈越しに見た。

ぼーーーっとした。最高にぼーーーっとした。

神宮の紅葉

これからの発信について

今回で第3号目となるnote。なぜ発信し始めたかと言えば、自分視点であれば備忘、任務視点であれば認知拡大のためである。ただ、ありがたいことに反響をいただくことで良いね欲しさに見栄をはったり、耳障りの良い言葉を使って本音から遠ざかってしまったりしないように、スタンスを記そうと思う。

①反応しない
SNS上での不気味なキラキラに惑わされない。他人と比べない。

②忖度、誇張、見栄を手離し、ありのままの言葉を紡ぐ
心の機微に敏感になり、安易に妥協しない。

③ひとまず2年間は定期的に言葉にする
公開するかはさておき、言葉にする面倒くささから逃げない。

読んでくれたり、コメントくれたりする方には、本当に感謝しています!ありがとうございます!ありがとうございます!!!!!!!!

英虞湾

おわりに


まずは健康第一で、いってきます〜!

夕日とカッコつけた自分

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